【産婦人科医の妊活コラム】Vol.14: 【妊活の検査5】治療を兼ねた検査?子宮卵管造影検査

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
執筆者画像

医師:樽井 智子

前5回に渡って妊活女性が受ける主な検査のお話をしてきました。今回は、子宮卵管造影検査について、解説していきたいと思います。

子宮卵管造影検査で何が分かるの?

子宮卵管造影検査では、

●子宮の状態 
 ・子宮の中の状態はどうか?
  (子宮内膜ポリープや子宮筋腫などの有無)
 ・子宮の形はどうか?
  (子宮奇形の有無など)

●卵管の状態
 ・卵管は狭くなっていないか?
  (卵管狭窄の有無)
 ・卵管がきちんと通っているか?
  (卵管閉塞の有無)
 ・狭窄、閉塞がある場合はその位置は?
  (狭窄、閉塞部位の確認)

●腹腔内の状態
 ・腹腔内(お腹の中)に、癒着(くっついている)部分はないか?
 ・腹腔内に何かある場合は、そのおよその場所と大きさ

といった事が、わかります。特に、卵管通過の有無を確認する事は、妊活での治療方針を決めていく上でとても重要ですので、早めに受けていただきたい検査の一つです。

検査は月経終了から排卵までの時期に

検査はレントゲン透視下で行いますので、一定量の被曝を伴います。そのため、この検査は、月経が終わってから排卵までの時期に、妊娠の可能性がない状態で行います。 万一にも、胎児が被曝する危険を避けるために、検査までの間は必ず避妊をして、妊娠していない状態で検査を受けて下さい。

検査は痛みを伴うの?

卵管が細い場合(卵管狭窄)や、卵管が詰まっている場合(卵管閉塞)は、検査時に痛みを感じる方が多い検査です。その一方、軽い生理痛の様な痛み以外に、特に問題なく終わる方も、多くいらっしゃり、その痛みには個人差があります。検査中、我慢できない痛みがある場合は、その場で動かずに、検査担当者にその旨を伝えるようにしましょう。

検査は具体的にどのように進むの?

まず経腟的に、子宮内に風船のついた管を入れ、風船を子宮腔内で膨らませます。この時点で、下腹部に違和感や軽い生理通のような痛みを感じることが多いようです。その後、その管からレントゲン透視下で白くうつる造影剤をゆっくりと注入していきます。

特に異常がない場合は、造影剤は、まず子宮の内腔に充満し、その後両側の卵管を通り、卵管采(らんかんさい)と呼ばれる卵管の先端から腹腔内に流れ出す様子が見られます。そして検査2日目には、 さらに腹部単純X線写真を一枚とり、造影剤が腹腔内に均一に拡散しているかを確認します。それにより、腹腔内の癒着の有無が、大体分かります。

検査を受けてはいけない人は?

・妊娠している可能性のある方
・ヨードアレルギー、またはその疑いがある方
・重篤な甲状腺疾患をお持ちの方

上記に該当する方は、 この検査を受けていただく事ができません。

検査と治療を兼ねて、一石二鳥?

卵管に狭窄や軽い閉塞がある場合、造影剤の注入によって、卵管が広げられることにより、狭窄が解除されたり、閉塞部が開通することが、よくあります。そのため、検査中、多少の痛みがあっても、我慢できる程度の場合は、治療を兼ね、そのまま検査を継続することが多いです。実際に、この検査の後6ヶ月は、妊娠しやすくなるという報告もあります。

子供が欲しいと思う方は、怖がらずに検査を受けていただきたいと思います。

~医師:樽井 智子~

樽井 智子Tomoko Kaneko-Tarui, M.D., Ph.D.

1971年生まれ、産婦人科専門医。医学博士。元ハーバード大学医学部・マサチューセッツ総合病院産婦人科講師。
2015年4月より、『事実に基づいた妊活に関する正しい情報を分かりやすく伝えていく』をテーマに、オンライン講座『樽井智子の妊活講座』を開講し、心身を健康にする妊活指導を行っている。
  • このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
  • ユーザーの皆様へ:病気や症状について相談したい方は、こちらからご登録をお願いします
  • 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連キーワード

キーワード一覧へ

連載バックナンバー

産婦人科医 樽井先生伝授「正しく知ろう"妊活"!」

  1. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.1: 卵子は老化する。妊活は先送りしないで! 2014/10/22
  2. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.2: 授かりやすい身体の作り方~その1 2014/10/31
  3. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.3: 授かりやすい身体の作り方~その2 2014/11/14
  4. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.4: まずは、基礎体温表をつけてみましょう 2014/12/01
  5. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.5: 基礎体温表を読んで、タイミングを取ってみよう! 2014/12/25
  6. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.6: 産婦人科・不妊専門クリニックを受診する目安は? 2015/01/15
  7. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.7: 《番外編》婚活、妊活、そして卵活? 2015/02/02
  8. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.8: あなたの妊活知識をチェック! 2015/03/02
  9. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.9: 不妊クリニックでの検査の流れ 2015/03/19
  10. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.10: 【妊活の検査1】まずは精液検査を受けましょう! 2015/04/23
  11. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.11: 【妊活の検査2】ホルモンをチェックしましょう! 2015/05/26
  12. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.12: 【妊活の検査3】卵巣から分泌される女性ホルモン! 2015/06/11
  13. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.13: 【妊活の検査4】 超音波で身体の中をチェック! 経腟超音波検査 2015/07/30
  14. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.14: 【妊活の検査5】治療を兼ねた検査?子宮卵管造影検査 2015/09/10
  15. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.15:【妊活の検査6】自分の卵巣年齢は? 抗ミュラー管ホルモン検査AMH 2016/01/22
  16. 【産婦人科医の妊活コラム】Vol.16:妊活には、周囲の人がみんなで禁煙することが大切! 2016/02/24
医師に相談する

朝9:00〜夜24:00まで専属医師がスタンバイ中。平均30分で回答が来ます。詳しく見る

関連するコンテンツ