嫌いな人のSNSをわざわざ見に行ってしまう、そんな経験はありませんか?

 

関わりたくないと思っていてもついSNSだけは見たくなってしまう、その心理はどうして起こるのでしょうか?

 

今回は精神科医の井上先生にこの気になる心理について解説してもらいました。

 

目次

 

そもそも「嫌い」ってどういう感情なの? 

他人の生活に嫉妬する女性

 

 

好き・嫌いという感情とは

「好き」という感情は、人間としての生存本能から相手を「安心できる人」とみなすことで起こります。これに対して、「嫌い」の感情は、生存本能が相手を「安心できない人」と認識することから生まれます。

 

相手のことを「どこか捉えどころがなく、分からない部分が多い」と思っているからこそ、安心できない人というレッテルを貼って警戒してしまうのです。その警戒心が不快感に代わっていき、嫌いという評価になります。

 

この場合の警戒とは、危害を加えられる可能性があると感じることなのですが、この危害は身体や生命が脅かされることだけではありません。いじわるをする、嫌味や皮肉を言う、などの不快な対応も危害に含まれるのです。そのため生存本能から、このような危害を加える人を嫌いになっていくのです。

 

 

なぜ嫌いな人のSNSをわざわざ見てしまうのか 

他人のSNSが気に入らない女性

 

嫌いな人のSNSを見てしまう際には「嫉妬」、「裏切り」、「否定」などの感情が背景に存在しています。

 

嫉妬 

嫉妬から嫌いな人のSNSを見てしまう理由は、その人の活動や日常生活に憧れているからです。さらに、自分の方が優れている箇所を見つけて優越感に浸りたいという感情も原因となります。

 

裏切り

裏切りとは、約束を守らなかったり自分の期待に応えてくれない人に対する感情です。例えば、そのような相手に仕事をお願いしている場合は心配になり、自分の不安を解消させるために相手のSNSを見てしまう、といったことが考えられます。

 

否定

否定とは、自分の存在を無視されたり排除されることによって生まれる感情です。否定的に扱われると、「さらに自分の立場を脅かされるのではないか」と思うため、より相手の動向を知るためにSNSを見てしまうのです。

 

このように裏切りや否定が背景にある場合は、自分の生存を脅かす相手を批判するための粗探しであったり、ただ監視したいといったネガティブな感情から、わざわざ嫌いな人のSNSを見てしまうのです。

 

 

どんな内容を見てしまいがち? 

SNSをチェックする男性

 

相手の失敗

嫌いな人のSNSを見るときは、相手が失敗しているシーンであったり、記事を見てしまいがちです。それによって警戒心が薄れ、「相手も大した存在でない」とメタ認知による矮小化(相手にするほどではない小さな存在と認識すること)を自然と行っているのです。

 

メタ認知とは自分自身を客観的な目線で見ることで、自分の考えを認知することです。それによって頭に浮かぶ嫌いな人からのストレスを解消しているのです。

 

憧れている生活

また、嫌いな相手に嫉妬の感情があるときは、自分が憧れている生活や内容がないかもチェックしていることが多いです。

 

 

嫌いな人を気にしてイライラしないために

深呼吸する女性

 

そもそも、嫌いな人が生まれるのは生存本能の反射でもあるので、急に完全に減らすことは難しいでしょう。ただし、気分を切り替えることで対処する方法はいくつかあります。

 

呼吸法でリラックス 

急に嫌な人を思い出してイライラしたり、仕事に集中できなかったりする際には、呼吸法を工夫してみましょう。

 

全身の力を抜いてリラックスした状態で、大きく息をいっぱい吸い込んで、1~2秒程度お腹に力を入れて止めてみましょう。そして、一気に「ふぅー」と吐き出すことで副交感神経を瞬時に優位にすることができます。

 

 

泣くから悲しい、笑うから楽しい 

また、ジェームズランゲ説というものがあります。これは「人間は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」というように、身体変化によって感情の変化がもたらされるという説です。

 

そのため嫌な人を思い出して心が乱されてしまったときは、わざと大声で笑ったり、鏡を見て笑顔を作ってみましょう。すると明るい気持ちに切り替わっていきます。

 

 

最後に井上先生からアドバイス

人を嫌いになるメカニズムは人間の生存本能に関係しているため、嫌いな人を作らないことを目標にするのはやめましょう。

 

ただし、日常生活の何気ない瞬間に嫌いな人が頭の中に出てきて自分のペースを乱されてしまわないように、対処法を身につけておくことが大切です。

 

もし、嫌いな人のSNSをどうしても見てしまうときは、自分がどのようなことを知りたくて行動しているか、振り返ってみてください。もしその情報が不必要なものだと思えたら、きっぱりやめてみましょう。