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お世話になります。 8月に循環器内科で心臓の検査を受けた際 エコーで通常は...

医師への相談

相談者49歳/女性
お世話になります。

8月に循環器内科で心臓の検査を受けた際 エコーで通常は赤の色で出てくるとのことですが問題があると青になるとのこと。
その際一部分青くでていた為、先生から多分狭心症でしょうからヘルベッサを飲んでと言われました。
ただもしかするとエコーをとる際、胸のせいでうまく撮れないこともあるとのこと。
曖昧なまま 薬を約10日飲んだのち、もう一度心臓エコーをお願いしました。
先生がはこの前したばかりなのにと仰いましたが、結果が本当に狭心症からなのか
撮り間違いなのかはっきりさせたいのでお願いしました。
結果は全て赤で問題ないとのこと。
先生が仰るには薬が効いているのでよくなってよかったですね。引き続きヘルベッサーを飲んでくださいとのこと。
もし狭心症の場合10日位薬を飲んでそんなに早くによくなるものなのか?
その辺りをお聞きできたらありがたいです。 痙攣狭心症?と言われました。
血液検査 心電図 問題なし。 心臓辺りにほぼ毎日違和感あり。痛みなし。押して気持ちいい感じ。血圧120 75 動脈硬化軽くあります。49才 女
よろしくお願いいたします。
ゆう先生からの回答
ご相談ありがとうございます。

心臓の超音波検査で「青」や「赤」の色が付いているのは、血液の流れの方向を示しています。超音波検査の時に体に当てるスティックのようなもの(プローブ、と呼びます)に向かう血流がある場合は赤くなります。反対に、プローブから遠ざかる方向に血液が流れている場合は青くなります(設定によっては違うこともあります)。「赤」だから正常、「青」だから異常、という訳ではありません。通常はプローブに向かう血流があるはずの場所で「青」が見えていれば異常です。逆に、プローブから遠ざかる方向に血液が流れるべき箇所で「赤」くなっていれば、これも異常です。

一般的には、心臓内の弁(大動脈弁や僧帽弁など)に異常があって、弁を通過する血液に逆流がないかどうか、あるいは弁の通過部が狭くなって血液が乱流となっていないかどうか、などを見るために色のついたエコー検査を行います。

一方、狭心症とは、心臓に血液を供給する動脈(冠動脈)が狭くなることで、心臓の筋肉(心筋)の酸素が不足し、胸痛が出現するご病気です。もし、冠動脈が完全に詰まってしまうと、心筋に酸素が届けられなくなり、いわゆる心筋梗塞となります。

狭心症にも様々なタイプがありますが、一番多いのは冠動脈の動脈硬化によって、冠動脈に狭い箇所ができてしまうタイプです。ご相談者様が言われた「痙攣狭心症?」というのは、「冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症」のことだと思われます。これは、冠動脈に明らかな動脈硬化がなくても、冠動脈がギューっと縮むことで一時的に血流が弱くなってしまうタイプの狭心症です。明確な原因がなくとも冠動脈がしばしば収縮することで症状が出現します。またしばらくすると収縮がゆるんで症状が消失することも特徴です。


冠動脈は2-3mmの細い血管ですので、超音波検査で血流を観察するのはかなり困難です。上記のように、色付きの超音波検査は弁の問題を探すために行うのが普通です。また、冠攣縮性狭心症では、症状がない時には冠動脈に狭いところがありませんので、超音波検査で異常を認めることはありません。

したがって、超音波検査で「青く出ていた為」に「狭心症」と診断することは通常ありません。冠攣縮性狭心症を明確に診断するには、症状のある時に心電図検査やカテーテル検査を行わないといけません。しかし症状がある時にすぐにタイミングよく検査を行うのはかなり難しいので、基本的には症状の性質などから診断することになります。薬でわざと発作を誘発した状態で検査を行って診断をする場合もありますが、人為的に心臓の血流を弱めるわけですから、安易に行う検査ではありません。

ご相談者様の場合も、超音波検査で狭心症を診断したというよりは、超音波検査や他の検査で胸部違和感の原因となる疾患が見当たらないことや、症状の様子などから総合的に判断して、冠攣縮性狭心症の診断となったのではないかと推察します。


ヘルベッサーは、動脈の壁の収縮を弱める働きがあります。このため、冠動脈がときどき収縮して症状を起こす冠攣縮性狭心症の治療に使われています。ヘルベッサーを飲み始めて数日もすれば作用が安定すると思われますので、10日程度の内服で冠攣縮性狭心症が改善しても不思議ではありません。


相談者49歳/女性
先生ありがとうございます。この写真の真ん中の丸い写真が8月の検査では下の部分が青く出ていて 先生がそれを指しながら「 ここが青いと狭心症です」とおっしゃっていました。
「胸のせいでうまく取れないこともあるしその場合も青くでます」とのことでした。
混乱している理由は、始めてその病院に行った日にこの写真を撮って、「ここが青いので狭心症か胸のせいで撮れていないかとのどっちかですね」と言われ、名前は忘れましたがヘルベッサよりうんと軽い薬を一週間分処方され一年後に来てくださいとのことでした。毎日の様にほぼ一日中胸の辺りに違和感があるので もう一度行ったら、血液検査(特別な検査らしいです)と心電図をして 「異常はみられないけども 発作が起きてない場合は心電図にはうつらないので あなたは狭心症です。」と言われヘルベッサを出され、全く腑に落ちずまま帰りました。次に薬をもらいに行った時に先生に「私は狭心症なのですよね?」と確認したところ、驚かれた顔をして「 あなたは狭心症なんかじゃないですよ」と言われ じゃなんでヘルベッサを処方されたのだろうと疑問に思いながらその日は帰ったのですが、気になったので3日後にもう一度8月と同じ検査をお願いして出た結果がこの写真で先生が「よくなってよかったですね。あなたは冠攣縮性狭心症ですが薬でよくなりましたね。」と...
先生の二転三転する診断に思わず不安になりました。もし本当に冠攣性狭心症としてもずっと薬を飲むべきか? 本当にその病気なのか?毎日一日中出る違和感は果たしてその病気の特徴的症状なのか。先生アドレスをいただけたら大変ありがたいです。
ゆう先生からの回答
赤や青の色の問題は、超音波の検査結果レポートの話だったのですね。それであれば、前回の私の回答の中の、色に関するコメントは全く関係ない話です。忘れてください。

お困りの状況はよくわかりました。胸部の違和感に関しては、冠攣縮性狭心症の診断でも良いと思います。ただし診断を確定させるには発作が起きている際に様々な検査をしなければなりませんので、現実的でなく、多くの場合、診断は推定にとどまります。

なので、冠攣縮性狭心症かどうか、というのは、他の病気よりも可能性が高いかどうか、ということになります。胸部の違和感に関しては様々な病気が考えられます。例えば不整脈、狭心症、胃潰瘍、逆流性食道炎、精神的なストレスなどです。

冠攣縮性狭心症で特徴的とされているのは、症状が夜間や就寝時、早朝などの安静時に起きやすいということです。また、飲酒、喫煙、不眠、過労などのストレスも誘因となることがあります。症状としては、胸がぎゅーっと圧迫されるような感覚が生じることが多いです。また、冠攣縮性狭心症の症状はヘルベッサーの内服で軽減される方が多いとされています。

現在の症状が、冠攣縮性狭心症らしく、ヘルベッサーの内服で以前よりも症状が起きにくくなっているようであれば、冠攣縮性狭心症の診断で良いかと思われます。一方で、症状が典型的でなく、ヘルベッサーの内服をしても全く症状が改善していないのであれば、その他のご病気を考える必要があると思いますので、胃カメラなど、心臓以外のご病気も検査してみる必要があると考えます。
相談者49歳/女性
先生 わかりやすい説明大変ありがたいです!
ヘルベッサを飲んでも痛みは変わらず継続し、あちこち違う場所に神経痛の様な痛みがありますので他の検査をうけてみます。

ありがとうございました!