肺リンパ脈管筋腫症の症状

肺リンパ脈管筋腫症は初期症状として自然気胸や労作時呼吸困難があり、気胸に関しては繰り返し起きるのが特徴です。気胸よる胸痛や呼吸困難もあります。労作時呼吸困難は比較的ゆっくり進行します。他にも咳や喀痰、血痰、喘息様の喘鳴も見られることもあります。
   
症状の表れ方としては、まず息切れなどの呼吸機能の低下が見られ、進行とともに気胸や胸水、腹水、腎血管脂肪腫などを併発することがあります。
リンパ液が胸水や腹水として貯留した場合、それに伴う呼吸困難、腹満感が生じる場合もあります。
  
肺リンパ脈管筋腫症の症状の進行速度は、人によってかなり異なります。さらにどれくらい重症化するのかも異なるので、中には長期間にわたって安定していることもあります。

肺リンパ脈管筋腫症の原因

肺リンパ脈管筋腫症の原因となっているのは、結節性硬化症と併発する場合にはTSC1またはTSC2という遺伝子の異常です。この遺伝子が異常をきたすことによって発症すると考えられています。
単独で発症する場合にも、TSC2遺伝子の異常が検出されることがあるので原因の一つと考えられています。
  
妊娠や出産、経口避妊薬等のエストロゲン製剤等によって症状が現れたり、悪化したという報告もあるようです。なお、肺リンパ脈管筋腫症では喫煙などの生活習慣との因果関係はまだ解明されていません。
   
遺伝子異常が原因で肺リンパ脈管筋腫症が発症しますが、単独で発症する場合には病気が遺伝することはないと考えられています。結節性硬化症と併発する場合に遺伝はしますが、必ず発症するわけでもないことがわかっています。

肺リンパ脈管筋腫症の治療法

肺リンパ脈管筋腫症は遺伝子異常によって発症し、そのメカニズムはまだ解明されていないので予防は困難です。病気になるのは100万人あたり1.9-4.5人という調査結果が出ていて、平成21年からは特定疾患治療研究事業の対象疾患となっています。
  
予防できないので、症状に応じた対症療法が行われます。呼吸不全に対しては酸素吸入、気胸を繰り返す人には外科的な治療が施されます。胸水や腹水に対しては、内科的また外科的な手法の療法によって治療が行われます。
  
ホルモン療法も行われることがありますが、効果に関してはまだ不明な部分が多いので研究段階の治療となります。