胃腸障害に関する薬

薬剤師監修

胃腸障害の薬の上手な選び方・使い方

ドラッグストアの胃腸薬の棚には数多くの薬が並んでいますが、胃腸障害の薬は大きく2種類に分類されます。ひとつは症状に的を絞った薬剤です。胃痛や胃のもたれ、あるいは胸やけ、腹部膨満感といった症状がはっきり自覚できる場合は、このタイプの胃腸薬が合っていますので各症状に合わせて薬を選びます。ただし、胃酸過多であるのに胃酸の分泌を促進させる胃腸薬を選ぶと逆効果です。この場合は制酸薬を選ぶ必要があります。購入前にその薬の適用症状をよく読み、わからない場合は薬剤師に尋ねるなどして、自分に合った薬を探さなければなりません。

適用される症状と異なる薬を選んでしまうと、治らないだけでなく副作用の危険もありますので注意が必要です。症状に合った薬を選べば効果的に症状を改善することができます。二つ目は総合的な胃腸薬です。胃部の不快感をはじめ、様々な症状を併せ持つ場合は総合的な胃腸薬が良いでしょう。数種類の成分が組み合わされた配合薬ですので、全体的に幅広く症状を緩和します。また、胃腸薬はその性質により飲むタイミングが異なりますので、正しい服用が大切です。食前の服用が定められている胃腸薬では食事前30分以内に飲み、食後に定められている場合は食後30分以内に服用します。

胃腸障害の薬の副作用と注意点

ドラッグストアで手軽に購入できる胃腸障害の薬ですが、その副作用については見逃されがちかもしれません。胃腸障害の薬は、成分としてプロトンポンプ阻害薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬を含み、これらの成分が胃酸の分泌を抑制します。胃酸過多のために胃炎や胃潰瘍を起こしている場合に効き目を発揮します。しかし胃腸薬を長期にわたって服用することで、骨粗しょう症を発症し、骨折を起こす確率が高くなるという報告があります。さらに胃腸薬を飲み続けることにより、胃腸本来の働きである胃酸の適切な分泌が損なわれてしまいます。また、胃腸障害の薬の多くがアルミニウムを含有しますが、アルミニウムの脳への作用が懸念されています。胃腸薬を長期間服用した場合、アルツハイマー型認知症を発症する確率が高まるという研究報告もあります。胃腸薬はこのアルミニウムの他に、ナトリウムやカルシウム、マグネシウム等を含みますが、腎臓の働きが弱っている場合、これらの成分の余剰分が排出されずに蓄積され、腎障害をさらに悪化させる恐れがあります。腎疾患を発症していない場合でも、高齢者は腎機能が落ちていますので、たかが胃腸薬とは考えず服用の際には注意する必要があるでしょう。

胃腸障害の薬の飲み合わせ

胃腸障害の薬を服用後、薬が直ちに効くわけではありません。薬の成分はいったん小腸で吸収されたのち、血液によって胃の粘膜まで運搬され、効き目を現します。そのため胃腸薬と他の薬、あるいは胃腸薬と食品が、胃の中で互いの働きを阻害する場合があります。

以下、飲み合わせが悪い薬と食品を紹介します。まず抗生物質と胃腸薬では、抗生物質の効き目が悪くなります。鼻炎薬と胃腸薬では、鼻炎薬に含まれる抗ヒスタミン剤と胃腸薬の鎮痛鎮痙成分が同じ働きをするために、作用が強くなりすぎます。併用した場合、口渇感や便秘といった副作用が出る場合があるでしょう。炭酸飲料と胃腸薬を同時に服用した場合は、胃腸薬に含まれる制酸作用の効き目が悪くなります。胃酸を中和する目的の胃腸薬が、炭酸を優先的に中和してしまうからです。牛乳と胃腸薬の併用もよくありません。牛乳に含まれるカルシウムが胃に膜を張ってしまうため、胃腸薬がもつ胃粘膜を保護する働きが阻害されます。カフェインを含む飲料と胃腸薬も悪い飲み合わせです。胃腸薬がカフェインの排出を妨げるためんい、体内のカフェイン濃度が高くなり、人によっては心拍数が極度に上昇したり睡眠障害を起こします。
  • 薬は効果をしっかりと引き出しながら、できるだけ副作用を抑えることが大切です。使用法・用量、飲み合わせに十分注意し服用してください
  • 専門家の皆様へ。薬の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください
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