息切れに関する薬

薬剤師監修

息切れの薬の上手な選び方・使い方

息切れは、肺や気管あるいは気管支などの呼吸器関連に原因があるものと、心臓や血管および血液などの循環器関連に原因があるものとがあります。ここで言う息切れとは、呼吸困難または呼吸に伴って不快感や苦しさが生じる状態を言います。息を吸う時に困難を感じる吸気性と、息を吐く時に困難を感じる呼気性とがあり、息切れの原因となる病気の種類が違います。吸気性は気道の上部に異変があり、呼気性は気道の下部に異常があり、吸気呼気混合性となると気道全体または循環器や血液に異常があると予想されます。吸気性の症状では中枢気道狭窄や急性咽頭蓋炎などが疑われ、呼気性の症状では気管支喘息や細気管支炎などが疑われ、吸気呼気混合性の症状では肺炎や心不全や貧血が疑われます。それぞれ病気の種類が全く違いますので、使う薬や治療法も全く違うものになります。しかも息切れを引き起こす病気は、何十種類もあります。したがって、息切れに効く薬と言っても、具体的に提示することが困難です。ただし、市販薬で息切れを効能とするものはあり、その多くは対症療法的な薬であり、息切れを引き起こす多種多様な病気を根本的に治療するものではありません。とは言え、呼吸困難な状態を一時的にでも回復させる対症療法薬も、必要となるものです。生薬を配合した伝統的な薬に、このタイプのものがあります。

息切れの薬の副作用と注意点

息切れを引き起こす多種多様な病気を根本治療する薬となると、多岐に渡る上に医師の指示に従う服用となるため、ここでは市販薬に限って、その有効成分と副作用の危険について述べることにします。動悸息切れを効能とする市販の和漢薬調合薬では、ロクジョウ、ゴオウ、センソ、ニンジンなどの生薬を主成分とします。

ロクジョウ(鹿茸)は、鹿の袋角(生え変わり時期の幼角)を原料とするもので、強壮作用および強心作用があり、動悸や息切れを改善します。この副作用としては、胃腸障害や悪心や動悸あるいは皮膚の発疹などがあります。ゴオウ(牛黄)は、牛の胆嚢に生じる結石(胆石)で、強心作用および鎮静作用があり、動悸を改善します。副作用は特にありません。センソ(蟾酥)は、ヒキガエルの毒腺から分泌される毒物(劇薬)で、微量を用いることで強い強心作用を示します。しかし、もともとが毒物であるため注意が必要で、適量の使用であっても悪心(おしん)や嘔吐の副作用を引き起こすことがあります。ニンジン(人参)は、オタネニンジン(御種人蔘)の根を原料とするもので、強壮作用があり、副作用としては、過剰摂取により動悸や発熱やのぼせなどの血流に関係する症状があります。

息切れの薬の飲み合わせ

引き続き、動悸息切れ改善の市販薬を論点とし、これに含まれる生薬成分の飲み合わせについて、述べることににます。

ロクジョウ、ゴオウ、センソの3種は、どれもが強心作用を持つ生薬で、これら以外にもヨーロッパ原産の生薬で毒草でもあるジキタリスなども強心作用があり、ジキタリスのような強心作用を持つ別の生薬製剤と併用すると、作用が重複し、強心作用が強く出すぎて危険な状態になる場合があります。ただし、ロクジョウ、ゴオウ、センソの3種に関しては、食品との危険な飲み合わせについて、特にこれと言った報告がありません。

強壮作用のあるニンジンは、コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲料と相性が悪く、カフェインがニンジンの作用を強めることがあり、その副作用も強めます。逆に、ニンジンがカフェインの作用を強めることもあり、カフェインの副作用に注意が必要です。また、ニンジンは、注射したインスリンの作用を強めることがあり、低血糖になることで意識を失う恐れがあります。ニンジンは、インスリンに限らず糖尿病治療薬との相性が一般に悪いとされ、糖尿病患者は注意が必要になります。

和漢の生薬は、効き目が穏やかで危険が少ないと一般に思われていますが、必ずしもそうではないので、個別に確認することが必要です。
  • 薬は効果をしっかりと引き出しながら、できるだけ副作用を抑えることが大切です。使用法・用量、飲み合わせに十分注意し服用してください
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