慢性糸球体腎炎の症状

慢性糸球体腎炎の症状は上気道炎や消化器症状など先に感染しているものの2~4週間後に突然発症するものと、健康診断などで医療機関にかかった時に偶然、血尿や尿蛋白が見られることで発見されたりします。そのほとんどが無症状であるため一般的に見逃されがちであり、多くの人は気づかないまま長期間が経過し、腎不全に進行してしまう人もいるので注意が必要です。
  
高血圧、むくみ、めまい、かゆみ、尿量減少、肩こり、紫斑、関節痛、頭痛、倦怠感、尿毒症症状、咽頭痛、吐き気、嘔吐、悪心、下痢、便秘、呼吸困難などを認めることがあります。ネフローゼ症候群や急速進行性糸球体腎炎で発症することは極めて稀です。

慢性糸球体腎炎の原因

慢性糸球体腎炎の原因は免疫複合体が糸球体に沈着することから、免疫反応の異常によるものが多いとされています。またA群β溶血性レンサ球菌感染症後に発症することが大部分であることから、この菌が抗原となって腎糸球体に炎症を起こしているのではないかと考えられています。
  
しかし、慢性糸球体腎炎には微小糸球体変化、巣状分節性病変、びまん性糸球体腎炎(膜性腎症、増殖性糸球体腎炎<メサンギウム増殖性腎炎、管内増殖性糸球体腎炎、膜性増殖性腎炎、半月帯形成性(管外性)壊死性糸球体腎炎>、硬化性糸球体腎炎)、分類不能の糸球体腎炎など原疾患が多種多様に存在することから明確な原因の特定には未だ至っておらず、これといった確定的な原因はありません。

慢性糸球体腎炎の予防/治療法

慢性糸球体腎炎の予防として、過労を避けること、ストレス解消または軽減、安静、激しい運動やスポーツを避けること、食事の塩分制限、適度なカロリー補給です。
  
慢性糸球体腎炎の治療方法は主に薬物治療で、ペルサンチン、コメリアンなどの抗血小板薬、ヘパリン、ワーファリンなどの抗凝固薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、副腎皮質ステロイド、シクロポリン製剤、エンドキサンなどの免疫抑制薬、柴苓湯や五苓散などの漢方などを投与して治療します。
  
特にアンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬は慢性糸球体腎炎の治療に有効な場合が多く報告されています。