整腸せいちょう

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腸の病気
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医師監修

整腸とは

整腸とは、食事や生活習慣・薬などで腸内環境を整えることです。下痢や便秘の悩みにより、通勤時間が苦痛・仕事や勉強に集中できないという方もいらっしゃると思います。このページでは整腸について詳しく解説していきます。

整腸作用のメカニズム


善玉菌を増やす


腸の中には多くの腸内細菌が住み着いていますが、人間に良い作用をする善玉菌と、人間に害をなす悪玉菌、どちらでもない日和見菌の3種類に分けることができます。

腸内環境の改善には、善玉菌を増やすことが重要です。

その為には、菌そのものを食べるか、菌のエサになるものを食べるかのいずれかになります。おなかに良いとされるビフィズス菌や乳酸菌は、善玉菌そのものでもあり、善玉菌のエサでもあります。

善玉菌が働くと腸内は弱酸性になり、悪玉菌にとっては住みにくい環境になります。

悪玉菌を抑制する


悪玉菌は有害な物質を作り、腸内環境を悪化させます。有害物質の中には発がん性を持つものもあり、腸が有害物質によって繰り返し傷つけられることが炎症性腸疾患や大腸がんの原因になっているとも言われています。

腸の「ぜん動運動」について


腸が縮む・緩む動作を繰り返し、食物を送り出す運動のことを「ぜん動運動」と言います。

■ ぜん動運動が上手く働かない
食物が腸内をスムーズに移動しているときは、肛門にたどり着いた時点で水分が残っており、柔らかい便として容易に出すことができます。

しかし、ぜん動運動が滞ると、腸内に長い時間食物が滞在し、水分がどんどん吸収されてカチカチになり、便やガスが腸内で立ち往生して「便秘」になってしまいます。

■ ぜん動運動が過剰に働きすぎてしまう
逆にぜん動運動が過剰になると、水分を十分に吸収されないまま便を排泄してしまい「下痢」の状態になります

腸内環境が乱れる原因


食生活の乱れ


野菜不足で油ものが多い、偏りがちな食事をしている人は腸内の悪玉菌が多い状態になっている傾向にあります。悪玉菌が増えると腸の働きが鈍って便秘になります。

ストレス・睡眠不足


ストレスや睡眠不足により腸の動きを調節する自律神経のバランスが崩れ、ぜん動運動が異常になります。ストレスが善玉菌の割合を減らすこともあります。

運動不足


運動不足は筋力低下につながり、排便に必要な腹筋の力が弱くなることで便秘につながります。便秘は悪玉菌の繁殖を助け、腸内環境が悪化する悪循環となります。運動不足は自律神経の不調も招きます。

抗生物質の服用


抗生物質を使用すると、薬の作用で善玉菌まで死んでしまい、腸内細菌のバランスが変化します。

整腸作用に効果的な「乳酸菌」

効果



乳酸菌は、糖を消化して乳酸を生み出すことのできる細菌の総称で、人間の腸内に存在する善玉菌の一種です。

腸内で乳酸菌が働くことによって腸内を弱酸性の状態に保ち、正常な腸内環境にすることができます。ビフィズス菌も乳酸を作り出すため、乳酸菌の一種として扱われることもありますが、厳密には異なります。

乳酸菌の種類


乳酸菌入りの食品には生菌タイプと殺菌タイプがあります。

■ 生菌タイプ
製品の中で菌は生きていますが、胃酸などで腸に届く前に死んでしまう菌も多いと思われます。菌の種類によっては胃酸に強いものもありますし、特殊な加工をすることで生きたまま腸に菌が届くとしている製品もあります。

■ 殺菌タイプ
製造過程で加熱などにより乳酸菌は死んでいますが、腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌の繁殖を助けます。

乳酸菌が含まれる食材





おすすめの食材



  • ヨーグルト

  • 牛乳

  • ぬか漬け

  • チーズ

  • キムチ





腸に効果的なヨーグルトの食べ方



様々な菌をもつヨーグルトが市販されていますが、個人によって合う菌の種類は異なると思われます。様々な菌株を含む商品を試してみて、体調改善を実感できるものを探しましょう。

整腸作用に効果的な「オリゴ糖」

効果



オリゴ糖は善玉菌のエサとなります。

また、オリゴ糖は水分を含む性質があり、便のかさを増します。腸のぜん動運動が起こるためにはある程度の便の量があって腸の壁を刺激する必要があります。便のかさが増えれば排便をスムーズにさせる効果が期待できます。

熱にも強く、市販されているオリゴ糖のシロップや粉末は料理に混ぜて摂取することが可能です。

オリゴ糖が含まれる食材





おすすめの食材



  • きな粉

  • 甜菜

  • 甘酒

  • 豆類



整腸作用に効果的な「水溶性食物繊維」

効果



水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなる作用もありますし、便に粘り気を持たせ腸内を移動するスピードを調節します。

水溶性食物繊維が含まれる食材





<野菜、根菜類>



  • ごぼう

  • オクラ

  • ピーマン

  • キャベツ

  • こんにゃく

  • 山芋

  • ジャガイモ

  • <果物類>


  • りんご

  • バナナ


  • みかん


  • <豆類>


  • 納豆

  • <海藻類>


  • ひじき





水溶性食物繊維を使った料理





おすすめのメニュー



  • チンジャオ・ロース

  • レバニラ炒め

  • 野菜炒め

  • カレー

  • お吸い物

  • すき焼き





食物繊維の豊富なりんご



■ 2種類の食物繊維
りんごには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がたっぷりと含まれています。
中でも、ペクチンという水溶性食物繊維は善玉菌を増やし、便通を整える効果があります。

また便秘や老廃物がたまる原因となる悪玉菌を抑制する効果もあります。

■ りんごの効果的な食べ方
・皮ごと食べる
ペクチンは皮付近に多く含まれますので、皮ごと食べるのがおすすめです。

・すりおろす
すりおろすことで消化しやすくなります。

・温める
食べやすい大きさにカットしたりんごを、少しレンジで温め「ホットりんご」にすると、ペクチンがペクチンオリゴ糖に変化し、さらに整腸効果も高まりますので、ぜひお試しください。

整腸作用に効果的な「不溶性食物繊維」

効果



体内で水分を吸収することでかさが増します。 便の量を増やし、ぜん動運動を促します。

食材によっては水溶性、不溶性の両方の食物繊維を含むものもあります。

不溶性食物繊維が含まれる食材





おすすめの食材



  • キノコ類

  • イモ類

  • いんげん豆

  • ひよこ豆

  • あずき

  • おから

  • 玄米

  • ブラン



下痢や軟便時の食事方法


控える食べ物


・辛いもの、アルコールなどの刺激物
・脂っこいもの
・硬いもの

摂取したい食べ物


下痢の時には、無理に食べる必要はなく水分摂取に重点を置いてください。食欲がある場合は、温かく消化の良いものを食べましょう。

以下はレトルトやフリーズドライ、冷凍食品として購入できますので、いざというときのためにストックしておくのもよいでしょう。



下痢や軟便時におすすめのメニュー



  • おかゆ

  • 煮込みうどん

  • 野菜スープ

  • コンソメスープ




消化に良いたんぱく質の食べ物



良質のたんぱく質が摂れ、消化に良い食品の例が「豆腐」です。

豆腐の味噌汁は、胃腸を温める効果もあり、適度な塩分もあるため下痢で失われがちな電解質も補うことができ、おすすめです。

症状が改善し食欲が回復した時の食べ物



おすすめの食材は、白身魚・鶏のササミ・卵です。

ヨーグルトも善玉菌を補給することができるので、下痢の時に摂りたい食品です。

整腸作用のある体操&マッサージ


整腸作用のある体操


■ ステップ1
両膝を立て仰向けに寝る

■ ステップ2
お腹に両手をあて、そのままの状態で、へそを見る様に頭を上げる

■ ステップ3
腹筋に力がはいっていることを感じたら、その姿勢を10秒程度保つ

■ ステップ4
上の1~3の動きを、7~10回繰り返す

■ ステップ5
膝を立て、寝たままの姿勢で両手を広げて、息を吐きながら腰を上げ、その姿勢を15秒程度保つ

■ ステップ6
腰を下ろし、立てた両膝を揃えて左右どちらかに倒す。その姿勢を15秒程度保つ

■ ステップ7
自然な呼吸を意識しながら、上の5~6を交互に7~10回行う


整腸作用のあるマッサージ


■ 「の」の字マッサージ
右下→右上→左上→左下→肛門とつながる大腸をなぞるように、お腹に「の」の字を書いてマッサージします。

整腸の薬の上手な選び方・使い方

詳細をみる
整腸薬は、基本的に乳酸菌を中心にしつつ、必要に応じて納豆菌や生薬などを追加した保健薬の一種です。病気の時に飲む治療薬と違い、健康であっても毎日飲み続ける健康維持のための薬です。便秘や軟便になりやすい状態を解消し、正常な腸内環境を整えることを目的とします。腸内では腐敗菌や病原菌(悪玉菌)の増殖があると健康を損ねますので、害がないだけでなく有効性もある乳酸菌や納豆菌(善玉菌)の健全な増殖をこの薬によって狙います。整腸薬に含まれる乳酸菌は、死んだ乳酸菌でもその成分により弱いながらも一定の効果がありますが、生きていることが望まれます。乳酸菌が生きたまま腸に届くためには、胃酸に強い種類の菌が用いられているか、胃酸から守るマイクロカプセルに乳酸菌が封入されている必要がありますので、この点を確認する必要があります。ただし、整腸薬の有効性および相性には個人差があり、体質により多少の副作用も見られますので、自分に合ったものを選ぶ必要もあり、試してみないと分からない面もあります。整腸薬の成分は、医薬品各社によって相当の違いがあり、どれが自分に合っているのか事前に判断することは難しいですが、それぞれの製品の説明をよく読み、良さそうに思えるものを実際に試してみることになります。
  • このコーナーは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
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