左側だけ頭が痛い…これって脳梗塞の前兆?

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監修:Doctors Me 医師

脳梗塞は、特にミドルエイジ以降にとって身近な病気のひとつかもしれません。

ご親族や知り合いの方が亡くなられたり、あるいは重い後遺症が残った、というような話を聞くと、他人ごとではないな、と思えてきますよね。

今回はこの病気の原因やそのサインについて、解説していきます。

左側だけ頭が痛い…これって脳梗塞?

結論からいうと答えはNOです。
特別に左側の頭痛が脳梗塞である危険性が高いか、というとそのようなことはありません。

「脳梗塞」は、脳の血管が様々な原因によって細くなってしまったり、あるいは血栓と呼ばれるかたまりが脳の血管に詰まってしまうことで起こる病気です。
血液は酸素や栄養を運んでいます。脳の血管が詰まり血の流れが止まってしまうと、そこから先の血管では必要な酸素や栄養が届けられず脳の組織は生きていくことができません。
血液が送られない部分の脳細胞が死んでしまうことで、脳機能に大きなダメージを与えます。

もしも脳梗塞になって、治ったら…?

脳の各部分にはそれぞれ受け持っている役割があります。
脳内の血管が詰まった部分が支配している場所により、ダメージの種類も変わってきます。

・片側の手足が動きにくくなる
・言葉が出にくくなる
・発症する前とは性格が変わってしまったようになる

など、後遺症の種類や程度は本当にさまざまなものがあります。

もちろん、特に後遺症もなく回復する幸運なケースもあります。早期発見から治療につなげることが、できるだけ後遺症を残さず回復するための重要なカギとなります。

脳梗塞のサインってどんなもの?

以下のような症状が現れます。
・片側の手足や、同じ側の顔のしびれや麻痺。
・食べ物が口からこぼれる。
・ろれつが回らなくなる。
・立つ、歩くことがうまくできずふらついてしまう。
・視野の半分がかけてしまう。
・片側の目が見えにくい。
・一つのものが二重に重なって見える(複視)。
など…。

特に高血圧のある方は気を付けましょう。
今まで経験したことのないような激しい頭痛はくも膜下出血などのときに起こりやすいと考えられています。

前兆として起こるめまい


前兆としてめまいを生じる代表的な理由が「一過性脳虚血発作(TIA)」によるものです。
TIAは,小さな血栓が一時的に脳の動脈で詰まることで脳梗塞のような症状を引き起こしますが、数分から1時間(多くは2〜15分程度)で血流が再開し、症状は消失します。TIAの原因は、高血圧、導尿病、脂質異常症、喫煙といった動脈硬化性病変が多いとされています。

2009年の脳卒中治療ガイドラインでは、TIA発症後90日以内に脳卒中を発症する危険性は15〜20%と言われているため、速やかな治療や対策が必要です。TIAは血栓による閉塞を生じた血管により症状の出方が違いますが、平衡感覚を司っている小脳や脳幹に向かう血管である椎骨脳底動脈系の動脈が詰まった場合、多くがめまいを生じます。

実際に前兆として起こるめまいは、立っているのも困難なほどのめまいが急に生じます。
天井がまわるような回転性めまい、体のバランスが取れないようなふわふわするような浮遊性めまいなどがあります。

なぜ前兆として頭痛が起こるのか?

一般的には脳梗塞では頭痛は起こりません。脳組織の中には痛みを感じる痛覚神経が通っていないからです。

指先にとげが刺さったとき、それを「痛い」と感じるのは脳の働きなのに、その脳自体に針が刺さっても痛いと感じられないというのは不思議な感じがしますね。しかし脳本体には痛覚や触覚はなく、脳を包んでいる膜や骨には痛覚を感じる機能があります。

片頭痛(片頭痛)は脳梗塞のリスクの一つと言われていますが、片頭痛が起こるたびにそれが生じているわけではないので、前兆と言うには無理があります。
脳を通る血管が破れて出血が起こると(この状態が脳出血です)、血液によって脳組織が押し広げられ、脳が腫れたようになり、脳を包む膜に腫れが伝わって頭痛が起こることがあります。

また、血液が脳の中の髄液が流れるスペースを詰まらせたりすると、髄液の流れが悪くなり一部の圧が上がり、脳を包む膜に腫れが伝わり頭痛が起こることもあります。
ですので、頭痛があるがその他の症状(ろれつが回らない、視界が欠ける、手足に麻痺やしびれがある)がない場合、脳梗塞を心配するのはやや的外れと言えます。

しかし最近の研究では、片頭痛(片頭痛)が若い方に起こる脳梗塞のリスクを高めるのではないかと言われています。

一般的に脳梗塞は、糖尿病・高血圧・脂質代謝異常(高脂血症)・高尿酸血症などによって動脈硬化が起こり、首の血管にヘドロのような老廃物が貯まり、それが脳の血管に詰まって起こったり、心臓の脈が乱れて細かい血の塊ができたりして、それが脳に詰まって起こるとされてきました。
こういったケースは高齢者に多く、検査をすれば首の血管の詰まりが見て取れたり、心電図で脈の乱れを見つけられます。

しかし若い方や中年の方に起こる脳梗塞ではこういった所見が見られないことがあります。こういった方では片頭痛(片頭痛)に似た頭痛を経験されていることが多いとされています。
片頭痛はずきずきと脈打つような頭痛で、頭の左右どちらかが痛くなり(両側のこともあります)、24~72時間程度持続し、吐き気やめまいを伴うことがあります。

前兆としてギラギラした光が右眼でも左眼でも目をつぶっても見えるという閃輝暗点を見る方もおられますが、頭痛だけから見分けることは難しいと考えられます。

病院に行くべき頭痛

頭痛は様々な病気で起こり、その痛み方だけで危ない病気を見分けられるとは限らないので、どのような頭痛なら病院に行く必要がないと言い切るのは難しいです。

まず、今までに経験したことがない頭痛であると感じられた場合は病院に行った方がよいでしょう。
また、「気が付いたら痛かった」「何日かかけて悪くなった」という場合はあまり急ぐ必要はありませんが、「バットで殴られたように急激に悪くなった」「何時何分に何をしていたときに痛くなった」と言い切れるような、発症が急な頭痛も危険と言えます。

風邪症状もないのに頭痛と熱があるとか、意識状態がおかしい・体のどこかがいつも通りに動かない・触られている感覚がない・ものが二つに見えるといった、神経の働きが正常でないサインがある場合も受診すべきです。
頭の痛みは皮膚の痛みとは異なり、痛みがある場所と病変のある部位が一致するとは限らないため、例えば頭のてっぺんが痛いからそのあたりで悪いことが起こっているというような推測はできません。ですので頭の前の方が痛いなら危険だけど、頭の後ろの方なら安全というようなことは言えません。

<脳梗塞の検査について>
手足の動きや感覚、話し方のなめらかさや意識状態を診察した後、脳の画像検査を行います。脳の画像検査にはCTとMRIがありますが、発症後時間の経っていない場合は、CTでは映し出されずMRIが必要になることがあります。MRIはCTに比べ装置が大掛かりであり、撮影に要する時間も長いものです。MRIは病院によっては備えられていないこともあります。

脳梗塞とくも膜下出血の違い

<くも膜下出血の頭痛>
くも膜下出血では、動脈瘤や奇形の血管から血液が出て頭痛が起こりますが、バットで殴られたように一瞬でゼロから100に達するような急激な頭痛が特徴的と言われています。どこが痛いということはなく、頭全体が痛くなります。
また、くも膜下出血が起こる発症前に、そこまでではない頭痛を経験する方もいます。

これは警告症状と呼ばれています。ずきずきする頭痛で吐き気があり、1~2日続きます。少量の出血が起こっているために頭痛が起こるとか、出血はしないまでも拡大した未破裂動脈瘤が周囲の神経を刺激することで頭痛が起こるとされています。

<脳梗塞の頭痛>
脳梗塞では一般的に頭痛は起こりませんが、片頭痛(片頭痛)を持っている方は若年でも脳梗塞になりやすいなどと言われています。片頭痛はずきずき、どきどきと脈打つような頭痛で、やはり吐き気を伴います。長いと72時間程度続くことがあります。ただ、片頭痛が脳梗塞の前兆であるというわけではなく、片頭痛が起こっても脳梗塞にはならない方が大半です。

くも膜下出血の警告出血による頭痛と、一般的な片頭痛を、症状だけから見分けることは難しいです。くも膜下出血の原因の一つである脳動脈瘤が存在すると、目の瞳の大きさが左右違うとか、片方のまぶただけが開かなくなるとか、両目で物を見ると二つに見えるといった症状が出ることがあります。頭痛とともにこういった症状が出る場合は脳の検査をしたほうが良いですが、こういった症状がないからくも膜下出血は心配ないというわけでもありません。

脳梗塞の予防にアスピリンが効く?!

脳梗塞は脳の血管が加齢や喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などによって動脈硬化を起こし血管の内腔が狭くなって血液が流れにくくなり十分な血液を常に必要とする脳に血液が供給できなくなることによって麻痺や痺れや意識障害などを起こす怖い疾患です。
脳の神経細胞は一度死んでしまうと回復は不可能に近くリハビリテーションで生き残った神経細胞がもともとあった機能をどれだけカバーできるかということになりますのでまずは発症しないことが大切です。

血液は血管内で固まってもいけないし出血したときには固まって必要以上に出血するのを抑えないといけないという難しい性質が必要です。
出血したときにはまず血小板というものが頑張って破れた血管に土嚢を積むような働きをします。その後に血液凝固系というものが働き土嚢の上からしっかりとセメントを流し込んで本格的な修復を図り完全に止血へと持って行く仕組みがあります。

しかし動脈硬化で血管が細くまたもろくなった血管では血液を固まりにくくする血管内皮というものの働きが落ちていて血の塊が出来やすくなっています。その場所が脳だと脳梗塞になってしまうわけです。

そこで少々血が止まりにくくなるリスクはありますが副作用が極力出にくい少量のアスピリンを服用し続けることによって血の塊をできにくくして予防することが実際に行われています。

【医師からのアドバイス】

繰り返しになりますが、下記のような初期症状が現れます。

≪脳梗塞の兆候を再度チェック!≫
・手足のしびれ
・力の入りにくい感じ
・ろれつの回らなさ
・複視

発症する約25%の患者さんが、これらのように多彩な症状が起こること(一過性脳虚血発作と言います)を経験するともいわれています。
おかしいな、と思ったらすぐに脳神経外科や神経内科を受診するようにしましょう。

(監修:Doctors Me 医師)
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