【小林麻央 退院準備】鎖骨下血管に点滴用ポート埋め込み手術を報告

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監修:Doctors Me 医師

在宅治療に向けて、鎖骨下血管に点滴用ポートを埋め込む手術をしたことを、2017年5月11日に自身のブログで発表した乳がん闘病中の小林麻央さん。
参考

腕の静脈への点滴用ルートと皮膚の下に埋め込む点滴用ポートの違いを、医師に解説していただきました。

目次

点滴用のポートとは?


心臓に帰ってくる静脈血が、心臓に入る直前に通る血管を中心静脈と言います。

ここに直接薬を入れるために、肩のあたりや腕の皮膚の下に太いチューブを入れておき、点滴する時にはそのチューブめがけて短い針を刺すようにすることがあります。
これをCVポート、もしくはリザーバーと言います。

一般的な静脈への点滴は


静脈内に液体や薬を入れるための点滴をするのに、普通は腕の血管にプラスチックの細い針を刺して点滴します。しかし、難点もあります。

■ 4日おきに刺し直しが必要
腕の血管は細くもろいため、長く点滴をしていると液体が針孔から漏れて周囲に腫れや炎症が生じることがあり、通常4日おきぐらいに違う場所に針を刺しなおします。

針孔は自然にふさがりますが、点滴が長期に及ぶと、だんだん刺す場所がなくなってきますし、もともと血管が見えにくく刺せる場所が少ない方もおられます。

■ 高濃度の液体は炎症を起こしやすい
また、点滴する液体が濃度の高いものだったり、抗がん剤など血管に炎症を起こしやすいものだと、細い血管から点滴するのは限界があります。

■生活に不自由
また、当然ながら針を刺すのは痛いですし、手に点滴のチューブがつながっていると、手を使う動作がしにくく、生活に不自由が生じます。

点滴用ポートのメリット・デメリット


メリット


■ 高濃度の液体が投与可能に
高濃度で大量の液体でも、腕の血管に負担をかけることなく体内に入れることができ、腕に何度も針を刺しなおす必要もありません。

■ 入浴もできる
装置は皮膚の下に埋め込まれており、一見しただけでは外見上の異常は見られませんし、患者さんは普段特に手入れをする必要はなく、入浴もできます。

■ 速やかな止血
腕から点滴している場合、点滴液を入れ終わったら、針を抜いて血管を押さえ止血する必要があり、止血が不十分だと血が止まりにくかったり内出血が起こったりします。

しかしCVポートは、針を抜けば速やかに止血できるような装置になっており、そういった心配がありません。そのため、患者さんが自分で針を抜いて点滴を終わらせることもできます。

デメリット


■ 全身麻酔の必要性も
局所麻酔にアレルギーがある場合は全身麻酔を行って埋め込みをする必要があります。

■ まれに、肺や動脈を傷つける
また、まれですが、中心静脈に太い針を刺すときに静脈を外したり突き抜けてしまうと、肺や動脈を傷つける場合も考えられます。

■ 感染を起こすリスクも
また、皮膚に装置が全て埋め込まれているため、リスクは少ないですが、チューブや装置は人工物のため感染を起こすリスクもないわけではありません。

点滴用のCVポートの埋め込み方(手術方法)


CVポートは、中心静脈に至るチューブと、針を刺すための500円玉ぐらいの装置でできています。

1. 局所麻酔をし、中心静脈に至る血管に針を刺し、それをもとにチューブを中心静脈に進めます。

2. そして皮膚を少し切って針を刺すための装置を埋め込み、装置とチューブをつなぎます。

3. 皮膚を縫い合わせて終わりです。

1時間程度で終了します。日帰りや1泊2日の入院で埋め込みできます。

腕から点滴している時との活動の幅の違い


点滴用のCVポートを埋め込んだ場合は、今までは入院でしか点滴できなかったような高濃度の液でも自宅で点滴ができることで、自宅で療養できる時期が長くなる可能性があります。

在宅治療と病院での治療との違い


往診してくれる医師や看護師がおり、家族の協力があれば、多くの治療やケアを自宅で行うことができます。病状にもよりますが、十分に苦痛を取り除くことができれば、在宅治療によって自分らしく過ごせる時間を増やせるでしょう。

自宅での臨終の現場に医師が同席することもできますし、医師がいない状況で自宅で死亡された場合でも、もともと受診していた病気により死亡されたのであれば、往診していた医師が死亡診断書を書くことができます。

状態が悪化した場合や急変時の対応がすぐできないことが一番の違いです。

最後に医師から一言


CVポートは点滴をスムーズにし患者さんの苦痛を減らすために有効な手段で、抗がん剤を繰り返し点滴する必要がある場合などには、特に自宅療養のためではなくても使用することがあります。

(監修:Doctors Me 医師)
  • この記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
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