真菌性髄膜炎の症状

真菌性髄膜炎を発症すると、主に細菌やウイルスによる髄膜炎と同様に頭痛や吐き気、嘔吐、項部硬直などの髄膜刺激症状や、発熱、意識障害、全身倦怠感といった症状が現れます。抗菌薬を投与しても熱は下がりにくいのが特徴で、亜急性や慢性の経過を辿ることもあります。

真菌が肺にも感染している場合には、咳や喀痰、呼吸困難などの呼吸器症状を伴う場合があります。ほかにも、胸部X線の画像診断によって、胸膜直下の結節影が発見されることもあります。肺病変を発症することなく髄膜炎を発症することもあります。

また、感染源であるクリプトコッカス・ネオフォルマンスに感染した発症者が健常者の場合は原発性クリプトコッカス症、基礎疾患を有する患者の場合は続発性クリプトコッカス症と呼称し、分類化されています。

真菌性髄膜炎の原因

真菌性髄膜炎は真菌の一種であるクリプトコッカスや、カンジタ、アスペルギルスなどに感染することが原因で発症します。
クリプトコッカス・ネオフォルマンスは鳥類の排泄物ないし排泄物が蓄積する土壌等に多く棲息し、主にちりやほこりと一緒に空気中に浮遊するクリプトコッカスを吸い込むことで肺に感染します。
これが肺から血液を通して髄膜に侵入し、真菌性髄膜炎の発症にいたります。
クリプトコッカス髄膜炎は、健康な人にも起こる可能性がありますが、他の真菌の場合は、発症にいたることはないとされています。
また、免疫系の異常があり、感染防御能に問題がある人、ステロイド療法や臓器移植を受けた人、あるいは白血病やサルコイドーシス、悪性腫瘍などの基礎疾患を持っている人は、発症にいたる確率が高いとされています。

真菌性髄膜炎の治療法

真菌性髄膜炎は、基礎疾患があれば、そのコントロールをしっかり行うことが発症の予防に繋がります。
真菌性髄膜炎で起こる髄膜刺激症状が起こったら、ただちに受診することが重要です。
特に免疫機能が低下している患者や基礎疾患を持つ患者は、発症しやすかったり、重症化しやすいため、早期の診断と治療を受ける必要があります。
治療は、抗真菌薬の投与などが行われます。