広汎性発達障害の症状

さまざまな広汎性発達障害のうち、小児自閉症の場合には、代表的に以下のような症状が見られます。
・対人関係において、相手がどのような気持ちになるか分からない
・言葉の発達が遅い、使用方法を間違える
・会話を続けることができない
また、上記のような症状を要因として、その場に相応しい行動をとることができないなどの症状が出るため、しばしば社会性の獲得に問題が生じることが多いです。
その他、アスペルガー症候群の場合には、小児自閉症と異なり言葉の発達には問題が見られないものの、やはり対人関係に問題が見られるといった症状が現れます。
また、聴覚や味覚などの感覚過敏も多く現れます。

広汎性発達障害の原因

広汎性発達障害の原因は、明確には明らかにはなっていませんが、遺伝的なもの、あるいは染色体異常などの生物的な要因が大きく関与していると考えられています。また、胎児性風疹や結節性硬化症などの、幼少期にかかる病気が原因として起こることも知られています。
広汎性発達障害は精神疾患として分類される病気であり、決して本人の怠慢や家庭環境などに原因があるわけではありません。治療法や特効薬もないため、当人が社会で生活してゆくためには、周囲の理解や社会的支援が不可欠です。幼少期に病気が発覚する人もいれば、大人になってから気付くパターンもあり、さまざまな支援が必要とされています。

広汎性発達障害の治療法

原因が明確となっていないため、広汎性発達障害を予防する方法が確立されているわけではありません。大切なのは、なるべく子どもの頃に、周囲の大人が早く障害に気付いてあげることです。障害に気付かず社会の中で生活するようになった場合、対人コミュニケーションに多くの問題を抱えることにもなり、本人にとっても周囲にとっても大きな苦痛を伴います。
必要な支援や理解を得るためにも、専門機関での早めの受診が可能となるよう、子どもの行動に気を配るのが大切です。