2018年12月現在、東京都でりんご病が流行しています。妊娠中にかかってしまった場合は、赤ちゃんにどのような影響がでるのか心配ですよね。

 

そこで今回は、りんご病について井上先生に解説していただきました。

 

そもそもりんご病ってどんな病気? 

 

りんご病は、医学的には「伝染性紅斑」と言います。年長児や学童期の子どもによく発症すると言われますが、大人が感染する例も多くあります。とくに、子どもと一緒に生活する大人が感染することが多いとされています。

 

りんご病の原因は、ヒトパルボウイルスB19の飛沫感染によるものです。このウイルスが口や鼻から侵入し、5日前後で骨髄の赤血球の中で増えていき、血液中にウイルスが広がります。

 

ウイルスが侵入してから2週間ほどで抗体が作られると同時に、顔に特徴的な発疹などの症状が出てきます。そのため、潜伏期は2週間ほどと言われます。

 

りんご病の症状

 

りんご病の症状としては、一部の人には熱や喉の痛み、咳、関節痛などの風邪症状がみられることがあります。

 

この他に有名な症状は、両方の頬に現れる紅斑です。この紅斑がきれいな赤色なので、りんご病と言われます。頬の皮疹は、1~4日ほどで消えていきます。

 

頬の皮疹に2日ほど遅れて、手足などに1cmほどの紅斑が出てきます。この紅斑は徐々にくっついて、大きな1つの紅斑になります。中心部から徐々に消えていき、最終的には縁取りが残ってレース模様状の紅斑となることが特徴です。

 

手足の皮疹は、1週間ほどで色素沈着などを残さずに消えていきます。

 

 

りんご病は胎児に影響があるって本当? 

 

妊娠初期の妊婦さんがりんご病に感染するととくに、流産・死産の原因になることがあります。

 

胎盤を通して胎児にもりんご病感染することがあり、感染した胎児のうちの一部に症状が出る場合があります。

 

頻度は高くありませんが、重度の場合は胎児が心不全になり、その結果、胎児の体にむくみがでる「胎児水腫」という状態になる可能性があります。

 

また、ウイルスが赤血球を作る細胞にも感染することで、胎児が上手く赤血球を作れず貧血を起こす場合もあります。

 

このように、胎児に影響が出る可能性はゼロではありません。しかし、妊娠中にりんご病にかかっても問題なく分娩し、生まれた後の赤ちゃんの発育状態も正常である場合が多いです。

 

 

妊娠中にりんご病になっても焦らないで! 

 

りんご病は、ヒトパルボウイルスB19が赤血球の中で増えていく病気です。そのため、特定の臓器を攻撃したりすることはなく、先天性の奇形のある赤ちゃんが生まれることはありません。

 

もし、妊婦さんがりんご病にかかった疑いがあるときは、血液検査で調べます。具体的には、りんご病にかかると特異的な抗体が作られるので、その抗体が血液中にあり、上昇していないかを調べます。

 

実際にりんご病であることがわかると、少なくとも8週間はエコーで胎児がむくんでいないか確認していきます。胎児にむくみや貧血が疑われる状態であれば、臍帯静脈から採血を行い確認し、必要であれば治療を行います。

 

 

りんご病の予防法は? 

 

経気道的な感染が一般的なので、マスクの着用や、外出から帰ったら手洗い・うがいは必須の予防法になります。

 

ウイルス疾患の予防法といえば、インフルエンザのような予防接種をするイメージがあると思います。しかし、りんご病には予防接種がありません。

 

そのため、自分自身で体内にヒトパルボウイルスB19が侵入しないように注意する必要があります。

 

りんご病の人の一部には、風邪症状がみられます。妊婦さんは、風邪症状のある人に近づかないようにしましょう。その点でも、風邪症状のある子どもが家にいるときは、妊婦さんが看病するのはやめておきましょう。

 

 

最後に井上先生から一言 

 

妊婦さんにとって風邪症状の人に近づくことは、原因によっては胎児の生命を脅かすことにもつながります。

 

インフルエンザなどの季節によって流行する感染症だけではなく、風疹やりんご病などの世間で流行している感染症の情報を家族全員で身につけて、しっかり予防しましょう。