咳・たんの薬

咳・たんの薬の上手な選び方・使い方

咳やたんは体が病原菌やウイルスなどの異物を排出するための防御反応ですから、安易に抑えるのは好ましくありません。しかし、咳によって喉の粘膜が傷つき痛くなったり、たんによって呼吸が困難になる場合には薬で抑えた方が良いこともあります。咳やたんの原因を治療することが大切ですから、原因がわからないのに咳が長く続く場合やたんに血が混じったり有色の膿状のたんが出る場合には、市販の薬で抑えずに医師や薬剤師に相談してください。長く続く咳の場合は、喘息やマイコプラズマ肺炎、有色の膿状たんが出る場合は肺炎球菌による肺炎などの感染症が疑われます。
咳を抑える薬にはリン酸ジヒドロコデイン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩などが含まれていますが、咳を抑える作用はリン酸ジヒドロコデインのほうが強いと言われています。
一方、眠気や便秘などの副作用はリン酸ジヒドロコデインの方が強く起こり易いため、症状によって使い分けると良いでしょう。たんの薬にはブロムヘキシン塩酸塩やカルボシステインなどが含まれているものがあり、これらの薬はたんの粘度を下げたんを出しやすくする作用があります。たんがのどが絡む症状が強い人はこれらの薬が含まれているものを選ぶと良いでしょう。

咳・たんの薬の副作用と注意点

咳止めはリン酸ジヒドロコデイン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩など延髄の咳中枢を抑えることよって作用を示します。
これらの薬には副作用として眠気が出ることがあるため、自動車の運転等危険を伴う機械の操作を行う時には服用しないようにしてください。また、リン酸ジヒドロコデインには消化管を動きを抑える作用があり、便秘になったり、感染症が原因の下痢の治療期間が延長したりすることがあります。また、気管支を広げ、咳を抑える薬としてメチルエフェドリン塩酸塩を含む薬には副作用として、低カリウム血症や動悸などの副作用が起こることがあります。
たんの薬には炎症を抑えたり、たんの粘度を下げる目的でリゾチーム塩酸塩という卵白由来の酵素を含むものがあります。このため、卵白アレルギーがある人は服用できません。また、ブロムヘキシン塩酸塩やアンブロキソール塩酸塩には気管支分泌物を増やしてたんの粘度を下げる作用があり、一時的にたんの量が増えたように感じることがあります。
カルボシステインはまれに重い高熱や目の充血、皮膚の発赤などを主徴とする皮膚粘膜眼症候群を引き起こすことがあるため、過去に同様の症状を起こしたことがある人は注意が必要です。

咳・たんの薬の飲み合わせ

リン酸ジヒドロコデインには消化管の働きを抑える作用があるので、一部の下痢止めや抗コリン作動薬(一部の抗うつ薬や胃腸薬に含まれる)との併用で麻痺性のイレウスを引き起こしたり、排尿困難などの副作用を増強することがあります。また、抗凝固薬のワルファリンの作用を強めることがあります。このため、ワルファリンを服用している人は、皮下出血など出血傾向がみられることがあり注意が必要です。また、リン酸ジヒドロコデインは安定剤(エチゾラム、ブロチゾラム)や抗アレルギー薬(クレマスチンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩など)などの脳の神経をしずめる薬と併用すると、眠気やふらつき、過度の鎮静、呼吸抑制、低血圧などが出やすくなることがあります。
めまいや眠気、呼吸抑制などの副作用は飲酒によっても増強することがあります。メチルエフェドリンは市販のかぜ薬や葛根湯や麻黄湯などマオウを含むの漢方薬にも含まれており、これらの薬と併用することによって副作用である低カリウム血症や動悸、むくみが起きやすくなることがあるため注意が必要です。また、メチルエフェドリンは喘息やめまいに使われるイソプレナリン塩酸塩や甲状腺機能低下症の治療薬のレボチロキシンナトリウムと併用することによって交感神経興奮作用(動悸、手の震え)や不整脈が起こり易くなることがあります。
  • 薬は効果をしっかりと引き出しながら、できるだけ副作用を抑えることが大切です。使用法・用量、飲み合わせに十分注意し服用してください
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