花粉症で発症する咳の原因と対策 早期治療が肝心!

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監修:Doctors Me 医師

花粉症はいまや日本人の4人に1人がかかっているといわれる国民的な病気。

症状は人によっていくつものパターンがありますが、その中でも話題になっているのが「咳」の症状。

今回はこの花粉症による咳について、医師に解説したいただきました。

花粉症で咳は出る?

花粉症の主な症状


1.くしゃみ
2.鼻水
3.鼻づまり
4.目のかゆみ

実はこの中に花粉症の症状として「咳」も含まれます。

咳が出ると風邪によるものと思ってしまいがちですが、花粉症による咳である場合は風邪への対処を行なっても効果はあまり見込めません。

きちんと原因を明らかにし、適切な対策をとることが大切です。

鼻水が原因で起きる咳

花粉症では鼻水が大量に出るのが典型的な症状の一つです。鼻水は鼻の中だけにおさまりきらず、のどに流れ落ちてきます。

これを後鼻漏(こうびろう)といいます。後鼻漏が激しくなると、のどの粘膜が炎症を起こすため、咳が出るようになります。

花粉がのどや気管支に入ってくることにより起きる咳


鼻が詰まると口呼吸をするようになり、本来鼻で止められるはずの花粉がのどや気管支まで到達してしまうことがあります。

こうなるとその花粉を排除しようと、咳が出るようになります。

また、鼻に入った場合も、一部のどや気管支まで到達してしまうことが最近わかってきました。

花粉の粒子は大きくて鼻で止められると考えられてきたのですが、花粉の周囲に多数付着しているオービクルまたはユービッシュ体と呼ばれる微粒子、飛散中に砕けてしまった花粉の一部などは鼻を通過し、のどや気管支に炎症を引き起こします。

秋の花粉症による咳


花粉症といえば、春先のスギ・ヒノキの花粉を連想される方は多いかと思われます。春の花粉症といえば、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」が3大症状であり、いびきなどを合併することがあります。

一方で、秋にも花粉症に似た症状を発症することがありますが、前述の症状に加えて咳が出る事が特徴です。

秋に飛散する花粉は、キク科の植物のヨモギ・ブタクサやカナムグラ・イナクサなどの種類が原因とされています。これらは、河川敷・空き地・道端に生えており、背丈が比較的低い植物です。

背丈が低く花粉を飛ばす量は少ないため、春のスギ・ヒノキと比べると飛散量は少ないですが、道端や空き地など普段から使用する道路に繁殖しているため、症状が出やすくなります。

この中でも、特にブタクサは粒子が小さいため気管に入りやすいです。このため、花粉を排除しようと咳が出て気管支喘息の原因となります。

これに対して春の花粉は粒子が大きいので鼻などに付着する程度であり、気管・気管支にまで侵入することはほとんどないため、咳の症状が少ないのが特徴です。

秋にくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状に加えて咳が出る、また、ゼーゼーするなどの喘息に似た症状がある場合には、秋の花粉症を考えた対処が必要です。

花粉症と風邪の咳

一般に言われる花粉症とはアレルギー性鼻炎のことを指します。花粉症とは花粉などの抗原に対するアレルギー反応であり、サラサラの透明な鼻水や、くしゃみ、鼻づまりが主症状です。

確かに、同様の生体システムにより咽喉頭や気管・気管支などの気道(呼吸する通り道)にアレルギー反応が起こり、咽喉頭炎、気管・気管支炎が起き、それによる咳が出ることがあります。

<花粉症の咳>
乾性咳嗽と言われるタンがからまない「ケンケン、コンコン」などの乾いた音がする咳で、長期間続くことが多いです。

<風邪の咳>
主に季節の変わり目などに流行するウイルス感染によるものであり、ウイルスに対する炎症反応により鼻水がのどに落ちたり、咽喉頭や気管・気管支などの表面から粘液がたくさん分泌されてタンになり、咳が出ます。

乾性咳嗽に対して湿性咳嗽という「ゴホッゴホッ、ゼロゼロ」といった湿った咳であることが多いです。

ただし、花粉症と関連あるアレルギー性の咽喉頭炎、気管・気管支炎の咳と風邪など感染性の咳が同時に発症していることもあり、咳の診療は難渋することも珍しくありません。

さらには腫瘍や血管の形の異常など他の病気が隠れていることもあります。

痰が絡む咳も花粉症が原因?

花粉症の代表的症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといったアレルギー性鼻炎の症状です。

鼻水が多すぎると、鼻の穴から外に流れ出すだけではなく、鼻の穴の奥からのどに流れ込み、後鼻漏(こうびろう)として食道や気道に流れ落ちます。後鼻漏が気道に入ると激しい咳が起こります。

花粉の多くは鼻粘膜や口の粘膜に捉えられますが、一部はのどのさらに奥の気管粘膜に付着します。またスギ花粉の飛散時期にはPM2.5や黄砂などの大気汚染物質も増加しており、これらも気道を刺激します。

こういった汚染物質を外に押し出そうとするときに、粘液で包み込んだものが痰となります。ですので花粉症の時期には乾いた咳も出ますし、後鼻漏や痰を排出しようとして湿った咳も出ることがあるのです。

また咳を繰り返していると、咳による激しい気流の流れにより気道粘膜が損傷を受けます。するとますます過敏性が増し、ちょっとした刺激にも咳が出るようになってしまいます。

そのうちにウイルスや細菌感染も加わり、風邪のような状態になってますます咳や痰が悪化することもあります。

基本的には後鼻漏や感染を伴わない痰は白や透明でさらさらしていますが、細菌やウイルスの感染を伴うと黄色や緑っぽい色になります。水分不足になると痰の粘り気が強くなります。

黄色い痰は病気のサイン!?


くしゃみ・鼻水・鼻づまりに代表されるアレルギー性鼻炎の症状、これらは花粉が鼻粘膜に付着することで起こります。

花粉の多くは鼻粘膜や口の粘膜に捉えられますが、一部はのどのさらに奥の気管粘膜に付着します。気管粘膜は粘液で花粉を包み込み、痰になります。

痰は気道粘膜の上に生えている細かい繊毛の働きで口のほうに送り出されます。

また、鼻水が多すぎて鼻の穴から外に出るだけでは足りない場合、もしくは鼻づまりのために外に鼻水が出られない場合、鼻水が奥に流れ込み、後鼻漏として気道に流れ落ちて痰になります。

こういった痰は基本的に透明か白色の泡のような感じです。アレルギー反応に関与している好酸球やリンパ球の死骸を含みます。

しかし痰を出そうとして咳をし過ぎると、気道に激しい気流の流れができ、気道粘膜が損傷を受けます。するとますます粘膜が過敏になり痰と咳が増えるという悪循環になります。

そのうちウイルスや細菌が粘膜に感染し、そういった病原体を駆除するために白血球のうち好中球が活動し始め、その死骸や炎症の老廃物が痰に混じると、痰が黄色や緑色になってきます。

ですので黄色や緑色の痰が出る場合は、花粉症だけでなく何らかの感染が起こっているサインかもしれません。

花粉症から咳喘息に!?

花粉症のシーズンに咳の症状も重なり長引く場合は、咳喘息かもしれません。

咳喘息の特徴は、8週間以上慢性的な空咳が続く、気管支喘息のようなゼーゼー、ヒューヒューという音を伴わない咳、出始めるとなかなか治らないなどの点です。これは一種の現代病で近年、増加傾向にあります。

原因は、特定することは難しく、アレルギーやストレスなど様々な原因が重なり発症すると考えられます。花粉症も咳喘息の原因の1つであり、花粉症をきっかけに咳喘息になることも珍しくありません。また、症状は、一見、風邪の咳と見分けがつきにくいのですが、風邪の薬では改善しません。

診断は、専門医でないと早い段階で見分けることが難しいのが現状です。治療は、耳鼻科または呼吸器科を受診してください。抗アレルギー薬、気管支拡張薬、ステロイドなどを症状に応じて使用します。過去に喘息の既往歴がなくても咳喘息になる可能性があります。

間違った治療や治療が不十分だと症状が悪化し、気管支喘息に移行する危険性があります。疑わしい症状があれば早めに受診するようにしましょう。

対策


花粉症が原因で起きる咳を完全に止めるには、花粉症そのものを治癒しなければなりません。

根本的な治療は容易ではありませんが、激しい咳を和らげることは可能です。咳は多くの場合、のどの炎症によって起き、その際にはのどが乾燥しています。

つまり咳を和らげるには、のどを保湿することが重要です。

のど飴、のどスプレー


のど飴やのどスプレーはのどを保湿するとともに、のどの炎症を抑える効果をもちます。のど飴ではなく普通の飴でもある程度の効果はあります。

加湿器


加湿器で室内の湿度を保つことによって、のどに潤いを与え咳を和らげることができます。また、高性能な加湿器には、空気清浄効果をもつものがあり、アレルギー源の花粉を除去することが期待できます。

うがい


外出後はうがいを心がけましょう。水でのどを湿らせるとともに、のどに付着した花粉を洗い流すことができます。もちろん外出後だけでなく、こまめにうがいをすることは良いことです。

マスク


マスクは花粉の吸引を抑えるだけでなく、のどを保湿するのにも効果があります。呼気には多量の水蒸気が含まれますから、自分自身の呼気によってのどの乾燥を防ぐことができます。

水分補給


のどの保湿のためには、水分補給を欠かすことはできません。冷たいものより温かなものがよく、白湯でもよいのですが、以下のようなものを飲むと、より大きな効果を期待することができます。

蜂蜜レモン


蜂蜜には大きな殺菌効果があり、レモンにはビタミンCが含まれます。

生姜湯


生姜は体を暖める食品として有名で、同時に殺菌効果ももちます。

緑茶


緑茶も強い殺菌成分を含みます。もともとは薬として日本にもたらされました。

治療薬

のどの加湿によって咳はかなり和らぐはずですが、症状が激しい場合には投薬で治療することも必要になります。

薬は症状や体質に応じて適切にとる必要がありますから、医師や薬剤師への相談をお勧めします。

花粉症の咳を抑える薬は、以下のような種類があります。

抗アレルギー剤


花粉症の患者の体に花粉が侵入すると、抗体と結合し、その際に何種類もの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が出されます。

これが鼻や目、のどなどへの指令となって、花粉を排除するための活動、つまり花粉症の諸症状を起こさせます。抗アレルギー剤は、化学伝達物質が出ないよう働く薬です。

抗ヒスタミン剤


化学伝達物質には何種類もありますが、その代表がヒスタミンとロイコトリエンです。ヒスタミンにはかゆみを感じさせたりくしゃみを起こす働きがあります。鼻水の分泌が増えるのもこれによるものです。抗ヒスタミン剤は、ヒスタミンの働きを抑えることで症状を防ぐものです。

抗ロイコトリエン剤


ロイトコトリエンは、血管を広げ、粘膜の腫れを引き起こす化学伝達物質です。これによって鼻詰まりや瞼の腫れが引き起こされます。

抗ロイコトリエン剤は、ロイコトリエンの働きを抑え、これらの症状を防ぎます。

ステロイド剤


ステロイド剤は、特定の症状を抑えるのではなく、アレルギーのメカニズム全体に作用してアレルギー症状を抑え込むものです。

強い効果をもちますが、正常な抗原抗体反応も抑えられてしまうため、副作用が起きる危険性があります。必ず医師の処方に基づいて服用してください。

最後に

花粉症の症状は、咳だけに限らず辛いものですよね。

少しぐらいの咳なら、保湿療法や市販の薬でしのぐことができますが、激しい咳は喘息や肺炎を引き起こす可能性があります。

そうならないうちに、気になったら病院で診察してもらうことが大切です。

(監修:Doctors Me 医師)
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