低血糖症という症状に聞き覚えがありますか?ないという方がほとんどではないでしょうか。低血糖症になってしまうと、最悪の事態が引き起こされる可能性があります。

今回は、そんな低血糖症の症状と対策方法についてご紹介します。

要チェック項目


□低血糖は誰にでも起こりうる
□低血糖になったら至急ブドウ糖を摂取する
□明確な予防方法はない

低血糖症とはどんな病気?


我々人間の血液中には、糖分が含まれています。血糖と呼ばれており、その値を血糖値と言います。

血糖値は、普段食べている食事によってある程度の変動は起こりますが、基本的には一定の値を示します。

血糖値の正常値は、空腹時でおよそ70~120mg/dlとされており、70mg/dlを大幅に下回った時に低血糖症が引き起こされます。

しかし、低血糖症の難しいところは、正常な人でも時に正常値を大幅に下回ることがあるのです。食事を抜いていたり、妊娠をしているかなどによって、普段正常な人であっても、下回ることがあります。

こういった場合は、酷い症状に陥ることが少なく、表向きに症状が出たとしても、集中力がなくなったり、怒りっぽくなったりという程度に抑えられます。

そういう意味では、低血糖症というのは、誰にでも起こりうるといえるでしょう。

低血糖症に陥ってしまう原因とは?

主な外的要因



症状がひどくなる低血糖症の原因としては、外的要因であることが多いです。特に多いのが、糖尿病に罹患している人が、治療薬の使用により低血糖症になるという事です。

糖尿病は、一般的に血糖値が高くなる病気です。

血糖値を抑えるために薬を投与するのですが、この薬の誤投与によって、血糖値が異常に低下してしまうことがあります。


主な内的要因



そして、低血糖症になりうる内的要因というのもあります。世の中には、膵臓のインスリンコントロール機能が弱い人というのが存在しています。

そのような人は、糖質を摂取した時に、インスリンのコントロールが乱れ、過剰に分泌されてしまうことがあります。

過剰に分泌されてしまうと、血糖値が急激に低下してしまい、低血糖症を引き起こしてしまうのです。

低血糖症で起こる症状

低血糖症の時に現れる症状というのは、大きく分けて二つの症状があります。それは、中枢神経症状と自律神経症状です。

中枢神経症状



中枢神経症状は、血糖値が徐々に低下した時に起こりやすく、自律神経症状は血糖値が急激に低下した時に起こりやすいです。

集中力が散漫になったり、眠気、頭痛、けいれん、複視、混乱などの症状が現れます。この中枢神経症状は、身体機能が正常な人が絶食を続けたときなどにも発症します。

自律神経症状



そして、自律神経症状は、震えや発汗、動悸、不安、口唇乾燥などの症状が発症します。

また、時にこれらの症状を自覚することができない人もおり、その場合は特に命の危険にさらされてしまうといえるでしょう。

低血糖症が起こった時の対処方法は?


低血糖症を引き起こしてしまった時には、迅速な応急処置が必要です。それは、ブドウ糖を摂取することです。

普段から低血糖症と診断されている方は、病院から処方されているブドウ糖を摂取してください。処方されているものがない場合は、角砂糖を摂取したり、糖分の多いジュースなどを飲むようにしましょう。

摂取してから15分ほど経過しても、症状が改善されない場合は、もう一度糖分を摂取して様子を見ましょう。また、角砂糖などを摂取するときは、ぬるま湯などに溶かした方が、体内に吸収される時間が早くなります。

普段糖尿病により、インスリン注射を行っている人は、砂糖などではうまく糖分を吸収することができませんので、必ず病院から処方されているブドウ糖を摂取するようにしましょう。

低血糖症を引き起こさないための対策とは?

低血糖症を確実に防ぐための対策というものは、現代の医学では解明されていません。ですが、少しでも低血糖にならないための予防対策をとりましょう。

食事の際の注意点



低血糖を予防するためには、できるだけ同じ時間、同じ量の規則正しい食事を摂取しましょう。また、定期的に低血糖症に陥ってしまう時は、意識的に間食をして糖分を取るようにしましょう。

運動の際の注意点



普段より運動量が多かったりしたときには、いつもより多く間食する等して、糖分を多めにとるようにしてください。

糖尿病疾患である際の注意点



糖尿病患者である場合は、インスリン注射の時間・量を間違わないようにしましょう。
また、下痢やおう吐等の病気になってしまうと、普段より早く血糖値が低くなります。普段より多く、糖分を摂取するようにしましょう。

低血糖症を甘く見ず予防をしよう!


今回は、低血糖症についてご紹介させていただきました。低血糖症は、対処が遅れると動くことができなくなったり、意識を失ってしまうことがあります。

最悪の場合、命にかかわってくる症状です。低血糖症を甘くみずに、可能な限り予防をしていくようにしましょう。

(監修:Doctors Me 医師)