《医師がこっそり教える!》驚きのインフルエンザ予防法BEST5

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2017年もインフルエンザが流行しており、全国各地で猛威をふるっております。

出来れば感染せずにしっかりと予防したいですが、一体どのような方法が有効なのでしょうか。

今回は医師の建部先生に、「驚きのインフルエンザ予防法BEST5」を解説していただきました。

インフルエンザウイルスは常に狙ってる…!?

インフルエンザウイルスは寒い冬の時期に空気中に漂っており、常に私たちの口腔や鼻腔粘膜から入り込み、隙あらば体内への侵入・増殖のチャンスをうかがっています。

今回紹介する予防法は、バランスのとれた食生活・適度な運動や睡眠時間の確保といった生活環境を背景としたうえでのお話になり、当然完全なる防御ではなく「より高い予防効果が考えられる」という内容であることをご了承ください。

1位:インフルエンザワクチンを2回接種する


1回目は通常通りのインフルエンザ予防接種推奨時期に注射し、その後2回目は、以下の時期に打つ方法が考えられます(13歳以上の場合)。

おすすめの2回目予防接種時期


◎ 1週~4週以内
インフルエンザの流行ピークで確実な予防効果を発揮させておきたい場合

◎ 6週〜18週以内
インフルエンザの流行期間全般において、一定レベルの予防効果を維持させておきたい場合

インフルエンザ流行期


国立感染症研究所の過去10年間のデータをみると、概ね以下のようになっております。

・インフルエンザの流行ピーク:1月から2月
・インフルエンザの流行期:12月から3月

つまり上記期間にインフルエンザワクチンの効果が発揮できるように、ワクチンを打つタイミングを考えられるとよいということになります。

インフルエンザワクチン有効持続期間


「厚生労働省」と「内科などの医学書」で提示されているインフルエンザワクチン有効持続期間は、それぞれ以下のように読み取れます。

■ 厚生労働省
・インフルエンザワクチン有効期間:2週〜5カ月
厚生労働省では上記期間において効果が「期待できる」とし、13歳以上の方は1回接種でも予防効果がある、としています。なお、その効果の程度については言及していません。

■ 内科などの医学書
・インフルエンザワクチン有効期間:4週~21週以内
インフルエンザワクチン1回注射での有効期間について、内科などの医学書のグラフをみると、免疫「有効」持続期間は、4週~21週以内となっています。

22週目からの予防効果は個人差が大きく、急激に予防効果が落ちる可能性もあります。
これを回避するためには上記の「1週~4週以内」もしくは「6週〜18週以内」のいずれかのスケジュールで、2回目接種を行うのが合理的ということになります。

もちろん注射の都度、合併症や副作用のリスクは伴いますので、十分理解した上で自らの意思で接種する必要があります。

なおインフルエンザは、インフルエンザウイルスが口や鼻から体の中に入り、細胞へ侵入し増殖することで感染しますが、元々インフルエンザワクチンにはこれを完全に抑える働きがない、ということを付け加えておきます。

《参照》
厚生労働省

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2位:歯磨きとマウスケア

具体的な方法


□ 通常の毎日の歯磨きはいつもよりも念入りにする

□ いつもの歯磨きに加え、毎日1日1回に限って歯茎、舌はもとより、頬や唇の裏側の口腔粘膜も軽く弱い圧で1~2回だけブラッシングする
(粘膜から出血させてないことが重要です)

□ 最後に口をすすぐ際には、殺菌効果のあるマウスケア用または、うがい用薬液を用法通りに薄めたものを使用する

□ 薬液を使えない、使いたくない人は殺菌効果が高いことで知られるカテキンを多く含む冷めた緑茶または紅茶などを使用する

歯垢の除去が感染予防に


インフルエンザにかかる場合は、そのウイルスが口や鼻から体の中に入ることから始まりますが、もともと喉の粘膜等はウイルスが付着しにくい仕組みになっています。

しかし、歯垢(口腔内の食べかすなど)が発生させる酵素が、ウイルスを付着しにくくする仕組みのタンパク質を壊してしまいます。
具体的には、歯垢に含まれる細菌が、ノイラミニダーゼや、トリプシン様プロテアーゼ(TLP)という、ウイルスの増殖を助ける作用のある酵素を発生させます。(実際にインフルエンザになった際の治療薬に、この酵素の一つを阻害する有名なお薬があります)

そのため、念入りな歯磨きと口腔内ブラッシングで、歯茎と口腔粘膜の境目の歯垢や食べかすを除去するのが合理的と考えられるのです。

最後は「すすぐ」こと!


喉に風邪症状にみられる痛みや違和感がない場合、最後口をすすぐ際はどの溶液または飲料物を使用するときでも「口をすすぐことはあっても、うがいはしないこと」がポイントです。

喉の粘膜にはもともと人間と共生関係状態にある種々の常在細菌が存在し、その細菌群は通常人に疾病を起こすことはなく、むしろ、風邪の原因ウイルスや病原菌などの侵入を防いでいます。

ところが、ヨウ素をはじめ高い殺菌効果のある物質が作用すると、常在細菌が減ってしまい、風邪の原因ウイルスが侵入してくれば感染が容易になってしまいます。

特にヨードうがい薬液については京都大学保健管理センター(現・健康科学センター)の川村孝教授の研究グループが行った調査において、高い殺菌効果と引き換えに喉の粘膜の細胞も傷つけその結果、かえってインフルエンザを含む風邪をひきやすくなってしまうらしいという結果が判明しています。

そのため、うがいでの予防は普通の水道水利用でよいでしょう。

《参照》
予防医療学 (環境安全保健機構健康科学センター)
Satomura K, Kitamura T, Kawamura T, et al. Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial. Am J Prev Med 2005; 29: 302-307

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3位:鼻うがい

市販の鼻うがい薬をする場合


ドラッグストアで鼻うがい薬を購入し、説明書にあるとおりに正しく使用しましょう。

生理食塩水を使用する場合


生理食塩水を購入し、食塩水を大きめのボウルに移し替えた後、そのボウルに顔を近づけて、どちらか一方の鼻を抑えながら飲み込まないように、ゆっくり食塩水を吸い込み軽く数秒、息止めします。

食塩水を吸い込んだら洗面器から顔を外して鼻から食塩水を出します。

この一連の動作を3~5回行い、それが終わったら片方の鼻も同じ要領で実施し、最後に鼻を軽くかんで終了します。

生理食塩水を使用する場合のポイント


鼻うがいが慣れてきたら吸い込んだ食塩水を鼻から喉に落として、口から食塩水を吐き出す動作を加えると、鼻と喉の粘膜を洗浄することになり、より効果的と考えられます。

ちなみに水道水を利用した生理食塩水調整方法は、いったん水道水2Lを煮沸し、人肌程度に温度が下がった段階で食塩大さじ1杯(15g)投入し混和して完成です。

面倒くさがって水道水でトライすると体液と水の浸透圧の違いで鼻や耳の奥にプールで時々、鼻に水が入った時の「ツーン」とした何とも言えない痛みが広がるのでご注意ください。

4位:プラセンタ投与

具体的な方法


インフルエンザ流行前約1カ月ほど前から、プラセンタのサプリメントを内服または自由診療クリニックにて週1回程度のプラセンタ注射を行います。
(注射剤に関しては副作用の観点から出来れば人由来のものが望ましい)

プラセンタの働き


プラセンタはご存知の通り胎盤由来のエキスであり、細胞分裂の活性化・新陳代謝促進に必要な成長因子・栄養素を多く含み、胎児への病原性微生物の侵入をブロックする免疫担当細胞の活性化の作用があります。

結果、身体の自然治癒力や免疫力・抵抗力を上げる効果が期待できます。

その他にも、血行促進効果により取り込んだ栄養素や成長因子が全身に行き渡り、細胞が活性化され新しい細胞に生まれ変わる機能を補助するほか、含まれる豊富なアミノ酸が天然保湿成分(NMF)の主成分となり肌の潤いを保つことに働くという、インフルエンザが流行する寒くお肌が乾燥する時期にはありがたい効果が期待できます。

プラセンタと聞くと、女性が使うものというイメージが先行しがちですが、男性が使ってもOKです。

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5位:乳酸菌食品の摂取

具体的な方法


普段から、ヨーグルトを毎日食べる習慣をつけましょう。

ヨーグルトが苦手という方は、発酵食品で乳酸菌が意外にも多く含まれている、ぬか漬けやキムチなどを毎日適量食べるようにしてください。

乳酸菌が感染防御の役割?


近年、消化管の関する機能について様々な研究が行われ、以前には考えられなかった全身への作用や機能が明らかになっており、その1つが、腸内フローラ(腸内細菌叢)という概念です。

宿主である人や動物は摂取した栄養分の一部を利用して活動し、他の種類の腸内細菌との間で数のバランスを保ちながら、腸内フローラ(腸内細菌叢)を形成しています。

腸内細菌群は、食物繊維を構成する難分解性多糖類を短鎖脂肪酸に転換してエネルギー源を供給したり、外部から侵入した病原細菌が腸内で増殖するのを防止する感染防御の役割を果たすなど、宿主の恒常性維持に役立っています。

腸内細菌群は善玉菌と悪玉菌に分けられ、悪玉菌のほうが増えれば腸内環境が悪化し、免疫力の低下や老化の進行、便秘、肌荒れ、果ては抑うつ症状まで、様々なトラブルが体に出現する可能性があります。

インフルエンザに対する乳酸菌の最新研究


毎年、秋から冬にかけて流行するインフルエンザですが、最近になり以下の2つが判明してきました。

1:乳酸菌(善玉菌)がインフルエンザに対して予防効果を発揮し得ること
(簡単に言えば、腸内の免疫担当細胞であるナチュラルキラー細胞を活性化してウイルスを撃退する)

2:動物実験レベルではあるものの、1の効果は生きた乳酸菌が腸内に届き腸内環境が改善した結果ではなく、乳酸菌が作り出した物質や菌体成分(乳酸菌生産物質)が腸管免疫を直接活性化したためだと推測されること

上記から、生きた乳酸菌を腸まで届けて、乳酸菌が生存してゆくのに必要なオリゴ糖類を腸に与えて増殖させれば腸内フローラが改善し健康になれる、というのはどうやら真実とは異なるようだ、ということが分かりつつあります。

まだ未解明なインフルエンザに対する乳酸菌の効果


ヨーグルトなど食品中に存在する乳酸菌などは、胃や小腸での消化液により殺菌され大腸に届く前に90%以上が死滅し、またごく少数の菌は生きて大腸まで届いたとしても、元々腸内に存在する細菌群から異物とみなされてほどなく体外に排除されてしまいます。

なので、通常であれば乳酸菌を含む食品を摂取しても、それ自体が腸内で増えることはまず有り得ません。

実際は乳酸菌を含む食品の摂取によって、健康増進作用やインフルエンザをはじめとする感染症予防効果が確認されているため、当然疑問が生じてしまいます。

日本の農学博士・微生物学者の光岡知足先生[1][2][3]によれば、乳酸菌などの善玉菌を生きたまま腸に届けることだけが重要なのではなく、死菌や菌体成分にも様々な健康作用・感染症予防効果が期待できることを考慮に入れて腸内細菌を見直す必要があるとしており、今後の研究成果が期待されます。

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意外と効果が期待できないインフルエンザ予防法

紙製マスク、花粉症対策用マスク



マスクをしない状態のままだと、冷たく乾燥した外気を吸い込む時間が長くなり結果、気道粘膜の免疫が低下してしまうため、ウイルスに感染、発症を起こしやすくなります。

しかし、マスク装着自体には外気から侵入するインフルエンザウイルスを防ぐ効果は低く、マスクをすることによって口腔周囲の湿度が維持され、気道粘膜の免疫を維持することで予防しているに過ぎないのです。

紙製マスクの使いまわし


インフルエンザの流行時期に2日以上同じマスクをつけると、マスクの前面にウイルスが多く付着します。

使いまわしの際、付着したインフルエンザウイルス粒子は手や顔に付着する可能性が高く、当然ながら感染リスクも上がってしまいますので、予防効果を期待するならば毎日の交換が望ましいと言えます。

マスクをつけているが鼻が露出している


よく街中や、時に医療機関で働く医療従事者でも見かけます。

マスクのない状態にほぼ等しく、鼻からインフルエンザウイルスの侵入が有り得るので意味がありません。 

うがい薬を利用し頻繁にうがい


喉にいる常在細菌まで殺菌してしまうと、かえってインフルエンザを含む風邪の原因ウイルスの付着・侵入が成立してしまいます。

うがいを頻繁に行うことで予防したい場合は、普通に水道水の利用で大丈夫です。

建部先生からのアドバイス

私が年末年始の救急外来院勤務に出向いた病院においては、入院患者様に次々とインフルエンザが発生し、救急外来で入院が必要になった患者様を入院させることができない病棟閉鎖の状態も発生しました。

冒頭でお伝えした通り、インフルエンザウイルスは隙あらば私たちの体内への侵入・増殖のチャンスをうかがっています。

バランスのとれた食生活・適度な運動や睡眠時間の確保といった生活環境を基盤とした上で、上記予防法を実践してみるのもよいかと思います。

なお、乳酸菌食品の摂取による予防法に関して言えば、現状における私個人の見解ですが、特定の品種株の乳酸菌を含むヨーグルト食品にとらわれることなく、毎日、無理なく美味しく食べられる範囲で上記の食品を召し上がっていただければよろしいかと考えます。

(監修:医師 建部雄氏)

参考文献
[1] 「人の健康は腸内細菌で決まる!」技術評論社 2011年
[2] 「腸を鍛える-腸内細菌と腸内フローラ」祥伝社 2015年
[3] 「大切なことはすべて腸内細菌から学んできた ~人生を発酵させる生き方の哲学~」ハンカチーフ・ブックス 2015年
【Click!】建部先生のプロフィールをチェック!
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監修:医師 建部 雄氏

京都市生まれ。社会人を経て医師を志す。2001年、昭和大学医学部医学科卒業。
卒後、東京都内の大規模総合病院にて救急科の経験を積む。

その後、阪神淡路大震災において内科医が避難所等で切実に必要とされていた事実を知り、より多くより幅広く患者さんに対応できる医師を目指して総合内科へ転向を決意。
急性期病院・クリニックの勤務を経て、最も身近な医師としての研鑽を積んでいる。
現在は、横浜市内の総合病院に勤務中。週末を中心に休日夜間の非常勤先病院 救急外来勤務をほぼ趣味としており、失敗も成功も含めて経験は豊富。
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