対人恐怖症の症状

対人恐怖症というと、名前の通り「人と接する事に恐怖する」病気です。
「あがり症」とも言われています。
知り合いや職場、学校の人との会話で緊張してしまう。コミュニケーションの取り方が分からなくなる。他人の目が気になるといったものが典型的な症状です。
また、スピーチや大勢が参加する会議では緊張して言葉に詰まったり、頭が真っ白になるけれど、日常会話は可能という人も軽度の段階に入ります。
ここまでの症状は初期に見られます。性格のせいなのでは?と思い病気と自覚されにくい段階です。
病状が進行していくと、知人以外の人とのやり取りに苦痛や不安を感じだします。
また表に見える症状も出てきます。顔が赤くなったり、汗をかく事も見られます。
その状態すら、人に見られて恥ずかしい、注目されて嫌だという気持ちになります。
他は電話での会話を周りの人に聞かれてしまう、食事している所を見られるのが恐怖くなります。
このような症状が出てきて仕事に支障をきたしはじめて、初めて「対人恐怖症」なのではと自覚します。
さらに悪化すると、人前に出る事を考えるだけで緊張したり汗をかいたり不安を感じたりします。
動悸、呼吸が浅く息苦しくなる、手の震え(振戦)、胸が苦しくなる、意識が遠くなる、
緊張で下痢を起こしてしまう(過敏性腸症候群)という身体的な症状に加えパニック発作が起こります。家族との会話にすら恐怖を覚え、部屋から出られず外出が困難になります。

対人恐怖症の原因

対人恐怖症の根本的な原因は症状が出ている人本来の性格や育った家庭環境の影響と考えられています。
真面目な人、神経質、こだわりが強い、完璧主義者、感受性が強い、怖がり、幼少期からもともと激しい人見知りがある人はなりやすいと言われています。
会社のスピーチや会議でうまく言葉が出なくて笑われたということがきっかけで発症にいたる事もあります。
環境要因では、些細な失敗をすると、いつも叱られてフォローが無かったという環境で育つと、自分に自信が持てなくなり内向的な性格になります。持たなくても良いコンプレックスを持ってしまいます。
そのような状態で、例えば学校の授業で回答を発言する機会が回ってきたり、黒板に書くが間違っていた、解らなかったという状態になり、言葉が詰まってしまったりその場で固まってしまったという周りから見て取るに足らない失敗でも発症のきっかけになったりします。また失敗してしまうとますます自信をなくしてしまうという悪循環に陥ります。

対人恐怖症の予防/治療法

上記の原因で書いたように「自信」がない人がこの病気になりやすいです。
なので、予防としては考え方を変える事が大事です。
自信がないのはそれだけ自己肯定力が低いのです。まずは自分を知りましょう。
そして、弱い自分やいい所を見つけましょう。駄目な所も受け入れて、自分をほめてあげましょう。得意分野を伸ばして自信をつけるのも良い手です。
自分に対しての考え方が変わっていったら、相手にも目を向けてみましょう。
「自分がどう思われるのか」「自分が嫌われないか」という考え方で凝り固まってしまいます。それだと自分のことばかりになってその考えに相手が入っていません。相手に対して感謝の気持ちで接してみましょう。
現在、対人恐怖で悩んでいる方は早期の受診をおススメします。
あがり症は異常で恥ずかしい事と決め付けて、人間関係の自己啓発本などを読んで間違った対応をしていたり、緊張を打ち消そうと頑張るとさらに意識してしまい失敗する恐れがありそれがきっかけで悪化する事もあります。
進行するとうつ病やアルコール依存症、パニック障害が併発する恐れがあります。
治療法として抗不安薬の服用とカウンセリングを平行して行います。