【目からウロコのお悩み相談室 vol.11】男が語る女房編

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家族カウンセラー・エッセイスト・評論家:宮本 まき子

こんにちは、家族カウンセラーの宮本まき子です。先回は夫婦編の「女が語る亭主編」でした。今回は「男が語る女房編」。ただし、女子会でてんこ盛りの亭主グチが出るのとちがって、男の女房グチは深く潜行し、酒の席でしか浮上してこないのが残念であります。

男が語る女房編

数年前に大阪駅近辺で偶然に見かけた詠み人知らずの川柳は「愛の巣も10年たてば蜂の巣だ」。明らかに男性の筆による名作。結婚は恋愛の領収書ではなかったことを思い知らされる10年目だったのでしょう。


Q:優しくて、明るくて、笑顔がよくて、僕や僕の家族をよく手助けしてくれた。この女性と夫婦になれば毎日楽しく、家のこともまかせて仕事に専念できそうと確信して10年。女房はパートと趣味の習い事に出かけて、子どものいない家の中は火が消えたような静けさ。顔をあわせても必要最低限の会話だけで、笑顔は外面用。惣菜はスーパーで買い、家事は手抜き。女はどうしてこんなに変われるのだろうか。

A:以前「結婚講座」なるものを主催したさい、男女の「結婚生活イメージ」に大きなズレがありました。例えば「結婚一週間目の朝、めざめたときの伴侶は…」を想像させると、ほとんどの男性が「キッチンで俺の朝ごはんをつくっている」。ところが女性だと「おはようと髪をなでてくれる」「朝日を浴びながらモーニングコーヒーで談笑」など、「2人でいっしょに」のイメージが続出。

おそらく夫が「オレを最優先に、オレのやりたいように」のオレオレ行動をとるたびに妻は「置いてきぼり、無視されている」といった小さな幻滅を味わい、それが10年分積み立てられたというわけです。「最初が肝心」と亭主関白風を吹かせる人もいますが逆効果。女だけが変わったのではなく、「ふたりの生活」を作りそびれたのです。率直に話し合って軌道修正、一からやりなおしましょう。


Q:新婚当初は「DINKSでスタイリッシュにいこう」と言っていたキャリアウーマンの女房は、偶然できてしまった子を出産してから「こども命」に大変身。子ども優先、子ども中心で、亭主は目に入らないようです。添い寝だからとセックス拒否され、いじけています。赤ん坊と張り合うなんて大人げないけど、女房はまず、亭主の配偶者であるべきかと…。

A:妊娠中と授乳中の妻は身体優先でストレス回避のために本能的に心を休ませています。無理をしいることと「重大な決断」を迫るのはいけないというのが、多くの専門家の意見です。夫にとって「通常ではない」といぶかる言動は妊娠ホルモンや子育てホルモンのなせる業。人間も哺乳類だと再確認しましょう。とどのつまりは育児以外に気をまわす心の余裕がないのです。

思考力はともかく、記憶力はバッチリあるので、この時期の夫の「心ない言動」は保存され、ことあるごとに夫婦ゲンカの要因に。いまはゴロニャンと甘えるより、「俺はイクメン、女房の最強の応援団」のイメージをうえつけることです。老後もラブラブのケースの多くが、この時期に一致協力しあえた夫婦というデータもあります。


Q:盆暮れと実家に里帰りする習慣がありますが、妻は新婚の翌年だけ同道して、最近は「あなたと子どもだけで行って」としょっちゅう顔をあわせているはずの自分の実家の方に骨休めしに行きます。いまの時代に「嫁役割」を強制する気はありませんが、多少でもネコかぶって夫のメンツを保ってくれる気づかいしてくれてもいいのでは。

A:10年前に40歳既婚、子持ち女性100人を対象にアンケートをしたら、ほぼ全員が「自分にとっての家族は原家族(実家)+子ども+夫」との答え。夫の家の姓になっても、心の故郷は「実家」というのがホンネです。その人たちがすでに姑世代。嫁が里帰りを選びたがるのは当然と納得しているでしょう。

その姑世代のホンネも「息子と孫に会いたい」ですから、実はオアイコなのです。嫁役割を期待されてエプロンつけててんてこ舞いになる盆暮れの台所ではないところで、一族郎党、和気あいあいとできるイベントを企画すべし。ネコかぶって爪をたてている人のほうがよほどオソロシイ。人間、「正直」は得難い長所であります。

まき子おばちゃまからの伝言

海外の赴任地から毎日、妻に一枚の絵ハガキを出し続けた友人がいます。ファックスもあるし、メールも出始めた時期にあえて絵葉書にこだわったのは、一文字一文字に思いをこめて書けるから。たくさん書けた日は「元気」、一行しか書けなかったときは「バテてるか、メゲてる」と心のバロメータにしていたらしい。

日本にいても子どもたちや親の世話で忙しい妻からは電話以外の返事はなかったけど、「一生懸命にアピールしてんだぜ」。2000通のラブレターの束は妻の至宝になっているはずである。

~家族カウンセラー・エッセイスト・評論家:宮本 まき子~

宮本 まき子Miyamoto Makiko

津田塾大学アメリカ研究科卒業後カウンセリングを学び、主婦の友社の電話相談室創設メンバーとなり22年間勤務。出産、育児、結婚、離婚、親子問題、家族問題のカウンセラー、講演講座の講師として活躍。1999(平成11)年より国立山梨大学非常勤講師。新聞や雑誌への執筆、テレビのコメンテーターとしても活動、「団塊世代の孫育てのススメ(中央法規出版)」「輝ける熟年」(東京新聞)」「自分も幸せになる『姑道』十ヵ条(PHP研究所)」「熟年離婚より孫育て(東京新聞出版局)」など著書多数。団塊世代女性のエスプリが効いた代弁者。
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