禁煙きんえん

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医師監修

禁煙とは

禁煙とはタバコを吸うことに習慣がある人が、その習慣をやめる行為です。
薬物とは異なり、日本の法律では禁止されていない嗜好品です。
しかし、喫煙は健康被害をもたらします。
タバコの煙に含まれる発がん性物質が体の細胞のDNAを傷をつけることで、肺がんをはじめとするがんの代表的なリスクでもあります。たばこをやめることで、肺がんをはじめとするいくつものがんのリスクが大きく減少します。

禁煙の効果


喫煙により得られる効果に、リラックス効果があります。
しかし、このリラックス効果とは脳の中枢神経に作用を及ぼすことで覚醒作用をもたらし、血管が収縮することで脳を麻痺させることによる効果です。依存性の高い嗜好品で健康に影響を及ぼすこともあります。

喫煙の継続により、呼吸器への影響は避けることができません。
喫煙は動脈硬化を誘い、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。

喫煙は健康被害を及ぼし、たばこの煙に含まれる発がん性物質が体の細胞のDNAにキズを付けます。たばこを吸うことで、発症原因となるリスクの高い病気が呼吸器系の疾病です。

代表的な疾病が肺がんですが、肺がんは長期で喫煙することで、肺内の胸膜にタールが蓄積し、癌を引き起こします。喫煙歴と加齢による免疫力低下などが関係して、肺がんにかかることが分かっています。

禁煙ににより以下のようながんの発症リスクを抑えることができます。

●禁煙により発がんのリスクが抑えられる病気
・肺がん
・喉頭がん
・食道がん
・胃がん

タバコによる気道や肺胞の炎症で生じ、肺の働きが低下することをCOPD(慢性気管支炎、肺気腫)といいます。
COPDになると正常に呼吸することが難しくなり、せき、たん、息切れなどの症状がみられるようになります。

《健康な肺とCOPDの肺》


喫煙を継続することで、自身の体の不具合の原因となるのみではなく、近年、増加する受動喫煙による周辺に人への健康被害も報告されています。
アジア人は特に、副流煙の長期吸引により肺がんを発症するケースが多くなっているので、禁煙を実行したときに本人は元より周辺の人にとって発がんリスクや他の疾病発症リスクが急激に下がることが報告されています。

さらに金銭面でも禁煙をすることで毎日400円のたばこを1箱吸って30日で12,000円、年間144,000円の出費を抑えられる計算になり、10年でコンパクトカー1台分の節約が可能です。

健康面からも金銭面からも禁煙することでメリットがあることがわかります。

上記のように、喫煙は「百害あって一利なし」という言葉通り、身体に及ぼす影響は計り知れません。喫煙はまた、老け顔・歯周病の原因にもなります。禁煙を実行することでさまざまな病気のリスクが低下します。禁煙期間が進むにつれて非喫煙者と変わらないほどまで回復することができます。また、スモーカーズフェイスと呼ばれる老け顔にあっても、病気のリスクと同様に禁煙期間が進むにつれて改善されていきます。 このように禁煙をすることで、ある程度元の身体に回復することができるので、いまさら手遅れなどと諦めるのではなく、すぐにでも始めることです。

●禁煙すると肺がんのリスクはどれくらい下がる?
喫煙と肺がんの関係性について多種多様な研究が続けられた結果、喫煙期間、本数による影響が認められています。禁煙によって、肺がんになるリスクが喫煙し続けた場合よりも低くなるということや、肺がんのリスクは禁煙期間が5〜9年程度の頃に低下し始めることなどが報告されています。一度も喫煙経験のない人と同レベルの肺がんリスク低下には至らないものの、何歳から禁煙しても肺がんのリスクを下げることができ、禁煙スタート時の年齢が若い方がより大きな効果があるとされています。

●禁煙で肌トラブルが減少
タバコには「ベンゾピレン」をはじめとする発がん物質、タール、ニコチンなどの有害物質が大量に含まれています。タバコを吸うと有害物質が体内に入ってきてそれに対する反応で細胞内で活性酸素を大量に発生させます。そしてその活性酸素を除去するために、コラーゲンを作るのに欠かせないビタミンCなどのビタミンを消費してしまうことがわかっています。
タバコ1本につき失われるビタミンCは約25mgで、レモン半量分に当たります。推奨されているビタミンCの摂取量は1日に100mgで、イチゴなら大粒4個ほど、ピーマンなら3個ほどの量になります。喫煙者であれば非喫煙者の2倍はビタミンCを摂取したいところですが、なかなか難しいかもしれません。禁煙すれば活性酸素が大量に発生することが少なくなって、肌トラブルが減るでしょう。また、口臭や歯の着色なども予防できます。

<<禁煙による驚くべき効果>>
禁煙を難しく感じるかたも多いようですが、1年間禁煙を続けることで、以下のような大きなメリットを感じられるでしょう。
1.体力が戻る
タバコを吸うと心肺機能が低下するため、少しの運動でも息切れをしやすくなります。禁煙を1年続ける事により徐々に心肺機能も正常に戻ってくるので息切れをする事が減ってきます。
2.味覚が正常になる
喫煙者はニコチンによって味覚が落ちています。しかし禁煙を続ける事により徐々に味覚が正常に回復するため、食事が喫煙時より美味しく感じられるようになります。
3.肌荒れ・口臭の改善
血行が良くなる事で肌荒れが改善されたり、タバコのヤニによる口臭も防ぐことができます。
4.美肌を取り戻せる
加齢以外の皮膚の老化原因として、タバコの煙は紫外線に次ぐといわれるほど害があり、美容に悪影響を与えます。アメリカで行われた検証によると、双子のうち喫煙者は明らかにシワが目立ち、まぶたのたるみや法令線、血色の悪さなどにおいても非喫煙者と比べると目立つという結果が出ました。喫煙期間が長いほど、より顕著に表れるようです。禁煙することで肌に必要な潤いやハリ、透明感が戻り、喫煙していた時よりもクリアな肌になっていきます。意識の高いかたは、美容の大敵であるタバコはキッパリとやめて、なるべく煙も避けるようにしましょう。

<<胎児や子供への影響等>>
妊娠中に喫煙をすることにより、母体中の胎児の発育に影響を与えることがあります。生まれてくる新しい命のためにも、妊娠中は自分だけではなく、周りの方も副流煙を吸わせないように配慮をすることが大切です。また、お子さんが喘息やアトピーなどに悩まされている場合、お子さん自身の問題からも周囲の喫煙によって生じる副流煙の影響を考えてみてください。大人に比べて免疫力が弱い子供は、タバコを吸わない家庭に比べると、喘息になる確率が数倍に跳ね上がります。そして、女性で喫煙されている方は、タバコを吸い続けると、体内の血行不良により血流が悪くなり、しわも増え肌の老化現象の促進を促してしまいます。

禁煙できない人

嗜好品にはどのようなものでも依存性があります。
アルコールやコーヒーに含まれるカフェイン、法律で禁止されている大麻や麻薬類などにも同様に依存性がありますが、たばこは依存度が高くやめること(禁煙すること)が難しいとされています。

●なぜ禁煙が難しいの?
禁煙を考えている人、あるいは禁煙をしてもすぐ元に戻ってしまう人は、「なぜ禁煙が難しいのか」と言うことについて知っておくといいでしょう。「自分の意志が弱いから、タバコに手を出してしまう」と思い込んでしまう人もいますが、必ずしも事実であるとは言えません。タバコに含まれるニコチンを定期的に摂取したことで、ニコチン依存症になってしまい、摂取しないと不安定になってしまうケースがあるのです。依存症になってしまったら、服薬を併用した治療が日強な場合があります。依存症であると診断されると、保険適用内で禁煙外来の治療を受けられる可能性が高くなります。また、カウンセリングなどを受けることで禁煙の成功率も高くなるともいわれています。

●禁煙できない理由
・たばこの依存性はコカインに比べて高いと言われている
・麻薬類は法で規制されている、吸うこと自体が法を犯すこととなっている
・たばこは麻薬を比べて入手がかんたん。法で裁かれ刑を受けるというリスクがない。

入手がかんたんで嗜好品として法で認められた「たばこ」への依存度が高くなる。
増税により価格が上昇したとは言え、麻薬類に比べて入手価格は低いことが禁煙を妨げる原因ともなっているのです。

さらには、たばこの本数が増える原因として、経済との相関性もあり、景気悪化により不安が増大することでたばこに依存するということが多く、これも禁煙を妨げる原因となります。

●禁煙によるデメリットもある?
禁煙によるメリットは大きく、まわりの人に、タバコを吸っていな人でも肺がんになる確率が高くなってしうまう「受動喫煙」がなくなります。また喫煙をする人は自分自身で肺がんや心筋梗塞になる確率を高めてしまうので、家族全体の健康を考えると禁煙をした方がいいでしょう。一方、禁煙をした事によって口寂しくなり、間食や食事量が増えて太ってしまう人も中にはいます。また、体内にあったニコチンが減ることでイライラしてしまうこともあります。そのため、禁煙を始める際は自己管理ではなく、禁煙外来など専門の科を受診するといいでしょう。

禁煙の実行

タバコのニコチンとタールにどっぷりつかった体は、すぐに禁煙が成功するとは限りません。長年続けてきた喫煙習慣を止めるには強い意思が必要です。自分自身の強い意思はもちろんですが、それ以上に周りの協力も必要です。本人が強い意志を持とうとしても、周りの環境が誘惑となって知らず知らずのうちに襲い掛かるからです。禁煙は一人で頑張ろうとせず、周りの知人や友人達にも禁煙する旨を伝え、協力してもらうことで周りの誘惑を減らすことができます。仮に煙草を勧められたりしても、強い気持ちで断りましょう。

●禁煙の時系列での変化
禁煙を始めると体にどのような変化が起きるのでしょうか。
・禁煙直後は体内にニコチンが残っており、血管が収縮して血行不良の状態です。
・8時間ほど経つと、体内の酸素濃度が喫煙を始める前の状態に戻っており、呼吸がスムーズになります。
・3日ほど経過して、ようやく体内のニコチンが抜け喫煙により、鈍感になっていた味覚や嗅覚が正常に戻りますが、喫煙したい欲求はまだ脳内に残っています。
・2週間ほど経つと血行も良くなり、お肌の調子も良くなってきます。血行だけではなく、体全体の循環機能が正常になり、肺活量も上がります。この頃になると喫煙したい欲求はなくなり、たばこの臭いに嫌悪感を示すようになります。
・1年経つと、以前あった疲労感や息切れがなくなり、心筋梗塞、脳梗塞などの病気にかかる率も下がります。
・5〜10年で肺がんの発生率も非喫煙者とほぼ同じとなるといわれています。
ただ、いわゆるたばこ肺(COPD )に関しては、一度壊れた肺は戻りませんし、加齢とともに呼吸の機能が落ちてきます。将来人工呼吸器等を使わないですむよう、早めに禁煙をすることに越したことはありません。

●禁煙に成功したといえる基準
どこまでやれば禁煙に成功したことになるのでしょうか。タバコに依存してしまうのは、タバコに含まれるニコチンが原因です。タバコを吸うことでニコチンが肺から血中へと入り込み、脳へと達します。すると、ニコチンが切れる際に脳がニコチンを欲してもう一度タバコを吸いたいという気持ちにさせるのです。これがニコチン依存症といわれる状態です。また、普段の生活の習慣の中で吸痛くなることもあるでしょう。禁煙の成功はまずは、以下のようになれば、禁煙に成功したといえるでしょう。
・1日1本も吸わなくなること
・食後や飲み会で周りが吸っていても吸わないでいられる
・周りのタバコの煙が煙たく感じる

●禁煙を成功させるコツ
吸いたい気持ちをコントロールするには「行動パターン変更法」と「環境改善法」と「代償行動法」があります。
行動パターン変更法:洗顔・着替え・朝食などの順番を変える事です。朝起きたら一服せずに、すぐに着替えをして、朝食を摂り、洗顔に移るようにします。こうすると、たばこを吸う時間が取れなくなって、禁煙に繋がります。
環境改善法:タバコ・ライターなどの喫煙具を処分したり、禁煙していることを周囲に知らせたりすることです。そうすることで、タバコを他人から貰ったり誘惑に負けてしまう事がなくなります。
代償行動法:糖分の少ないガムを噛んだり、趣味などでタバコ以外のストレス解消法を見つけることです。喫煙していた人は口寂しくなるため、ガムなどで気を紛らわすことで禁煙に近づけます。

point 1
禁煙を始まる日にちを決めます。日にちは、覚えておける記念日きりのいい数字を選びましょう。そして、自分のタバコ習慣を思い出し、仕事の時か休日かで、本数が少ない日から始めるとよいでしょう。開始日を決めたらカレンダーに印をつけておきます。また、禁煙をする気持ちを確かめるためにも誓いを明文化して、いつでも目に付くところに貼っておきます。これならくじけそうな時に読み直せば、その時の意欲がよみがえりますし、家族がいるなら約束を守らざるを得ません。そうやって、自分の気持ちを追い込みましょう。
しかし、気持ちが折れそうな日がすぐきます。禁煙開始2~3日目から離脱症状(禁断症状)が表れます。だいたい2週間近く続きます。それも1日に吸いたいという欲求が何度も波のように押し寄せてきます。しかし、その波も3~5分の間だけです。逆に言うと、その時間だけ耐えればいいのです。その吸いたくなる場面に対して、代わりの行動をするように決めておきましょう。また、無意識のうちに吸ってしまう時は、禁煙前にほかの銘柄を吸ったりして「タバコを吸っている」意識をつけておきます。でも、禁煙を持続させるのは大変です。そんな時、禁煙の気持ちを持続させるために「禁煙補助薬」のサポートがあると随分楽にできます。薬局や薬店で購入できるので、種類や処方など専門家に相談して使用をしましょう。

point 2
時間をかけて本数を減らしていきましょう。まずは水分をこまめに摂取しましょう。常に口を動かしていると、煙草を吸う感覚から離れることができます。次に、じっとしている時間は煙草が欲しくなりますので、散歩したりして身体を動かしましょう。パチンコ屋さんなど煙草の煙が充満している場所には行かないでください。誘惑以外の何者でもありません。

point 3
こまめな歯磨きを心がけてください。食後はもっとも煙草が欲しくなる瞬間なので、食事が終わり次第、早急に歯磨きをすることで口内をキレイにしてください。自力での禁煙がどうしてもうまくいかない場合には、医者に相談して薬を処方してもらうのも良い方法です。

point 4
自身のたばこへの依存度チェックや健康診断(人間ドック)などを受けるとよいでしょう。
とくに喫煙歴が長い人は、元気そうに見えても、長期間の喫煙による血管や呼吸器などへの何らかの症状が出ていることがあります。これらは血液検査や胸部CTなどによる画像診断で分かり、様々なデータが数値化されて出ます。医師から、
現在の状況から「数年後に起り得る疾病等やそれに関するリスク」などが説明されます。最悪の場合、検査によりその場で病気が発見されることもあります。

point 5
禁煙外来を受診し、医師の指導の下で禁煙に取り組むと良いでしょう。ニコチン依存症という疾病として認められ、治療費は保険適用となっています。処方された薬を服用すると、今まで吸いたくてたまらなかったのに、簡単に吸いたい気持ちが消えてしまいます。この薬を服用し禁煙できるのであれば、今後の煙草代を考えると手頃な価格ですので一度試してみる価値はあると思います。

point 6
依存性は実は「脳のコントロール」によるものであることを知る、ということです。依存症は脳のたばこが病気を引き起こすリスクファクター(病気の危険因子)ということを知りながら、たばこを理解した上で吸うことが多いです。しかし、一度医師から病気を告げられると、意外にもそれまで依存性が強かったはずのたばこが、病気悪化への恐怖心から、一瞬にしてたばこをやめられる人が多く、依存性が実は脳のコントロールによるものであるということが分かります。危険性に直面した場合、危険を避けるように考えることが、人の脳にインプットされているからです。

<<禁断症状を乗り越える為に>>
禁煙を始めると禁断症状が表れますが、覚せい剤などの薬物による禁断症状が肉体的な苦痛を伴う死の苦しみであるのに比べて、タバコの禁断症状は、精神的なものが主で耐えられないものではありません。禁断症状の一つとして「イライラする時」は、禁煙補助パッチなどでニコチンを補給することで抑えられます。初めの1週間は頭痛や眠気が出る人もいますが、夜しっかり睡眠をとることで症状は大分抑えられます。また、散歩や軽い運動をすることで、夜の睡眠を促すことができますし、集中力の低下も背伸びやストレッチなどで解消することができます。ニコチンは脳の錯覚を起こすため、空腹を抑制していたのですが、禁煙により空腹感が起こることもあります。ガムをかむことや歯を磨くことで気分転換を図ることが大切です。
始めて2~3日がピークですが、ここを乗り切れば徐々に禁断症状も消失していくでしょう。目標を決めて記録しながら禁煙をするのがおすすめです。ダイエットのようにまず、2~3日、1週間、1か月、2か月と目標を定めていって、モチベーションを保つことが大切です。自分に合った方法で続けられるように好きなことをして吸いたい衝動が薄れるようにすることです。まずは、旅行や運動など趣味を見つけましょう。

<<禁煙による離脱症状について>>

●禁煙によるむくみは離脱症状?
禁煙をすれば健康的な体を取り戻す過程で、ニコチンが体から抜け出すために離脱症状がみられます。具体的には、喫煙したくなる、イライラして落ち着かない、集中できない、頭痛、眠気、不眠、便秘などです。むくみが出ることもありますが、その根本的な原因として
・禁煙薬の副作用
・ニコチンによる刺激がなくなり、体内の代謝に変化が起きた影響
・喫煙時の血管収縮がおさまり、血流の流れが良くなったことによる影響
・ストレスによる影響
などが考えられます。いずれにしても、禁煙によるむくみは、元の体に戻るための離脱症状といえます。

●禁煙による離脱症状で肩こりになる?
禁煙を始めると、血流の改善が起こり、肩こりが軽減するようと考えられますが、実際は肩こりがひどくなってしまうとがあります。原因としては、タバコを止めたことで、体に無駄な力が入って筋肉が緊張することや、ストレスが原因と考えられます。頭痛を伴う場合もあります。通常、禁煙を始めて1〜2週間で肩こりの症状は少しずつ治まってきます。肩こり解消法としては、ぬるめのお風呂にゆったりと浸かり、軽めのマッサージをするといいでしょう。2〜3週間で禁煙によるストレスも治まってきますので「タバコを吸ったら肩こりが治るのではないか」と考え、喫煙を再開しないようにしましょう。

●禁煙による離脱症状で鼻づまりになる?
禁煙を始めると、体内からニコチンが少しずつ抜けていきます。そのため、鼻の中の血管が広がり、鼻にもむくみが起こります。すると鼻の中が腫れた状態になるので、空気の通りが悪くなり鼻づまりが起きます。喫煙中は鼻の粘膜の血管が収縮し、鼻づまりがおさえられることがありますが、鼻の粘膜が炎症を起こし、粘膜の腫れから鼻づまりを起こすこともありますし、自律神経の乱れから血流が悪くなり鼻づまりを起こすこともあるので、再度喫煙するのはやめましょう。禁煙による鼻づまりは、時間とともに少しずつ解消されていきますので、それまでは体を温めたり、適度な運動を行って自律神経の乱れがなくして、鼻づまりを解消するといいでしょう。

●禁煙による離脱症状で起こる震え
禁煙をすることで、ニコチンが供給されずに起こる離脱症状として、小刻みに手が震える場合があります。喫煙している時はニコチンがドーパミンやセロトニンなどの快楽物質の放出を促し、依存を生み出しています。禁煙によって、ニコチンが不足することで脳がリラックスすることができず、ストレスを感じて筋肉が緊張すると考えられています。それが手の震えを発症させている可能性があります。このような症状は一般的に禁煙後2~3日がピークとなり、徐々におさまってきます。喫煙習慣の期間や量などで個人差がありますが、ニコチンの中毒は7日~10日ほどニコチンを断つことにより、脳は喫煙前と同じ状態になるといわれています。

●禁煙中に便秘や下痢になったとき
禁煙による離脱症状の一つに便秘や下痢になるといった便通の悪化があります。特に、元々便秘がちな女性は禁煙で便秘を発症しやすいようです。なぜ禁煙によって便秘や下痢が起こるかというと、タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があり腸を刺激して排便を促すため、ニコチンをとらなくなる事で排便が滞るためです。しかし、ニコチンは体にとって決して良いものではありません。食物繊維や善玉菌を増やす食材を取り入れた食事や、適度な運動などでスムーズな排便を促しましょう。また、禁煙をしたら水をこまめにとりましょう。硬い便を柔らかくしたり、ニコチンを体内から排出する効果が期待できます。そのほか、規則正しい生活を送って自律神経を整える事も大切です。禁煙による便秘に下剤を使っても根本的な解決にはなりませんので、生活環境を整えて対処しましょう。

●禁煙による咳、胸の痛みなどの症状
禁煙をすると、咳が出る、眠気、イライラをはじめとした禁煙による影響が少なからず出てくる場合があります。離脱症状には、胸の痛みもあります。離脱症状は体のニコチンがなくなって起こる現象です。ニコチンがなくなると体調がよくなり、アドレナリン・ドーパミンなどの成分が働き始めて、健康な体に近づいていきます。ニコチンが切れてからアドレナリン・ドーパミンが働き始めるまで、3日〜1カ月位です。つまり、離脱症状が出ているのは、禁煙が上手くいっている証拠です。離脱症状が出ている間は、いろんな方法で禁煙を持続させましょう。禁断症状を和らげるには、環境や生活習慣を変える方法や、ニコチンガムを処方してもらう方法、ガムや飴で代替する方法が知られています。禁断症状は3カ月程度で改善されていきます。一人で禁煙するのではなく、時には禁煙仲間を作ったり、お医者さんに相談するのも一つの方法です。

●禁煙による吐き気
禁煙による離脱症状には、吐き気も含まれます。ニコチンの影響が体から完全になくなると、徐々に不快な離脱症状は収まります。吐き気の症状には、ニコチンの離脱症状以外に、希に禁煙外来などで処方される薬によって引き起こされる場合があります。薬の副作用とニコチンの離脱症状によるものとの相乗効果で強い吐き気が現れる場合があるので、医師に症状の変化をきちんと相談しながら服用を続けることが大切です。

●禁煙による頭痛
禁煙を始めるとさまざまな禁断症状があらわれますが、その中のひとつが頭痛です。これは、毎日の喫煙が当たり前と認識されていた体が、禁煙により急にたばこのニコチンの摂取がなくなったため、緊張して頭痛を引き起こしてしまうからです。体の緊張からくる頭痛は「緊張性頭痛」といわれています。禁煙による頭痛の継続は個人差があり、2〜3日から1週間、長いと1カ月以上も続く人もいます。あまり頭痛が長引くと別の症状の可能性もあるので、専門の医師に相談しましょう。頭痛をやわらげる方法は、ストレッチや軽い運動で汗を流し、体の緊張ほぐすことです。

●禁煙による喉の痛み
通常、人間の脳内には、快感を感じる神経伝達物質のアセチルコリンという物質が分泌されますが、喫煙時にはたばこに含まれているニコチンがその快感物質の役割をしてアセチルコリンが抑えられています。禁煙によりニコチン摂取がなくなってからも、ずっと抑えられていたアセチルコリンは機能がしづらい状態が続きます。アセチルコリンが正常に機能していないと自律神経が乱れやすくなり、体調不良を呼び起こします。禁煙して1カ月を過ぎると、体内にニコチンがないことに体が慣れてきて、喉の痛みなどの体の不調も減ります。

●禁煙による肥満(あるいは痩せすぎ)
・禁煙での体型の変化
「禁煙すると太る」という話があります。しかし、現実に禁煙すると太るか痩せるかは「その人による」というのが正解といえます。「ニコチンが食欲を抑制していたから禁煙すると太る」などの諸説があり、禁煙の結果全く変わらないという人もいて、明確なことはわかっていません。この現象には個人差があり、食欲が増加しても運動量などが増えれば体重はほとんど増えないでしょう。禁煙したらまずは食事のカロリーや栄養バランス、食べるタイミングなどをシビアに管理し「非喫煙者」になった自分の身体の変化を把握し、肥満や痩せすぎなどの変化を防止することが大切です。

・体重管理など健康意識を高く
タバコを止めると太るという話を聞いたことがあるかもしれませんが、厚生労働省が公表した統計によると「喫煙者の肥満は非喫煙者のものよりも多い」という結果が出ています。そして「喫煙者は食べ過ぎや運動不足といった健康意識の低さから太ってしまう」と厚生労働省は扱っています。しかし、禁煙すると食べ物がおいしく感じて、つい食べ過ぎてしまうことがあります。また、口寂しくなり何か口に入っていないと落ち着かず、間食してしまうこともあります。食事量に気を付けるなど健康意識を持ち、体重の増加を認めたらダイエットを始めてみるといいでしょう。

・禁煙中のダイエット
禁煙中太ったことを気にしてダイエットを始めるケースも目立ちますが、「タバコを吸いたい」という強い欲求を抑えている禁煙中に、さらに食欲まで制限するのはつらいものです。そのつらさから逃れようとタバコを口にしてしまうパターンもあるため、しばらくは多少の体重増加を深刻に考えない方がいいかもしれません。どうしても気になったり、明らかに増加している場合は、野菜を中心にした健康的な食事をとりながら「しっかりと噛む」ことを意識し、間食をしたくなったらシュガーレスのガムやカロリーの低い干し昆布など、健康で低カロリーのものを口に含んで口寂しさを和らげるなど、無理のない範囲で摂取カロリーを減らしていきましょう。

・腸内環境の変化
禁煙中に太るのは、口がさみしくいろいろなものを食べるからだといわれてきましたが、スイスのチューリッヒ大学病院が発表した研究では、腸内環境が変化したことによるものではないかという説も出てきました。禁煙すると、消化分解吸収に優れたプロテオバクテリアとバクテロイデスの2種類の菌が増加します。消化吸収が上がったことで、同じ食事量でも吸収するエネルギーが増え、それが太る原因だという考え方です。この説によれば腸内環境を正常な状態に戻すことが重要で、最適なのは乳酸菌をとるということです。そのための乳酸菌の1日あたりの摂取量の目安は、1兆個以上なので「1本で乳酸菌150億個」といわれている乳酸菌飲料を、約6本という計算になります。

<<禁煙中の離脱症状の解消>>

●禁煙による離脱症状はいつまで続く?
禁煙による離脱症状とは、体の中からニコチンが抜け出すために見られるもので、頭痛、便秘、体のだるさ、眠気など体にあらわれるものの他、イライラする、落ち着かなくなる、うつ傾向になる、など精神面にも影響があります。離脱症状が起きる期間は人により違いますが、2~3日間がピーク、長くても2~3週間で消失するといわれています。この期間中にタバコが吸いたくなる方も多いですが、冷たい水や熱いお茶を飲む、深呼吸をする、軽い運動をするなどで、ストレスなく禁煙を続けていくことができます。また、禁煙グッズを上手に活用することで禁煙に成功される方もいます。最終的には強い意志が大切となりますが、周囲の方にも協力してもらって禁煙を成功させましょう。

●禁煙中の便秘解消法
喫煙者は血行が悪くなるのですが、ニコチンにより胃腸の毛細血管が収縮された状態だと、便意をもよおすことになります。そして、ニコチンは自律神経に排便を強く促す作用もあるので、日常的に喫煙をしていた人が急にニコチン摂取をやめると、今まで自律神経に刺激を与えていた物資がなくなるので、排便をうながすことがなくなり、便秘しがちです。禁煙を始めてニコチン摂取になれた体を喫煙を始める前の状態に戻すのに、2〜3週間かかるといわれています。その間ただ待つだけでなく、規則正しい食生活、適度な運動で便通がきやすいようにすることも必要です。便通に良い食物繊維、乳酸菌が含まれた食品をとることも効果的です。

●禁煙中の便秘でおならが激増した場合の解消法
禁煙を始めると、たばこによるニコチンの刺激がないので、便を出せなくなってしまい、便秘になってしまうことがあります。便秘になると、腸内環境が悪化し、悪玉菌が増えます。すると腸内の便の腐敗が進み、ガスが発生し、おならの回数が増加します。対策としては、まず、肉、魚などの動物性たんぱく質を控え、野菜中心の食生活にすることです。また、便の大部分は水分であるため、水の摂取を積極的に行うことも重要です。オリゴ糖やヨーグルトの摂取も腸内環境を整え、便通を整えるのに効果的です。

●禁煙中の離脱症状で起こるめまいの対処法
離脱症状の1つであるめまいは、体内のニコチンが急激に少なくなることによって起きます。したがって、ニコチン入りのタブレットなどの補助剤を一定の濃度体内に入れると、我慢だけの禁煙よりも楽に禁断症状を乗り切ることができます。そのほか、ニコチンの配合されたパッチを肩に貼る方法などもあります。それでもめまいが続く場合には、禁断症状以外の原因も考えられるので、医療機関に受診しましょう。

●禁煙による異常な眠気の解消法
タバコから摂取するニコチンの影響によって、喫煙者の脳では本来生成されるべき神経伝達物質であるアセチルコリンが生成されなくなっています。アセチルコリンは、脳内で覚醒作用や興奮作用を司っているため、禁煙の離脱症状である強い眠気が引き起こされます。睡眠不足による眠気に比べて、急に非常に強い眠気が襲ってきます。この場合の最も効果的な対策としては、すぐに15分程度の仮眠を取る事です。また、仮眠をとる前に興奮作用のあるカフェインをコーヒーなどから摂取しておくと、寝起きも良く、仮眠効果もさらに高まります。仮眠が出来ない場合は、ウォーキングや体操などの軽い運動を行い、脳に刺激を与えるのもおすすめです

禁煙の薬の上手な選び方・使い方

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禁煙の薬にはニコチンガム、ニコチンパッチ、バニレクリンと呼ばれる3つの薬があります。

ニコチンガムは1回につき1個をゆっくりとしたスピードで噛むことで唾液中にニコチンが放出されるような仕組みになっています。ペパーミントやマンゴーといった風味がつけられているので、好みに合わせて服用できるのが特徴です。ニコチンパッチは薄いシートを貼って、禁煙に必要なレベルのニコチンを安定的に出してくれるようになっているのが特徴です。長時間の維持が見込まれているのも特徴の一つで、服で隠せるのが魅力になっています。バニレクリンは飲み薬で、他の二つと異なっている点があります。それがニコチンを含んでいないという部分です。この薬ではニコチンを得るというタバコを吸った場合に感じる満足度を下げていくのが狙いです。

上手に選ぶ方法としては、まず自分に合った方法から選ぶことです。例えばガムが苦手であるのにもかかわらず、無理にニコチンガムを噛んでいても持続しないので、禁煙を成功させることが困難になるでしょう。ガムでは無理な場合でも飲み薬が苦ではなく続けられるのであればバニレクリンでの禁煙に成功するかもしれません。また金銭面でも違いがあったり自分の体にあった治療法もあるので、医師との相談も行っておくとよいでしょう。
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    禁煙・5日目

    私はかつては一日一箱タバコを吸うスモーカーでしたが、今ではすっかり吸わなくなりました。禁煙を決意して一発でクリアできたのは幸運でしたが、思い返してみると一番つらかったのが3日目で、5日目を超えてくるとかなり楽になってきた記憶があります。 とにかく3日目まではタバコが吸いたくてしょうがありませんでした。食事の後はもちろん、仕事の合間などふとあいた時間ができた時はタバコのことばかり考えてしまってしま…続きをみる
  • 禁煙4日目からの体の変化

    禁煙・4日目

    禁煙をしたときに一番つらかったのは3日目まででした。3日間は何が何でも煙草を吸わないように意識して、それでも吸いたくなりますので、ガムを噛んだり、お菓子を食べて脳をごまかしていました。禁煙すると太るというのは、タバコをやめることによって食事がおいしくなるからという理由もあると思いますが、タバコの代わりに食べ物を食べていることも関係あると思いました。 4日目以降はやや体がラクになり、このまま禁煙が…続きをみる
  • お肌が昔に逆戻り!禁煙のおかげで、若返りました…!

    禁煙・肌

    20年来のヘビースモーカーでしたが、身内が病気になったのをきっかけに、禁煙しようと思いました。何度か禁煙に失敗しているので、無理かなと思っていたのですが、私はきっかけがあればやめられるタイプだったらしく、決意したその日にやめることができました。 禁煙すると、まず食事が美味しくなり、少し食事量が増えて太りましたが、気になるほどではありませんでした。 それから、肌がきれいになった、と周りから言われる…続きをみる
  • 薬のいらない禁煙のツボ

    禁煙・薬

    私は、肺炎になってから禁煙をしなければならないという使命感に襲われていました。しかし、根っからのヘビースモーカーであったために中々治療することができずにいたのです。というのも、一日に三箱もタバコを吸っているヘビースモーカーが、いきなり禁煙しろと言われても非常に難しいものがあったのです。しかし、肺炎という危機的状況に陥ってから、自分がどういった立場に置かれているのかということを考えてみるとしなけれ…続きをみる
  • 1ヶ月限定で禁煙してみた

    禁煙・1ヶ月

    煙草歴は2,3年と短いですが一度だけ煙草も高いし、匂いもつくし、周りに嫌がられるし、まだ年数もそれほどだから早めに禁煙してやめてしまった方がいいだろうと考えた時期があり、1ヶ月,2ヶ月ぐらいの期間禁煙していたことがあります。 元々ヘビースモーカーではなかったので今やめてしまってもそれほどなにか変わるわけでもないだろうと思っていたのですが、1周間、2週間、3週間と日を重ねる内に段々といつも以上に苛…続きをみる
  • 禁煙効果は肌で実感!

    禁煙・効果

    タバコを止めようと思ったのは、お肌の曲がり角をとっくに過ぎた三十代に入った頃でした。 ある日ふと、少し年上で愛煙家の友人の肌を見た時、毛穴やたるみがよくわかり愕然としました。その人には大変失礼ながら、もしかしたら自分もこんな風になるのかと思い、禁煙を決意したのです。 タバコが老化を早くする原因だという事は知っていましたが、なかなか禁煙という所までいきませんでした。それが実際に目の当たりにして、よ…続きをみる
  • 禁煙期間3日目に実感

    禁煙・3日目

    タバコをやめたい人の最初の山は3日間って言われていますよね。やめたらニコチンの離脱症状がやってくるので、本当は2日目だって辛いんだけど、2日目はまだ始めたばかりだから「がんばろう」と気持ちも大きくいられるんですね。 だけど3日目には、もうタバコを吸いたくてウズウズしてきます。一日中タバコのことばっかり考えるようになってきて、頭もボーっとするし、禁煙をするにはとても大きな壁です。 なんとか辛い気持…続きをみる

禁煙に関するコラム