鎮静薬

鎮静薬の上手な選び方・使い方

鎮静薬は、不眠症の改善薬として用いられます。医療用の鎮静薬とは異なり、生薬エキスや漢方由来のものが多く、依存性はほとんどありません。他にも抗ヒスタミン薬も鎮静薬として用いられます。生薬エキスにはブクリョウやセンキュウ、サイコ等のエキスがあり、漢方としては、抑肝散加芍薬黄連があります。漢方や生薬エキスはあくまでも(鎮静)が目的であり、催眠導入作用はないので、よく理解して使用するようにしてください。
抗ヒスタミン薬は風邪薬などにも含まれており、中でも第一世代抗ヒスタミン薬である(ジフェンヒドラミン)が用いられています。ヒスタミンは脳内の覚醒物質の一種であり、ジフェンヒドラミンがヒスタミン受容体をブロックすることで催眠鎮静作用が現れ、自然に近い眠りを導くことができます。眠気を引き出すため、乗り物の運転は重大な事故に繋がる恐れがあります。服用する際は運転は控えるようにした方が良いです。また、抗ヒスタミン薬は排尿困難や眼圧上昇などの抗コリン作用も有するため、前立腺肥大症や緑内障にかかっている方はなるべく服用は避け、漢方・生薬エキスの製品の使用をした方が良いです。今ではあまり使われていませんが、尿素系のブロムワレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素も鎮静薬としての効果があります。

鎮静薬の副作用と注意点

ジフェンヒドラミンのもつ眠気作用を利用したものであり、服用後の乗り物の運転は眠気によって重大な事故に繋がるかもしれません。睡眠薬を服用した際は、乗り物の運転は控えるようにしてください。また、ジフェンヒドラミンの作用が翌日まで持続したり、だるけを感じたりするときは、これらの症状がなくなるまで、運転はしないでください。ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン作用のほかに、抗コリン作用(尿閉、眼圧上昇、口渇など)をもっています。病院で緑内障や前立腺肥大症の診断を受けた方は、抗コリン作用で症状が悪化する恐れがあるため、服用前に薬剤師や医師、登録販売者に相談してください。

睡眠薬の中にはジフェンヒドラミンの他に尿素系にのブロムワレリル尿素を含む製品(ウット)もあり、ジフェンヒドラミンのみを含む製品(ドリエルなど)よりも効果が強いとされています。ブロムワレリル尿素は、大脳皮質の機能と覚醒に関わる上行性網様体賦活系という神経系を抑制することで強い催眠・鎮静作用を表すとされています。効果が強いため、長期連用・過量服用により中毒を引き起こす恐れがあるため、服用する際には注意が必要です。また、尿素系の睡眠薬は依存形成のリスクがあるため、服用は最小限に留めて、用法・用量を守って服用してください。
生薬エキスや漢方製品は副作用や依存性はその他の睡眠薬よりもかなり少ないため、問題なく服用できますが、長期連用は避けた方がいいです。

鎮静薬の飲み合わせ

ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン作用をもつ薬物であり、アレルギー用薬や乗り物酔い薬、風邪薬、解熱鎮痛薬などにも同じ作用を持つ成分が配合されている場合があります。これらの薬と飲み合わせますと、眠気や抗コリン作用(尿閉、眼圧上昇、口渇)が強く出る恐れがあります。これらの薬を服用する際は、鎮静薬の服用は控えたほうが良いです。生薬エキス・漢方製品においても、同じ作用を有する鎮静薬との併用は避けるべきです。
より気を落ち着かせたい、眠りにつきたいからといって鎮静薬をアルコール類と一緒に飲むのはよくありません。アルコール類と鎮静薬はどちらも中枢神経系の興奮作用を抑えるものであり、一緒に飲んでしまうと、中枢神経系の機能を強く抑制し、副作用が現れやすくなる恐れがあります。重大な事故にも繋がりうるので、注意してください。

抑肝散加芍薬黄連で注意すべき生薬として、カンゾウがあります。カンゾウは成分としてグリチルリチン酸を含み、抗炎症作用や免疫力増強作用などを有しています。しかし、カンゾウを摂り過ぎてしまうと、偽アルドステロン症を引き起こし、血清カリウム値の低下や血圧上昇、浮腫がみられるようになります。また、ミオパシーという四肢痙攣・麻痺、脱力感などの異常が起こることもあります。漢方やかぜ薬などにはカンゾウが含まれていることがあるため、カンゾウによる副作用が強く出てしまう可能性があります。カンゾウを含む製品を服用する方は、服用前に成分を確認し、心配な方は薬剤師の方に相談するようにしてください。
  • 薬は効果をしっかりと引き出しながら、できるだけ副作用を抑えることが大切です。使用法・用量、飲み合わせに十分注意し服用してください
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