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ほくろを取る際のレーザー治療やくりぬき法など、それぞれのメリットとデメリットを教...

医師への相談

相談者28歳/女性
ほくろを取る際のレーザー治療やくりぬき法など、それぞれのメリットとデメリットを教えて下さい。
医師からの回答
ご質問誠にありがとうございました。

ほくろはイボと違い、皮膚の表面ではなく皮膚の内側から出来ます。そのため皮膚からもり上がった部分だけを削り取っても、完全に除去したことにはなりません。ホクロの直下の皮膚を深く(全層で)取り除くことが原則となりますが、取り方や創の処理の仕方にいくつかの方法があります。
1,くり抜き法は、
メスあるいはパンチという円形の特殊なメスを用いて、ほくろとその下の皮膚を丸くくり抜く方法です。皮膚に開いた穴は通常縫合はせず、自然にふさがるのを待ちます(大きいほくろをくり抜いた場合には傷がふさがるのにより期間がかかるため、巾着のように糸をかけて絞り、穴を小さくしておくこともあります)。 ほくろの大きさにもよりますが、傷が完全にふさがるには1~2週間ほどかかります。次に述べる「切除縫合法」では歪みによる 変形が生じやすい部位(鼻など)に、特に良い適応があります。また顔面の皮膚では血流が豊富で皮膚の修復が早く、このくり抜き法が適しています。くり抜き法では、ホクロのある場所により異なりますが、ホクロの直径が約5~6mmくらいまでを対象にします。 最近はレーザー治療で取り除く方法(後述)が主流なので この方法を行うことは少なくなりましたが、レーザー治療に比べて熱損傷が無い、切除した組織の病理診断(皮膚がんの疑いがある場合など)が確実に行えるという利点もあるので、時には実施することがあります。
2,切除縫合法は、
ほくろとその下の皮膚全層をメスで切除した後、周囲の皮膚を引き寄せて縫合し、傷を完全に閉鎖する方法です。
額、眉間などの顔の一部、頚部、腕、背中、胸などの部位のホクロにくり抜き法を使用すると、手術後の傷がきれいにならないことがあり、むしろメスを使ってホクロを切除して縫い合わせるほうが手術後の傷がきれいになります。この方法では、ほくろを完全に除去することが前提なので、再発のリスクがありません。また、くり抜き法のように自然閉鎖を待つよりも、早く確実に傷が治癒するのが大きな利点です。
ただし、切除したあとの傷を無理なく縫い寄せるためには、 周囲の正常な皮膚も含めて紡錘形に切除する必要があります(くり抜き法の様な丸い傷口を縫って閉じようとすると、皮膚のだぶつきにより歪みが生じる)。
そのため縫い傷が直線状となり、その長さはほくろの直径の2~3倍になります。しかし丁寧に縫合することによって、傷あとは非常に目立たなくなりますし、比較的大きなほくろ(直径5mm 以上)の場合にはくり抜き法やレーザー法ではへこみが残りやすいので、こちらを選択します。
抜糸が必要です(顔面:5~7日後、その他:7日後)。場所によっては皮弁形成術など複雑な手術を必要とすることもあります。

3、炭酸ガスレーザー法は、
レーザーでほくろの組織中の水分が吸収され、その際に発生する熱によって組織を気化・蒸散します。ほくろだけでなくイボ、ウオノメ、隆起したアザなどの除去にも有効です。
レーザー治療は先に述べた「くり抜き法」に比べ、出血が殆ど起こらないのが大きな利点です。また施術自体も簡単で、比較的短時間で施行できるので、 一度に多数のほくろを除去する場合に最も適した方法と言えます。保険がきかず、自費診療になります。

ご自身のほくろにはどの治療法が向いているか、費用や来院回数、治癒までの期間なども合わせて是非医師とご相談してみてくださいね。