閉経を挟んだ前後5年、45~55歳くらいの女性が経験することの多い心身の不調を更年期障害といいます。
今回は、更年期障害の診察や検査について病院ではどんなことが行われるのか、医師に話を聞いてきました。

更年期障害に治療は必要なの?

更年期障害は、ホルモンバランスの急激な変化などが原因と考えられており、ほてり、のぼせ、動悸、発汗などさまざまな自律神経症状のほか、気分の落ち込み、どうしようもないイライラ感など、精神的な不調を経験されるかたも多いようです。症状や程度には大きな個人差があります。

周囲に理解されないことが多いのも、更年期障害のつらさに拍車をかけます。更年期障害は長いと、10年続く場合もあります。少しでも楽になるよう、信頼できる医師のもとで治療をして、更年期をなるべくスムーズに乗り越えることが、女性のライフサイクルの中で非常に大切なことなのではないでしょうか。

診察・検査の内容って?

1.予診票の記入
問診の前に、予診票を記入する医療機関が多いかと思います。
問診票に記入する内容としては、
・初潮の年齢
・性交渉の経験の有無
・妊娠・出産回数
・本人・家族のこれまでの病歴
・薬や食べ物のアレルギー
・生理周期や最終月経の日付(開始日と終了日も含めて)
・治療に関して心配なこと
などがあります。

2.問診
生理の状態や、どのような症状があるのかなどの問診があります。多くの場合、問診票の内容をもとに、確認や様々な質問をされるかと思います。

3.超音波検診や内診
必要に応じて経腹、経膣での超音波検査や内診などが行われます。これにより、子宮や卵巣の形態に異常がないかがわかります。

4.血液検査
更年期障害を主訴に受診していたり、あるいは不調の原因として更年期障害が疑われたときは、女性ホルモンの値を調べる血液検査を行う場合が多いと思います。

5.その他
閉経後に特に要注意である骨粗しょう症の検査をしてくれる場合があるかと思います。
それから、更年期障害の疑いを持って受診をする世代になると、婦人科系の悪性腫瘍なども心配になってくることが多いので、子宮頸がん子宮体がん乳がんの簡単なチェックなども行ってくれる場合があります。

更年期障害の治療とは

検査の結果をふまえて、どのような治療が行われるかを決めていくことになります。検査の結果、異常な個所があればそちらを先に治療していくでしょう。

更年期障害がつらい症状の原因であるということがはっきりすれば、それに対して患者さんの希望を聞きながら治療を行っていくことになるでしょう。
女性ホルモンを補充する治療、漢方薬・精神安定の薬を用いる治療など、いくつものアプローチ方法があります。場合によってはカウンセリング的なものを取り入れる場合もあります。

医師からのアドバイス

それぞれの治療法には、相性やメリット・デメリットがあるので、よく考え、医師と相談したうえで治療法を検討していきましょう。

(監修:Doctors Me 医師)