排便障害の症状

排便障害は、大きく分けて2つに分類されます。ひとつは便秘、もうひとつは便失禁です。便秘は、便の回数が少なかったり、いきんでもなかなか出ない症状を言います。
  
症状の出方はさまざまで、若いころから便秘になる人もいれば、高齢になってから起こる人、ストレスを感じた時だけ起こる人などあります。生活習慣を整え、経過観察でいい場合も多いですが、いつもと違う感じがしたり、ひどくなった時、出血がみられる場合などは検査を受ける必要があります。
   
便失禁は、便が我慢できずに自然に漏れてしまうことをいいます。便意を感じないこともあります。高齢者や出産後の女性、痔の手術をした後に見られる場合があります。

排便障害の原因

排便障害の原因は、便秘、便失禁ともに様々です。
便秘の場合は、便を送り出す腸の力の弱さや、大腸の緊張などがあげられます。また、食生活やストレスなどが要因となることもあります。ただし、中にはクローン病や大腸がんなどで起こる場合があるので注意が必要です。
  
便失禁は、肛門のしまりが弱くなっていることで起こります。出産や肛門周辺の手術を行うことで、肛門括約筋が傷ついて力が弱くなったり、直腸脱で起こることもあります。また、多発性硬化症や糖尿病などの一環で便失禁が起こることもあります。便失禁は食事や薬などで便自体をコントロールしたり、括約筋形成手術を行うことで対処します。

排便障害の治療法

便秘を防ぐためには、規則正しい食生活が大切です。また、食物繊維をしっかりと取るようにします。また、腸の動きを活発にするために運動をすることも有効です。即効性の便秘薬を使い続けていると、腸が刺激になれてしまい、便秘が悪化することもあるので注意します。便失禁は、下痢や便がやわらかくなってしまう食べ物を避けるようにします。
また、基礎疾患がある場合は、その治療をしっかり行うことも大切です。
排便障害を治していくのには中長期かかる場合があります。信頼のできる医師のもとで、根気強く治療をしていくことが必要です。