胸部大血管損傷きょうぶだいけっかんそんしょう

カテゴリ
外傷
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医師監修

胸部大血管損傷とは

胸部大血管損傷とは、胸大動脈や腕頭動脈、総頚動脈、鎖骨下動脈、肺動脈、上下大静脈などの胸部の大きな欠陥を損傷してしまう疾患です。銃で撃たれたり、刃物で刺されるなどにより発生することが多く、早期に手術をしなければ致死的となる可能性の高い損傷であり、緊急に施術が必要です。

胸部大血管損傷の症状

胸部大血管損傷の症状としては、激しい出血性ショックをきたします。血管内の血液が、胸腔内や縦隔内に流出して循環血流量が著しく低下するためです。

胸が痛くなったり、顔面蒼白状態になったり、皮膚が紫色になるなどのチアノーゼも認められることが多いです。

また、頻脈状態になったり、脈拍が微弱になることも多いといわれています。頻呼吸や四肢が冷たくなる、冷汗が出るなどの症状も頻繁に表れるようになります。

症状が進行するほど、重大な状態となり、意識障害があらわれるようになったり、不整脈が認められるようになり、最悪の場合は死に至る場合が多いです。よって、診断が確定した場合は、緊急手術を行い、損傷部を縫合する必要があります。

胸部大血管損傷の原因

胸部大血管損傷の原因としては、拳銃で撃たれたり、刃物で刺されたりすることにより、その傷が胸部の大血管に至ることにより起こります。

ただし、日本国内においては、銃刀法により、銃や刃物の所持が厳しく制限されているため、銃や刃物による症例は少ないのが現実です。一般的には交通事故による衝撃や、墜落事故による衝撃による症例が数多くなっています。

このような衝撃が原因となる場合、血管の中でも可動性のある部分と固定されている部分との間に発生する剪断力や、椎体の直上での大血管の圧座、強大な衝撃が伝わった結果生じる血管内圧の異常上昇などが要因となるといわれています。

損傷した大血管を確定するためには、胸部X線検査や胸部造影CT、エコー検査などが行われます。

胸部大血管損傷の治療法

胸部大血管損傷は、外傷性のけがや、交通事故や落下事故などによる強打によって引き起こされます。よってその予防は、けがをしないことと事故を起こさないことに集約されます。
刃物の取り扱いには十分注意することが必要で、誤って自分に指してしまわないように気を付ける必要があり、刃物を誤って刺してしまわないように、置き場所などもしっかりと管理しておく必要があります。
また、交通事故を起こさないように自動車の運転には細心の注意を払う必要があります。落下事故の防止には、落下事故が起きやすい環境を作らないことなどが挙げられます。
万が一、出血性ショックを起こし胸部大血管損傷の疑いがある場合は、負傷者を仰向けにして下肢を高くし、下肢血管内の血液を脳や心臓の血液循環に回す必要があります。その後迅速な救急搬送が必要です。
治療としては診断確定後、緊急手術となります。損傷部を縫合または、損傷部を切除後、人工血管による置換を行うものです。
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