整腸薬

整腸薬の上手な選び方・使い方

食べ過ぎたり、寒さで腸の動きが低くなりがちになると、腸内細菌による異常発酵が起こり、空腹でもないのにおなかがなったり、放屁が出たりします。整腸薬は、腸の活動を活発にして消化を促進し、腸内環境を改善してくれます。整腸薬には、生菌類や生薬類が主体となって配合されています。生菌類には腸内で乳酸を産生させて、大腸菌や病原菌などの増殖を抑える役割を持ち、ビフィズス菌やラクトミンなどが含まれます。これらの菌の作用や効果はどれもほとんど同じであるため、どれを選んでもらっても大丈夫です。中には複数の菌末が配合された製品もあります。乳酸菌類の他に、酪酸を産生することで同じ作用を示す宮入菌もあります。
生薬類は止瀉作用をもつものと寫下作用をもつものの逆の作用をもつものがあるため、選ぶ際には注意が必要です。止瀉作用をもつ生薬としてはゲンノショウコがあり、タンニンが主成分となっています。ゲンノショウコは腸の働きを抑える作用があるため、便秘気味の人には向きません。一方、瀉下作用を示すものにはケツメイシがあり、下痢気味の人は使用を控えるべきです。
ガスによる腹部の膨張感を改善する際は、消泡剤(ジメチルポリシロキサン)を含むガスピタンがお薦めです。

整腸薬の副作用と注意点

生菌類は腸内で増えるので、量を少し増やしても問題はありません。また、連用して止められなくなる、効かなくなるなどのこともありません。生薬類も指示された用量内では大きな副作用はありませんがおなかが緩くなった、下痢がひどくなった場合は注意が必要です。

下痢気味の方に瀉下作用を有する生薬が配合されたものを使用すると、下痢がひどくなる恐れがあるため、止瀉作用を有するものを服用するようにしてください。逆に、便秘気味の人に止瀉作用を有する生薬が配合されたものを使用すると、便秘が続いてしまうので気を付けてください。
止瀉作用と瀉下作用は逆の作用ですので、どの生薬がどちらの作用を持っているかがわからない場合には、薬剤師に一度相談し、適したものを選んでもらった方が良いです。生薬製剤の中にはロートエキスやグリチルリチンを含むものもあります。ロートエキスは抗コリン作用を有するため、前立腺肥大症や緑内障、心臓病などにかかっている方は注意が必要です。また、カンゾウの成分でるグリチルリチンは、副作用として高カリウム血症や高血圧、浮腫などがあります。毎日服用しているとこれらの副作用発現のリスクが高まってしまうので気を付けて服用してください。

整腸薬の飲み合わせ

細菌を殺す抗生物質(テトラサイクリン系抗生物質など)と一緒に生菌類を含む整腸剤を服用しますと、病原体と一緒に乳酸菌なども死滅してしまうので、整腸薬の効果が低くなってしまいます。抗生物質を服用している間は、整腸剤の服用は控えるるか、時間をずらして服用するようににした方が良いです。また、病院でビオフェルミンRやラックビーRなどの耐性乳酸菌を処方してもらうなども考えられます。

漢方製剤の中には、ダイオウやセンナのように寫下作用をもつ生薬が含まれていることがあります。これらの生薬にはセンノシドが含まれており、寫下作用を有する整腸薬を併用すると、作用が増強して下痢になる可能性があります。服用する前に、一度薬剤師へ相談してから服用するようにしてください。

止瀉作用をもつロートエキスは抗コリン作用を有しているため、同じく抗コリン作用をもつ三環系抗うつ薬や抗ヒスタミン薬、フェノチアジン系薬剤などと服用すると、抗コリン作用が増強する恐れがあります。整腸薬を服用する前に、これらの薬を使用していないか確認してから服用してください。
生薬類製剤に含まれるカンゾウは、摂り過ぎてしまうと偽アルドステロン症を引き起こし、血清カリウム値の低下や血圧上昇、浮腫がみられるようになります。また、ミオパシーという四肢痙攣・麻痺、脱力感などの異常が起こることもあります。漢方やかぜ薬などにはカンゾウが含まれていることがあるため、カンゾウによる副作用が強く出てしまう可能性があります。カンゾウを含む製品を服用する方は、服用前に成分を確認し、心配な方は薬剤師の方に相談するようにしてください。
  • 薬は効果をしっかりと引き出しながら、できるだけ副作用を抑えることが大切です。使用法・用量、飲み合わせに十分注意し服用してください
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