症状

肛囲皮膚炎の症状は、肛門部分がべとつく、ただれる、かゆくなる、分泌物が出るなどが挙げられます。急性のものは、浮腫性紅斑や漿液性丘疹が皮膚にでき、小さい水疱から膿疱へと変化し、最後はかさぶたになり治るケースが多くみられます。慢性化した肛囲皮膚炎は、皮膚が厚くなり、色素沈着が残ってしまうこともあります。
  
肛囲皮膚炎の初期症状は、肛門がひりひりし、しみるような痛みを感じます。段々とべとつき感を感じるようになり、不快感からトイレットペーパーで何度も拭いてしまうこともあります。紙で何度も拭くことにより、肛門が刺激され赤く腫れ、小水疱ができ強いかゆみが起こります。

原因

肛囲皮膚炎の原因は、下痢を繰り返すこと、肛門に汗をかくこと、排便後に便を拭き切れず、肛門に便が付着した状態になること等で、肛門の皮膚の抵抗力が低下し、炎症が起こることによるとされています。ウォッシュレットの使い過ぎ、長い時間車を運転する等座った姿勢のまま長時間過ごす、抗生物質を飲むことによる軟便等も原因として挙げられているようです。
  
年代別や性別でも原因が異なります。乳児に関しては、オムツを替えるときに、便の処理がきちんとされていない場合、幼児に関しては、排便後に肛門をよく拭けていない場合、女性の場合は、生理やカンジタ性膣炎等でも肛囲皮膚炎になることがあります。

予防

肛囲皮膚炎の予防には、肛門部分を清潔に保つ、刺激物と言われている香辛料の摂取や飲酒をしないなどが挙げられます。入浴時に肛門部分を洗う時は、刺激となるため石鹸は使わないほうがよいとされています。
  
排便した後は、トイレットペーパーでお尻を拭かずに、ウォッシュレットを使用したり、シャワーで洗い流したりして、やわらかいタオルでお尻の水分を拭き取り、ドライヤーを使用し、乾かすのがよいですが、洗いすぎは皮脂を取りすぎてしまうため1日数回程度がよいでしょう。患部をきれいにした後は、軟膏をすり込むように塗りましょう。
  
かゆみが強いからと掻いてしまうと、患部の拡大につながるため、避けましょう。