冬は花粉が少なくて快適…そんな冬のうちから花粉症対策ができることをご存知ですか?思い出すだけでつらい花粉症、できるだけ症状を和らげたいですよね。

 

そこで今回は、花粉飛散シーズン前からできる花粉症対策について竹中先生に解説していただきました。

 

 

スギ花粉はいつから飛ぶ? 

 

花粉症患者の約70%は、スギ花粉が原因であると言われています。

 

地域によってばらつきがありますが、スギ花粉は7月初旬頃から作られ、成長して花粉が完成するのが10月中旬頃になります。冬を越え、暖かくなり始めると花粉は一斉に飛び始めます。

 

花粉の飛散は、中国地方は2月の上旬頃から、北海道は4月頃からというように、日本列島の南から上がっていきます。お住まいの地域の花粉情報をチェックしておくとよいでしょう。

 

なお、北海道のスギ花粉飛散量は極めて少なく、沖縄にはスギがほぼ生息しません。全国で最も多くスギ花粉患者がみられるのは、関東・東海地方と言われています。

 

 

花粉症の初期療法とは? 

 

花粉症の初期治療とは、花粉の飛散が始まる前後の症状が軽い時期から、重症化を予防するために行う治療法のことです。

 

抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を服用したり、鼻噴射用ステロイド薬を使用したりします。

 

初期療法をいつから始めるのかは、使う薬の種類や重症度などで多少変わってきます。目安として花粉飛散開始の1~2週間前から始めるとよいでしょう。

 

毎年花粉症で苦しんでいる方は早めに受診して、自分にはどの薬が適しているか先生に相談してみましょう。

 

 

花粉シーズン前に!レーザー治療という選択肢も

 

花粉症のレーザー治療とは、鼻粘膜の表面にレーザーを照射し、腫れていた粘膜を固めて鼻の中の空間を広げることで、鼻づまりを解消する治療法です。

 

この治療法は、花粉症の症状の中でも特に「鼻づまり」に有効だとされています。慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎、1年中強い症状が出る方、薬の効きが悪い方などにも適応があります。

 

レーザー治療は、鼻づまりがひどい方、妊娠中・授乳中の方、薬が飲めない方などは保険適用が認められています。3割負担の場合だと、1回10,000円程度で受けることができます。

 

 

冬からできるセルフケアとは

 

冬のうちから花粉症を悪化させない体を作るには、ストレスや睡眠不足、飲み過ぎなどに注意することが大切です。

 

軽い運動をして免疫力を上げることは、花粉症対策にもおすすめです。花粉の飛散時期に入ったら、外での運動や外出時はマスクや花粉症用のメガネなどで花粉が体内に入り込まないようにしっかり対策をしましょう。

 

 

花粉症の症状が出始めたら

花粉症の症状が出たら、まずは対症療法として抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬の内服、点眼薬、点鼻薬が組み合わされることが多いです。

 

それでも症状がなかなか改善しない場合は、薬の種類を変えたり、内服や点滴でステロイドを使用したり、ヒスタグロビン注射を行うことがあります。

 

根治療法としては、「減感作療法」といって抗原を少ない量から体に入れて慣らしていく治療法があります。スギ花粉のエキスを舌の下に入れて慣らしていく「舌下免疫療法」という治療法もあります。これらの治療法は、次の花粉症シーズンに向けて計画的に行います。 

 

いずれの治療法も自己判断で中断しないことが大切です。

 

 

最後に竹中先生から一言

 

私もかつて花粉症でつらい日々を過ごした1人です。

 

最近では抗アレルギー薬の種類も増えてきているので、1種類試して効かなかった場合でも薬の種類を変えて試すことができ、薬を継続して内服することができます。

 

鼻のレーザー治療もできるようになり、治療の幅はどんどん拡がってきています。

 

自分に合った治療法を選択できるように、先生と相談してみるとよいですね。花粉症は本当につらいですが、自分に合う治療方法に出逢えれば、花粉症とも上手に共存ができるでしょう。

プロフィール

監修:医師 竹中 美恵子
広島大学附属幼稚園小学校中学校高等学校卒業 金沢医科大学卒業 平成23~28年 広島市民病院 小児科 神経小児科 平成28年12月~女医によるファミリークリニック 院長 日本小児科学会、日本小児神経学会、日本リウマチ学会、日本周産期新生児医学会 、日本アレルギー学会、日本小児皮膚科学会所属。 日本周産期新生児医学会認定新生児蘇生法専門コース取得。 小児慢性特定疾病指定医、難病指定医、子どもの心相談医、キレーション認定医。 レインボータウンFM 上野淳の東京夜会、広島ホームテレビ 子育て応援団、GINGER、25ans、週刊ポスト、えんじいな、広島そごう子育てコーナーコラム担当等 多数雑誌、テレビ、ラジオのメディアに出演。