がんとも関係!? 体内時計が乱れる3つの原因と怖い疾患リスク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
執筆者画像

監修:Doctors Me 医師

最近、睡眠に関する本がベストセラーになっておりますが、その反面、多くの人が睡眠に関して悩みを抱えていることが伺えます。

スマホやタブレットなどの電子機器を寝る直前まで使用している若者も増え、不眠症などの睡眠障害は、体内時計の乱れも原因の一つではないのでしょうか?

今回は体内時計が乱れる原因と懸念される病気について、医師に解説をしていただきました。

目次

体内時計・概日リズムとは?

朝日
人間は窓のない部屋で時間が分からない状況であっても、だいたい1日の時間を把握することができ、眠くなったり目覚めたりというリズムがあります。

ホルモン、血圧、体温なども周期的に変化しています。人間だけではなく、動物や植物、細菌にもこういった太陽の周期に合わせたリズムがあります。

こういった生体リズムは「概日リズム・サーカディアンリズム」と呼ばれ、この周期を作り出しているのは時計遺伝子という遺伝子で、1997年に発見されました。

時計遺伝子は全身のすべての細胞にあり、時間とともに活動を変えています。

視床下部と体内時計の関係

体内時計のメカニズム
目に光が入ると、網膜の細胞が光を電気信号に変え、視床下部という脳の部位に信号が送られます。視床下部を壊された動物は概日リズムがなくなってしまうことが知られています。

また、視床下部は全身の「時計遺伝子」を統制する役割をしています。視床下部は脳の松果体という場所に信号を送り、メラトニンというホルモンが作られます。

睡眠に不可欠なメラトニン

メラトニンと睡眠

メラトニンの役割


メラトニンを分泌する能力は加齢とともに低下し、「年を取ると眠れなくなる」原因の一つと言われています。

メラトニンは体温を下げ、副交感神経優位の状態にすることで、血圧や脈拍を下げ、睡眠に適した状態に体を整えます。

メラトニンの睡眠薬


メラトニンは夜に多く昼に少なくなります。メラトニンが増えると眠くなるので、サプリメントや睡眠薬としてメラトニンを飲むこともあります。

メラトニンのサプリメントは、アメリカではドラッグストアで処方箋なしで販売されていますが、日本では販売されていません。

メラトニン受容体を刺激する睡眠薬は、処方薬として日本でも手に入るようになりました。

■ 一般的な睡眠薬
脳全体の活動性を落とし、鎮静することで眠気を起こす

■ メラトニンやメラトニン受容体を刺激する睡眠薬
全く異なる仕組みで眠気を引き起こし、薬が日中も残って眠気やふらつきが起こる副作用が起こりにくい

体内時計が乱れる原因

ブルーライト


スマホのブルーライトを浴びる女性
目に入る光のうち、特にブルーライトと呼ばれる波長の光は、体に「朝だ」と思わせることで概日リズム・体内時計を整える働きがあるとされています。

夜にパソコンやスマートフォンのモニターを見て、ブルーライトを浴びると、体が今は朝だと思い込んでしまい、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなってしまいます。

逆に、時差ボケになっている場合や、朝すっきり目覚めたいときには、ブルーライトを浴びたほうが良いと言われています。

時差ボケや不規則なシフト勤務


空港の時差時計
時差ボケは、海外旅行などで時差のあるところへ短時間で移動した際に、今までの生活時間やリズムになれた体や体内時計が、現地時間にすぐにはうまく適応できないことが原因です。

また、夜勤や交代勤務で体内時計が異常になっている場合でも考えられます。

窓や時計のない部屋


何もない部屋
窓や時計のない部屋に一日中閉じ込められると、人間の周期は24時間より少し長く、25時間に近いサイクルを刻むと考えられています。

このサイクルには個人差があり、また子どもは周期がずれやすいと言われています。

体内時計と関係している病気とは?

不眠症の女性

睡眠相後退症候群


学童は、自然に過ごしていると、どんどん夜更かしになり、朝は起きられないという状態(睡眠相後退症候群)になりやすいので、意識して早めに寝るようにする必要があります。

概日リズム睡眠障害


不眠症のうち、概日リズム睡眠障害と呼ばれるものには体内時計が深く関係しています。

動脈硬化や血管系の病気


体内時計の乱れが、糖尿病高血圧・脂質代謝異常・肥満のリスクを増加させ、動脈硬化や血管系の病気を引き起こし、一部のがんとも関係していると考えられています。

最後に医師から一言

研究風景
体内時計の状態を把握することは、現在は研究レベルでしか行われていません。

しかし頬の内側の細胞(綿棒でこすれば取れる)や毛根の細胞を分析することで、「時計遺伝子」の状態を把握することができるようになっており、将来的には体内時計の乱れを正確に把握できるようになるかもしれません。

(監修:Doctors Me 医師)

参考文献

Akashi M et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2010; 107:15643-15648.
  • この記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
  • 専門家の皆様へ。記事の内容について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するコンテンツ

不眠症について