【産婦人科医の妊活コラム】Vol.11: 【妊活の検査2】ホルモンをチェックしましょう!

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医師:樽井 智子

今回はホルモン検査について

妊活のためにクリニックを受診した際に、女性が受ける検査には、様々なものがあります。
主な検査として、ホルモン検査、経膣超音波検査、そして子宮卵管造影検査、が挙げられます。その中から、今回はホルモン検査について、お話したいと思います。

妊活に関係するホルモンとは・・・?

一口にホルモン、といいますが、女性の月経や妊娠を司るホルモンは、複数あり、それぞれ分泌される場所とその作用が異なります。
月経が不規則だったり基礎体温に問題がある場合はもちろんのこと、月経周期が規則的で基礎体温も問題がない場合でも、月経周期の各時期で、ホルモン値を測定しておくことはとても重要です。

一般に、月経周期に合わせて以下のホルモン値を測定します。
•黄体化ホルモン(LH)
•卵胞刺激ホルモン (FSH)
•プロラクチン(PRL)
•エストロゲン (卵胞ホルモン、エストラジオールE2)
•プロゲステロン (黄体ホルモンP)
•甲状腺ホルモン(TSH、T3、T4)


女性の月経周期は、視床下部下垂体卵巣から分泌されるホルモンが、お互いのホルモン分泌に関与する、いわゆる「フィードバック機構」によって起こります。月経周期に合わせて、これらのホルモンがバランスよく分泌されています。これらのどれか一つでも上手に分泌されないと、このバランスが崩れ、月経が不順になったり、不妊の原因になることがあります。

卵巣に作用する下垂体ホルモン

まず、脳の下垂体という場所から分泌されるホルモン(下垂体ホルモン)を見てみましょう。

卵胞刺激ホルモン(FSH);卵胞の発育を促します。
黄体化ホルモン(LH);発育した卵胞から卵子を排卵させ、排卵後の卵胞を黄体化させ、黄体ホルモンの分泌を促します。
プロラクチン(PRL);乳汁分泌に関わり、高値だと、卵胞が発育しなくなります。

月経期(月経出血がある時期)に、これらのホルモン値を測定します。
これらのホルモンは、卵巣に作用し、卵胞の発育や、卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)分泌に作用します

月経期における正常値は 、FSH(5.2〜14.4 mIU/ML)、LH(1.8〜7.0 mIU/ml)ですが、不妊に悩む人の中には、これらFSHやLHの値が20 mIU/ml以上と、高い人がいます。
これは、卵巣で卵胞の発育が少ない・ないために、卵巣からの女性ホルモン(E2, P)分泌が少なくなっていて、卵巣をより強く刺激して卵胞発育を促そうとすることで脳下垂体からのホルモン(FSH,LH)の分泌が多くなるために起きていると考えられます。

ホルモン値は、適時適量がとても大切!

FSHの異常高値は、卵胞の発育を促さず、逆に卵胞の発育を妨げてしまいます
このようなホルモン状態の時、 女性ホルモン(エストラジオール;E2)を外部から投与すると、脳からのFSHが下がり、 卵巣での卵胞発育環境を改善します。

次回は、卵巣から分泌される女性ホルモンを中心にお話したいと思います。

~医師:樽井 智子~

樽井 智子Tomoko Kaneko-Tarui, M.D., Ph.D.

1971年生まれ、産婦人科専門医。医学博士。元ハーバード大学医学部・マサチューセッツ総合病院産婦人科講師。
2015年4月より、『事実に基づいた妊活に関する正しい情報を分かりやすく伝えていく』をテーマに、オンライン講座『樽井智子の妊活講座』を開講し、心身を健康にする妊活指導を行っている。
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