尿管異所開口の症状

尿管が膀胱内部ではなく、膀胱以外の場所に開口しているため、尿路感染、尿失禁、下腹部の腫れなどの症状で診察を受けることになり、幼少期に発覚することが多い病気です。多くの場合、尿管異所開口と診断されると二つある腎臓の両方の尿管の位置が異常な重複腎盂尿管であることも広く知られています。痛みなどの自覚症状がない場合もありますが、尿漏れを起こすことで診察を受け、エコー検査や内視鏡検査で尿管異所開口であることが発覚する場合もあります。
尿失禁を起こさない場合には異常に気が付かずに成長することもあります。悪化すると水腎症とよばれる尿が腎臓に逆流する病気になり、発熱、腹痛、頻尿、嘔吐、尿切迫などの症状が起こる可能性があります。

尿管異所開口の原因

尿管異所開口の原因は先天性のものがほとんどで腎臓から膀胱までの尿管のルートが膀胱ではなく子宮や外陰部、膣などにつながっていることがあげられます。尿失禁は昼夜かまわず発生し、症状が悪化すると水腎症になる可能性もある病気です。初期では無自覚の場合が多く、おねしょと多尿で気にしないで生活している人も多くいますが、ドライタイムのない尿漏れが続き、感染症による発熱などで判明する場合が多いのが特徴です。
妊娠中の尿管の発達異常や腎臓障害などが原因として挙げられますが、尿管の奇形ということ以外はよくわかっていません。腎臓から膀胱へ尿がたまり、膀胱壁が尿の存在を感じ取ることで尿意が生まれます。尿管が膀胱につながっていないことで尿意をコントロールできなくなり、尿漏れの原因となってしまうのです。

尿管異所開口の治療法

尿管異所開口の予防は多くが先天性異常であるため困難になります。治療方法としては尿管を正しくつなぎ、腎機能低下をふせぐための外科手術を行うことになりますが、感染症を防ぐために抗生剤を投与したり予防的に内服したりすることで水腎症や感染症を予防することになります。
尿路感染症の予防は抗生剤の投与で治療することが可能ですが、完治させるための手段としては外科手術のみになります。また男児によく見られる尿結石を回避するためには水をたくさん飲むことがあげられます。しかし尿管異所開口については外科手術しなければ問題が解消できないのです。