医師監修

B型慢性肝炎とは

B型慢性肝炎とはB型肝炎ウイルス(HBV)を長期にわたって保有していた人が発病する病気で、母子感染したケースがほとんどを占めます。ワクチン接種が開始されてからはB型慢性肝炎の患者数は減少しましたが、それ以前の人は120万人超が保有しているといわれています。

B型慢性肝炎の症状

B型肝炎は感染した時期やそのときの健康状態によって、一時的な感染に終わる場合と一生にわたり感染が継続する場合の2種類にわけられます。

思春期以降に感染した場合は、ほとんどが一時的な感染に終わり、治癒します。一時的に感染した際に、急性肝炎を起こすことがあり、その場合感染後6か月以内に倦怠感、嘔吐、黄疸などの症状が現れます。感染しても症状がないまま自然に治癒することもあります。

一方、母親がB型肝炎の持続感染者であったり、幼乳児期に何らかの理由で感染した場合、感染後数年、数十数年後に免疫力が発達すると肝炎症状を発症します。その後は多くが肝炎が沈静化し肝機能が安定しますが、一部はなだらかに進行していく慢性肝炎という状態になります。慢性肝炎になっても自覚症状が全くない人も少なくありませんが、進行すると肝硬変になったり、肝がんにまで進行したりすることがあります。

B型慢性肝炎の原因

B型肝炎は血液、体液によって感染して生じる病気になります。

B型急性肝炎になる主な原因は、B型肝炎の慢性感染者との性的接触によるものです。その他には、入れ墨を入れる際や、ピアスの穴を開ける際、麻薬などの注射のうち回しの際に感染者の血液が付着したまま次の人が使用すると感染の可能性があります。

B型慢性肝炎になる主な原因は、B型肝炎ウイルス(HBV)に持続感染している母親が出産時、赤ちゃんが産道を通過したときに生じた産道出血によりウイルスが感染するケースが多いとされています。胎内にいる段階でもへその緒から感染する可能性があります。

また乳幼児期に、歯磨きの使いまわしや、医療行為時、怪我での出血時などさまざまな場面で感染する危険があります。元来HBVそのものには細胞を破壊する力はなく、免疫力が発達する思春期以降に白血球が病原菌を排除しようとした結果、同時に肝細胞も破壊してしまい肝炎を引き起こすのです。

B型慢性肝炎の治療法

日本で行われているB型慢性肝炎の予防法はワクチン接種になります。
母から子への感染を防止するために希望者に対してはHBV免疫グロブリン製剤の投与が可能です。患者と関わる機会の多い医療従事者も希望すれば受けられます。新生児期に母親から感染することが多いため、生後まもなくと2か月、5か月にワクチン接種が行われています。

身近にHBV患者がいる場合、出血したら直ちに処理する、カミソリや歯ブラシの共有はしないことを本人や周りの人が意識することで感染予防につながります。また不特定多数との性交渉を避けることも予防となります。

急性B型肝炎の治療は基本的に脱水予防などの対症療法で、HBVが体から排出されるのを待ちます。しかし、劇症肝炎というとても強い肝炎が起こったときには、抗ウイルス薬投与、血漿交換、血液透析などが行われることもあります。

慢性B型肝炎の治療は、抗ウイルス薬で、インターフェロン(IFN)注射や核酸アナログ製剤内服という方法があります。慢性C型肝炎の抗ウイルス療法とは異なり、ウイルスを完全に排除することは期待できませんが、肝炎を沈静化させることを目的に行われることがあります。
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