軽いけど長引く頭痛や吐き気…それ「くも膜下出血」のサインかも!

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監修:Doctors Me 医師

くも膜下出血について知っていますか?以前は、くも膜下出血は高齢者の病気という印象があったかもしれません。しかし俳優でミュージシャンの星野源さんや、音楽グループ globeのKEIKOさんも発症したことで、くも膜下出血は高齢者に限った病気ではないということが一般的にも知られてきました。

早期発見が大切といわれるくも膜下出血ですが、初期にはどんなサインがあらわれるのでしょうか?今回はくも膜下出血について、医師に詳しい話を聞いてきました。

くも膜下出血の頭痛、どんなふうに痛むの?

一般的に、くも膜下出血は、突然バットや金槌などで頭を殴られたような、経験したことがないほど激しい頭痛が瞬時に発生し、それが発症のサインといわれています。
しかし実際はかなり個人差があり、すべてがこのような激しい頭痛ではなく、軽い痛みが継続する人もいます。また、前兆としても頭痛が見られることがあります。

くも膜下出血の多くは、脳の動脈に脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)というコブができ、それが破裂し、出血します。しかし脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)といって脳動脈瘤が破裂する前に、3層構造になっている脳動脈の壁に裂け目だけができ、まだ破裂していないタイミングで頭痛を生じることがあります。そしてこの後、必ず破裂するとも限らず、自然に修復されることもあります。

運よく早い段階で見つかった場合は、破裂を防ぐ手術を受けることが望ましいのですが、手術後に後遺症が出るリスクもあります。特に、できてから時間が経っている未破裂脳動脈解離の場合は、脳神経外科の専門医とよく相談して「手術するべきかどうか」を決めた方がいいでしょう。

頭痛以外の初期症状は…?

くも膜下出血になってしまった場合、突然の激しい頭痛以外にどのような症状が起きるのでしょうか。

1.意識障害
頭痛以外の症状で代表的なものが、意識障害です。いつもできていたことが、できなくなることもあります。意識障害が起こらずに、くも膜下出血の患者が「突然激しい頭痛になった」と、自分で病院に来ることもあります。このように必ず意識障害が起こるわけではありませんが、重症の場合は頭痛を訴える間もなく、意識障害によって発症することもあります。

2.吐き気
脳内の圧力が高まることで、吐き気が起こります。最も重症の場合、脳の最も大事な「脳幹部」というところにダメージをきたし、心肺停止してそのまま突然死することも。また交感神経を刺激する物質が一気に上昇することで、以下のような症状が起こることもあります。
・心臓の障害
・不整脈
・肺に水が溜まる

そのためくも膜下出血の患者さんは医療機関で全身の管理をすることが必要となります。

くも膜下出血にかかりやすいのは、どんな人?

くも膜下出血は1年あたりおよそ5,000人に1人の割合で発症するといわれています。

リスクを高める要因として、以下の要因などがあげられます。
・遺伝的な要素(家族にくも膜下出血の経験者がいる)
・高血圧
・多量の飲酒
・喫煙


また、最も年齢的に多いのは60歳代、女性が男性の約2倍なりやすいとされています。

くも膜下出血の検査と治療

【検査】
まず頭痛があった場合は早めに専門である脳神経外科を受診し検査することが大切です。検査は以下の方法で行われます。
1.CT検査
くも膜下出血に最も適した検査はCT検査です。くも膜下出血がある場合、髄液に血液が混じっているため、CT検査では通常黒く見える部分が、白く見えます。
2.腰椎穿刺
くも膜下出血かどうかはっきりしないけれども疑わしい場合には、腰椎穿刺(ようついせんし)という検査があります。髄液を採取し検査することで診断の参考にします。

【治療方法】
1.呼吸管理
純酸素投与や気道確保などの呼吸管理

2.血圧管理

3.抗痙攣薬
痙攣のある場合は抗痙攣薬を投与

4.破裂部分の閉塞
可能な症例では、破裂した部分をクリッピングするか、血管内にコイルを入れて閉塞させる

5.再出血の予防
再出血や出血した血液が刺激となって脳の血管が痙攣を起こし収縮するのを予防する

くも膜化出血だけではない要注意な頭痛

要注意な頭痛と言えば、最も迅速な対応が必要なのがくも膜下出血に伴う頭痛です。俗に「バットで殴られたような」と言われる強い突然の頭痛で、徐々に悪くなるのではなく一瞬でゼロから100に悪化するという特徴があります。この頭痛は明らかにただならない感じがする、生命に危険を感じるような頭痛です。すぐに救急車を呼ぶ必要がありますが、ご自分だけでは対処できない場合も多いので、周囲の人に助けを求めましょう。

脳腫瘍に伴う頭痛は、朝起床時に悪くなるという特徴があります。一般的に夜間に水分補給ができないため朝は脱水状態になっており、二日酔いの頭痛なども朝が一番ひどいですが、脳腫瘍があると脳にむくみが出て、それが朝に強くなるため、朝がつらい頭痛には注意が必要とされています。

頭痛があって、首を前に倒してうつむく姿勢をするとひどくなったり、首を左右にブンブン振るような動きができない場合、髄膜炎のサインとされています。うつむいたり首を振ると髄液圧が上がり、痛みがひどくなるとされています。特にお子さんが発熱や嘔吐とともに頭痛を訴えている場合、うつむきや首振りができるかどうかで髄膜炎の可能性を判断することがあります。

風邪をひいてひどい鼻水・鼻づまりがあり、その後に前頭の裏側や頬の裏が重い・痛いという場合、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の可能性があります。耳鼻科的に副鼻腔の膿を吸い出す処置や、抗生物質の使用をしないと、周囲の骨を乗り越えて炎症が広がることがあり、注意が必要です。

頭痛とともに目の見えづらさや視野が狭くなるような感じがある場合、視神経や下垂体周囲の病気も考えられます。眼科で行われる視野検査により、特徴的な視野欠損が見られることで、病変の部位診断ができることがあります。視野の欠けは、両目で見ていては気づきにくいこともあります。目が見えにくいかなと思ったら、片目ずつ手で隠して見てみて、左右差がないか確認してみてください。

長引く頭痛から考えられる原因と見分け方

頭痛は大きく3つに分類されます。
1.二日酔いやアイスクリームを食べたなど原因がはっきりしていて日常的にみられる頭痛。
2.脳出血、くも膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍、副鼻腔炎、緑内障などに伴って起こる頭痛。
3.特に画像検査に映るような異常や血液検査上の異常がないのに起こる慢性的な頭痛です。三つ目の慢性的な頭痛の代表として、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があります。

頭痛があるとき、まずは二つ目の、他の病気に伴って起こる頭痛ではないかを考えます。これらの頭痛には特徴があり、症状や発症したときの様子からおおまかな判断ができます。

くも膜下出血は「いきなりバットで殴られたような」と言われるように、一瞬でゼロから100になるような急激な頭痛で、吐き気や意識障害、失禁を伴うことがあります。明らかに「普通でない」感じがする頭痛です。

脳出血は脳の中での出血で、言葉が喋りにくい・手足が動かせないなどの症状を伴います。いわゆる脳卒中の一つです。急激に起こることが多いですが、出血が小さいと軽い頭痛が続くこともあります。血圧が高い高齢者や、もともと脳血管に動脈瘤や異常にもろい血管があった場合には子供や若年者にも起こります。

髄膜炎は発熱や風邪症状とともに頭痛、吐き気が起こるもので、首を前に倒したり首を左右に振る動きをすると痛みが強くなります。脳腫瘍による頭痛は、朝に脳の圧が高くなると悪化する傾向があり、腫瘍の位置によって目が見えにくい・手足が動かしづらい・性格が変わった・認知症のような症状などの多彩な症状を伴います。

副鼻腔炎は発熱や黄色い鼻汁とともに、前額や頬のあたりに重いような痛みが出るもので、痛い部分をコンコンと叩くと響くような感じがします。

緑内障はもともと目の圧が上がりやすい素因のある方が、抗コリン作用のある薬を使ったり、長時間下向きで作業をしたときに起こりやすく、片方の目の充血や見えづらさ(蛍光灯を見ると周囲に虹のような光が見える)、吐き気を伴います。これらの頭痛は緊急対応が必要なこともあり、救急病院や神経内科への受診が必要です。

三つ目の慢性頭痛について説明します。
片頭痛は、頭の片方(両方のこともある)がズキズキ、ドクドクと脈に合わせて痛くなり、24~72時間続きます。頭痛が起こる前に閃輝暗点と呼ばれる異常なものが見える前兆を感じることもあります。吐き気があり、音・光・におい・体を動かすことで悪化します。週末などリラックスしているときや、月経前などでホルモン変動がある時にも起こりやすくなります。薬を飲まないと日常生活に差し支えるほどの痛みであり、何度も繰り返し起こります。10代から40代の女性に多いとされています。

緊張型頭痛は、首・肩・頭皮にかけての筋肉のコリや血流不良に伴って起こり、鉢巻で締め付けられているような痛みがあります。男女ともに多く、片頭痛よりやや中高年に多いとされています。精神的・身体的ストレスが誘因となることもあります。

群発頭痛は、1~2か月の間に連日、多くは明け方に、1~2時間激しい頭痛が起きます。目の奥をキリで刺されるような強い痛みで、自殺を考えるほどひどいため自殺頭痛と呼ばれることもあります。こういった発作は年1~2回から数年に一回起こります。痛いほうの目に涙が出たり、鼻水が出たりすることもあります。

いずれの頭痛に対しても有効な治療がありますので、まずは自分の頭痛がどのようなときに起こりやすいか、何時間ぐらい続くか、一緒にどのような症状が見られるかを記録し、神経内科や脳外科、頭痛外来での相談をお勧めします。

【医師からのアドバイス】

吐き気も、くも膜下出血のサインです。乗り物酔いなどと混同することもあるので原因不明の吐き気や頭痛が続く場合は軽視せず、なるべく早めに医療機関で受診してください。

(監修:Doctors Me 医師)
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