胃酸過多に関する薬

薬剤師監修

胃酸過多の薬の上手な選び方・使い方

胃薬は大きく分けて7種類あり、またそれぞれの種類の中でも薬が複数あります。多くの胃薬の中で、胃酸過多の症状の際に効果的なものと、逆に飲むべきではないものがありますので、分からなければ薬剤師さんに相談すればよいのですが、ご自身でも基礎知識を付けておくことは大切です。

胃薬には、胃の粘液の分泌を高める胃運動機能改善剤、荒れた粘膜を修復したり、胃酸を中和したりする粘膜修復・制酸剤、胃の働きを高める健胃剤、消化を助ける消化剤、胃の痛みを抑える鎮痛鎮痙剤、出過ぎてしまった胃酸を抑える酸分泌抑制剤、そして様々な症状に対応する総合胃腸薬があります。この中でも、胃酸過多の際に効果を発揮するものは、H2ブロッカーやPPI(医師の処方箋が必要)などの酸分泌抑制剤です。胃酸過多により胃の痛みが生じている場合は鎮痛鎮痙剤という選択肢もありますし、酸分泌抑制剤よりも効果は強くはありませんが、粘膜修復・制酸剤という選択肢もあります。その中から市販で買うことができる胃薬を服用し、様子をみます。それでも症状が収まらないと感じた場合は消化器専門のクリニックへ受診します。胃酸の分泌状況に応じて薬が処方されますが、最近はH2ブロッカーよりも高い酸分泌抑制効果のあるPPIを処方されるケースが最近では多くなっています。

胃酸過多の薬の副作用と注意点

胃酸過多の症状に効果的な胃薬の一つがH2ブロッカーになりますが、服用する前に知っておきたい注意点があります。

2015年4月に日本老年医学会から発表された「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」に、H2ブロッカーについて、すべての種類のH2ブロッカーを高齢者は服用するべきではないと記載されました。その理由には、H2ブロッカーには認知機能の低下やせん妄の副作用が懸念されるため、と説明されています。では高齢者の方はH2ブロッカーの代わりに何を飲めばいいのかに関しては、PPIが推奨されています。

H2ブロッカーは、心臓への異常を来たす可能性もあります。これは、ヒスタミンH2受容体が心臓の筋肉にも存在するためです。したがって、心臓病の患者さんがH2ブロッカーを服用してはいけないことになっています。また、低血圧、下痢、めまいなども副作用として報告されています。

PPIはH2ブロッカーよりも効果が高いですが、副作用はより少なくなっており、病院ではH2ブロッカーよりもPPIを第一選択薬として処方されることが最近では一般的になりました。PPIによる副作用で代表的なものは下痢ですが、万が一PPIを服用中に下痢の症状が出た場合は服用を止めることで大半はすぐに収まります。

胃酸過多の薬の飲み合わせ

様々な薬を多剤併用する場合には、必ず相互作用を確認する必要があります。薬によっては、一緒に服用することで効果が増強されてしまい、より副作用のリスクが高まってしまうことがあるためです。

H2ブロッカーの中でも、飲み合わせの問題が起きやすいものとそうでないものがありますので、服用前に、他に併用している薬がある場合は薬剤師さんに必ず相談するようにします。もし併用している薬が多い場合は病院で医師の診察を受けて服用する胃薬を決める方が安全です。

胃薬はH2ブロッカーだけでなく、先述の通り、複数の種類があります。症状に合わせて、酸分泌抑制剤と粘膜修復・制酸剤を併用したり、胃運動機能改善剤と併用したり、様々なケースがありますが、H2ブロッカーとPPIは作用機序が似ていることもあり、併用は一般的には推奨されません。病院では、胃酸過多にはPPIの効果が高いため、他剤を併用する必要性がなく、PPIのみを服用するよう指示されている方も多くいます。

たくさんの種類の薬を病院に行かずとも購入することができるようになりましたが、服用を急がず、胃酸過多によりどんな症状が出ているのか、胃酸過多の症状の程度はどうなのか、他剤との飲み合わせなどを十分に確認した上で飲むべき薬を判断することが大切です。
  • 薬は効果をしっかりと引き出しながら、できるだけ副作用を抑えることが大切です。使用法・用量、飲み合わせに十分注意し服用してください
  • 専門家の皆様へ。薬の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください
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