誰もが経験する痛みかと思いますが、「虫歯」になったときは本当に痛みが大変ですね。
歯が痛むだけでも他のことに集中が出来なくなりますし、痛みを放っておくと余計に症状が悪化してしまいます。

今回はこの「虫歯の痛み」のメカニズムや、治療方法を医師に解説していただきました。

虫歯の進行メカニズム

C0


初期の虫歯で、歯の表面にあるエナメル質がちょっと溶けて濁ったように見えるものです。

C1


歯の表面にあるエナメル質の虫歯。
歯につやがなくなります。痛みはまだありません。

C2


エナメル質の下にある象牙質の虫歯。
痛みや、冷たいもの、甘いものを食べた時にしみることがあります。

C3


象牙質のさらに奥にある歯髄に虫歯が達している状態。
歯髄には神経や血管が走行しているのでズキズキした、たまらない歯痛が出ます。

C4


歯のほとんどが溶け、膿や腐敗が出ている状態。
悪臭を放ち、虫歯のために熱を出すこともあります。

虫歯の痛みの原因

虫歯の痛みの原因は、大きく象牙質と歯髄の痛みに分類されます。

象牙質の痛み


象牙質は硬い組織ですが、象牙細管という中が空洞になった構造をもち、その部分から歯髄にある神経が刺激されて痛みが出ます。
数秒程度の鋭い痛みであることが特徴です。

歯髄の痛み


歯髄の中を走行する神経や血管などを刺激したり、炎症が起きたりして生じる痛みです。

虫歯の痛みによる影響

肉体面


ズキズキする非常に不快な痛みであることはもちろん、頬が腫れあがったりして日常生活に影響を与えることがありますね。

また、悪化すると口臭の原因になったり発熱することもありますし、そこから感染を起こし全身に影響を与えることになる場合もあります。

精神面


痛みのために暗い気分になりがちで、きちんと治療をしないといったん収まってもいつまたぶり返すかわからないという不安感もあります。

また、痛みによって不眠症を引き起こす可能性もあります。

病気による歯の痛み

虫歯


痛みがある場合に思いつきやすいです。
歯の透明感が失われていたり、黒くなっていた李穴が開いていたりします。

歯茎の炎症


歯周病がいきなり悪化した場合などに起こることがあります。

歯髄炎


歯髄炎は、虫歯の進行によって歯髄の中で炎症を起こす症状で、激しく痛みます。

かみ合わせが悪い


歯科治療の影響などでかみ合わせが悪くなった時など、噛むと痛みが出ることがあります。

歯が割れている


歯に何らかの原因でひびが入ったりした場合にも痛みが出ることがあります。

女性は虫歯によって貧血になる?

女性はただでさえ生理などの影響もあって、貧血気味になりやすいのですが、虫歯になってある程度進行してしまうと慢性的に出血を起こし、貧血を悪化させてしまう可能性があります。

歯の痛みを緩和する応急処置BEST5

1位


痛み止めを飲む

2位


頬を冷やす

3位


口の中をうがいなどで清潔にする

4位


塗るタイプの痛み止めの使用

5位


合谷(ごうこく)※1のツボを押す

※1:合谷(ごうこく)……
手の人差し指と親指の骨が交わるあたりにあるくぼみのツボのこと。

虫歯が痛い時にやってはいけないこと

■喫煙
■飲酒
■入浴
■痛むところに手で触れる
■激しく身体を動かすこと

喫煙はタバコの刺激により症状が悪化するので控えましょう。
また、飲酒、入浴、激しい運動は血流が早くなり、痛みがひどくなるので虫歯になった際には注意が必要です。

病院での虫歯の治療方法

歯科での虫歯の治療は、虫歯の進行度合いによって大きく変わってきます。

■ブラッシング
■フッ素で治療
■削って詰め物をする
■神経除去をしてかぶせものをする
■抜歯
■インプラント
■入れ歯

歯は一生もの

歯は、永久歯に代わってからは一生のお付き合いになるものです。

しっかり日ごろのお手入れを行って、いつまでも健康な歯を保ちたいですね。

(監修:Doctors Me 医師)