猫の小脳の形成不全

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医師監修

猫の小脳の形成不全とは

小脳は体のバランスを保ったり、眼球運動を調節したり、感覚と運動を連携させてりといった円滑に体を動かすよう調節する中枢として重要な役割を果たしています。この小脳の形成不全が生じることで、障害が生じこれらの運動調節ができなくなってしまいます。                          一般的に猫汎白血球減少症ウイルス(猫パルボウイルス)の子宮内で胎児の時、もしくは早期新生子期に感染することによって小脳形成不全になります。ほとんどの場合先天性で、子猫が小脳形成不全かどうか生後すぐには判断が困難ですが、生後3~4週齢ごろの歩き始める時期になると、フラフラして真っすぐ歩けず体の平衡を保てず、何度も転倒したり、まばたきが上手くできないなど見られるようになります。治療方法はありませんが、症状の進行はしないため悪化することは少ないですが、症状を残したまま成長します。

猫の小脳の形成不全の症状

小脳形成不全のため、様々な小脳の機能障害が見られます。具体的には、子猫が歩けるようになる3~4週齢頃から、ふらふら歩いてすぐによろけてしまったり、歩幅が合わずバラバラに歩いたり、動作を始めると振戦(体の一部が振動するように震える)が悪化して、安静にすると収まるような状態(企図振戦:きとしんせん)や食器に口を持っていけなかったり目的物を通りすぎてしまうなど距離感がつかめない測定障害(小脳障害では主に測定過大といって、ガチョウ様の歩行で目的物を通り過ぎることが多いです)、眼球が物を追っていない状態で揺れる(振子眼振)など様々な運動機能の症状が見られます。これらの症状は非進行性のため成長と共に悪化することはありませんが、大人になっても症状が残ってしまうため運動失調の程度によっては、猫が生活するために飼い主さんの補助が必要になるケースもあります。

猫の小脳の形成不全の原因

猫では猫汎白血球減少症ウイルス(猫パルボウイルス)が母猫が妊娠中に感染し子宮内で胎児が感染した場合、もしくは早期新生子期に感染すると胎児の小脳が影響を受け、先天性の小脳形成不全となります。 先天性の原因疾患として、小脳の神経細胞が変性してしまう「小脳変性症」や小脳が萎縮した状態で生まれる「小脳低形成症」などもあります。小脳変性症には進行性のものもあるので、進行性の場合には時間経過とともに悪化する傾向があります。                       また、後天性もものとしては、外傷、栄養不足、ウイルスや細菌感染による脳炎や小脳に発生する腫瘍や老化などが原因とされています。   今のところ、病気が非進行性の小脳障害が見られる猫では、小脳形成不全を起こす原因のほとんどが、先天性のもので、猫汎白血球減少症ウイルス(猫パルボウイルス)感染によるものだと言われています。

猫の小脳の形成不全の予防/治療法

小脳の形成不全は小脳そのものに起こる先天的な障害であるため、有効な治療法はありません。しかし、ふらつきや震え、転倒など小脳機能障害があっても臓器など運動機能以外は正常に機能していて、悪化するよな症状の進行も見られないので、食事の介助や瞬きが上手くできない場合は目のケアを行ったり、事故にならないよう室内で階段や段差、水回りなど危険のないよう環境を整えてあげることで普通に生活を送ることができます。ただ、パルボウイルスを排泄する感染源になる可能性がありますので、注意は必要です。                      予防としては、繁殖を考えているメス猫は妊娠前より、同居猫にも定期的なワクチン接種を行うことが予防につながります。また、外で拾った子猫はすぐに同居猫と一緒にしないで数週間から1カ月程度は隔離して異常がないか様子をみてから顔をあわせるようにしましょう。
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