【産婦人科医の妊活コラム】Vol.16:妊活には、周囲の人がみんなで禁煙することが大切!

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医師:樽井 智子

こんにちは。産婦人科専門医の樽井智子です。
正しく知ろう妊活、今回は『妊活と禁煙』についてお話していきたいと思います。

タバコ1本で14.4分、一箱で4時間48分も寿命が縮まる!

妊活を考えている人、健康に気をつけている方は、タバコによる健康への害についてよくご存知の事と思います。

タバコは、心疾患や癌、慢性的な肺疾患などを引き起こすこと、そして喫煙者は非喫煙者に比べ寿命も約10年短いことが知られております。
これを、1日20本、50年間吸ったとして計算すると、実にタバコ1本吸うたびに、寿命が14.4分、1箱でなんと4時間48分も、短くなる計算です。

忙しい生活を送っている皆さんには、喫煙で失う時間の大きさを実感していただけると思います。

副流煙の方が、より有害物質を多く含んでいる

タバコの煙には、ニコチンやタール、一酸化炭素を含む多くの有害な化学物質、約70種の発がん物質、約200種の有害物質が含まれています。そしてこれらの有害物質は、喫煙者が直接吸う煙にくらべ、副流煙の方により多く含まれていることが知られています。

平成23年の調査によると、日本での喫煙率は20.1%(男性で約32%、女性の約10%)、喫煙人口は約2,200万人と、日本の喫煙人口は決して小さくありません。

妊娠中の喫煙・受動喫煙が与える悪影響


妊娠中の喫煙には、様々な悪影響があります。
早産のリスクを上昇させ、胎児の発育を妨げ(低出生体重児)、乳児死亡や一部の先天性異常の発生率を上昇させます。胎児の脳にも悪影響を与えるなど、生まれてくる子どもにさまざまな悪影響を及ぼします。さらに、出生後の乳幼児突然死症候群のリスクも上昇します。

これらのリスクは、母親自身の喫煙だけでなく、受動喫煙(喫煙により生じた副流煙や呼出煙を吸入すること)によっても上昇します。

喫煙は、妊活にも悪影響を与える

それでは妊活中の喫煙は、 どのような影響を与えるのでしょうか?
自然妊娠と体外受精などの治療の、どちらにおいても、喫煙者は、男性、女性共に妊娠率が低下する事が知られています。

さらに、最近発表された研究では、受動喫煙している女性が不妊である確率は、受動喫煙のない女性に比べて18%も高かった事が明らかとなりました。受動喫煙も、妊活に悪影響を与えるのです。

今妊活中の男女、そして今後子どもが欲しいと考える方がタバコを吸っていられるのであれば、まずは禁煙することを強くお勧めします。

みんなで禁煙し、受動喫煙を避ける努力が必要

子ども、家族、周囲の人が皆で健康に暮らすためには、皆で禁煙することが必要になってきます。

今度、禁煙へのサポートが充実させ、喫煙の危険性についての理解がより深まることで、不必要な受動喫煙による健康被害が広がらないように、対策を社会全体で進めていく必要があります。

「タバコの煙の恐ろしさ」を理解して、タバコの煙で苦しめられることのない社会にしていきたいですね。


~医師:樽井 智子~

樽井 智子Tomoko Kaneko-Tarui, M.D., Ph.D.

1971年生まれ、産婦人科専門医。医学博士。元ハーバード大学医学部・マサチューセッツ総合病院産婦人科講師。
2015年4月より、『事実に基づいた妊活に関する正しい情報を分かりやすく伝えていく』をテーマに、オンライン講座『樽井智子の妊活講座』を開講し、心身を健康にする妊活指導を行っている。
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