犬のブルセラ症

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医師監修

犬のブルセラ症とは

ブルセラ症はブルセラ・カニスという細菌の感染で発症する家畜と人の病気で、生殖機能に悪影響を及ぼす特徴があります。

犬のブルセラ症は唾液や尿などに触れたり、罹患している犬と交尾することで感染します。雄犬では精巣などが腫れたのち、萎縮していきます。雌犬では妊娠後期の流産がみられます。

ブルセラ症は人間にも感染することがあり畜産上の悪影響も大きいことから、畜産動物においては法定伝染病に指定されており発症した場合は摘発・淘汰しなければなりません。犬ではそういった法律はありませんが、感染が認められた場合はできるだけ摘発・淘汰することが望ましいとされています。飼い犬が感染してしまった場合は獣医師とよく相談することが必要です。

犬のブルセラ症の症状

犬のブルセラ症は、ブルセラ属の細菌感染によって起こる病気ですが、感染した犬自身は、はっきりとした全身症状を示しません。

雌犬は、妊娠50日前後での流産、死産、そののちに膣内からの緑褐色から灰緑色の分泌物などの症状を示します。死流産した胎児は、母犬の腹部の浮腫、うっ血、出血などから判断できます。出産の2週間前あたりに流産した場合、感染の確率が高いです。生まれた子犬も、通常は出産後数時間で死亡します。

雄犬は精子の異常による不妊、生殖器の炎症などを起こします。雄犬の場合、性欲減退、精巣炎や精巣の膨張に違和感を覚えてしきりに陰嚢をなめるなどの行為がみられる場合がありますが、慢性例では精巣は膨張せず萎縮することもあり、はっきりとした症状はわかりません。

感染症であるため、ペットホテルなど、犬が集団で集まる場所で発症することが多い病気です。繁殖場で集団感染が確認され、多くの犬が殺処分されたケースもあります。

犬のブルセラ症の原因

犬のブルセラ症とは、ブルセラ菌が原因で起こる感染症のことをいいます。ブルセラ菌に感染している犬の尿や流産後の排出物などをなめたり鼻を近づけたりすることによる経口感染や、感染した犬との交尾によって細菌が生殖器の粘膜から侵入して起こります。犬のブルセラ症は、犬が多く集まるペットホテルや犬舎などで多く見られます。ブルセラ菌は細胞内寄生菌のため、薬による治療を行ってもリンパ節などに菌が生存する場合もあるので、一度発症すると根絶が難しい病気とされています。日本では数%の感染が確認をされており、感染したとしても死に至る病気ではありませんが、人にも感染をする人獣共通の感染症で犬の場合は、不妊や流産・死産を引き起こす原因となります。

感染が確認された場合は、すぐに隔離し人も手洗いや消毒などをする必要があります。

犬のブルセラ症の予防/治療法

犬のブルセラ症は未だ効果的なワクチンなどの予防手段はありません。

この細菌は子宮分泌物や尿に含まれることが多く、これらに鼻を近づけることでの経口感染や感染犬との交配によって感染することになるので、飼い主が飼育環境を常に清潔に保つように心がける事が重要です。また、この病気は人獣共通の感染症となっております。実際は人への感染と発症は少ないとされていますが、流産胎児や分泌物に直接触れないようにし、人が感染しないように細心の注意を払いましょう。

もし感染した場合には、現在では抗菌薬による薬物療法が主な治療方法となっていますが、投薬終了後再び血中に菌が出現し発症したり感染源となることの多い疾患です。その為、付随的な処置として他の犬への感染拡大を防ぐ為に去勢や避妊を推奨されます。同様に、多頭飼いの家庭やブリーダーの場合は感染を防ぐため、感染した犬を他の犬の飼育環境から隔離して治療を行うなどの予防策も必要です。教科書的には、完治困難で他の犬や人への感染源となってしまうため、ブルセラ症と診断された場合は隔離し安楽死処置をとることが望ましいとされています。
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