貨幣状皮膚炎の症状

貨幣状皮膚炎は、貨幣状の円形をした湿疹が出ます。下肢に、1個から数個の湿疹が出ることが多いですが、顔や体、手の甲に現れる場合もあります。

紅斑ができた後、小さな水ぶくれが現れ、じゅくじゅくとした湿潤状態になることもあります。強いかゆみを伴うこともあり、睡眠に支障が出る場合もあります。悪化すると、全身に湿疹が自家感作性皮膚炎を引き起こします。
  
患部がカサブタで覆われて炎症が落ち着くと乾燥します。赤い跡が残り、完全に消失するには時間がかかります。再発を繰り返すこともあります。

貨幣状皮膚炎の原因

貨幣状皮膚炎には、以下に挙げるようなさまざまな要因が関わっています。

肌の乾燥


乾燥肌の人や高齢者は、空気が乾燥すると肌も乾燥し、かゆみを生じやすいです。乾燥からバリア機能の低下した肌を掻く行為を繰り返すと、慢性的な刺激となってしまいます。
  

細菌感染


虫刺されなどでかき壊した傷や外傷などから細菌感染を起こすと、貨幣状皮膚炎を起こすことがあります。
  

アレルギー


アトピー性皮膚炎や金属アレルギーなど、アレルギーを持っている人に貨幣状皮膚炎を合併することが多いです。
  

扁桃炎・歯周病など


扁桃炎や歯周病など、慢性的に炎症を起こしている場合、貨幣状皮膚炎を起こしやすいです。特に高齢者など、体力の低下している人は、注意が必要です。

貨幣状皮膚炎の治療

保湿剤やステロイド軟膏を組み合わせて、治療を行います。

貨幣状皮膚炎を発症した場合は、患部を掻くと炎症がさらに悪化してしまいます。そのうえ、患部を掻いた手で他の場所を触ると症状が広がったり、自家感作性皮膚炎に重症化したりするため注意が必要です。

貨幣状皮膚炎の予防

貨幣状皮膚炎を予防するためには、皮膚に細菌感染を起こさないように気をつけることが大切です。特にアトピー性皮膚炎や乾燥肌の人、高齢者は肌のバリア機能が低下しているため、かゆみを感じても、掻き壊さないようにしなければいけません。

肌や手指は清潔に保ち、爪は短く切っておきましょう。また、乾燥は皮膚の状態を悪化させるため、こまめに保湿することが重要です。