髪で隠れて気付いていなかった、生え際の赤いブツブツ。痛みや痒みを感じて、初めて自覚することも多い頭皮湿疹は何かと対応が遅れがちで悩みの種になることも少なくありません。

そんな頭皮湿疹にどう向き合ったら良いのか。じっくり解説していきます。

要チェック項目


□頭皮湿疹には大別して4種類ある
□湿疹の原因に応じた対処が必要
□再発率が高いため、皮膚科医の指導を受けることも検討すべき

そもそも頭皮湿疹とはどんなもの?

頭皮湿疹とはその名の通り、頭皮、特に生え際周辺に湿疹が現れる症状の総称です。頭皮湿疹はその原因によって4種類に分けられます。以下に全種類を解説します。

脂漏性皮膚炎


頭皮湿疹の割合として最も多く、およそ半数を占めるのが脂漏性皮膚炎です。

成長期や加齢によるホルモンバランスの変化、化粧品の使い過ぎや体質などにより皮脂の分泌量が多くなり、毛穴が詰まったり皮脂を栄養とするカビの繁殖を招くことで湿疹が発生します。

皮脂欠乏性湿疹


脂漏性湿疹とは正反対に、生え際の脂分が不足することで肌荒れを起こし、湿疹を発症します。適量の皮脂は肌のバリアとして機能するため、欠乏することもまた問題となります。

接触性皮膚炎


生え際が隠れる髪型をしている場合、髪と擦れることで炎症、湿疹が誘発されることがあります。髪に整髪料などの化学物質を付けている場合は発症リスクが高まります。

接触する化学物質に対してアレルギーのある人はなお危険です。

アトピー性皮膚炎


原因は接触性皮膚炎と類似しており、生え際にアレルギーの原因物質が触れることで発症のリスクが高まります。

ただし、アトピー性皮膚炎は生え際が乾燥している場合に炎症が起こり、頭皮湿疹の発症に至ります。そのため、乾燥が重大な要素になります。

頭皮湿疹の見分け方


頭皮湿疹に対処するには、まず自分がどのタイプの頭皮湿疹なのか見分けることが必要になります。各タイプの特徴を記載しますので、参考にしてください。

脂漏性皮膚炎


皮脂が過剰になることで発症する皮膚炎はやはり顔が脂っぽいかどうかを考えるのが一番です。

比較対象が無く分からないという場合でも、多少なり脂っぽいという印象がある時には大抵この脂漏性皮膚炎であると考えられます。

また、脂漏性皮膚炎による頭皮湿疹になると白っぽいフケが発生することがあります。気を付けるべきポイントの一つです。

皮脂欠乏性湿疹


皮脂が不足することにより肌が荒れて発症する皮脂欠乏性湿疹は乾燥肌の人に多いのが特徴です。また、空気が乾燥する冬に突然発症した頭皮湿疹は皮脂欠乏性湿疹の可能性が高くなります。

接触性皮膚炎


髪そのものや整髪料などの化学物質が生え際に触れることで発症する接触性皮膚炎は、シャンプーやヘアワックスなどの種類を変えた際に起こりやすくなります。

また、時には髪型を変えただけで発症することもあるため、生え際周辺の環境が変化して起こった頭皮湿疹は接触性皮膚炎が疑われます。

アトピー性皮膚炎


アレルギーと乾燥の併発により発症するアトピー性皮膚炎は元から肘や膝、耳の裏側などに皮膚炎を抱えていることが多いため、頭皮湿疹に至った場合にもすぐに分かります。

アトピー性皮膚炎を有する人が乾燥した頭皮に湿疹を生じた場合には高確率でアトピー性皮膚炎による頭皮湿疹であると考えられます。

原因別:頭皮湿疹の対処法

原因が異なれば対処の方法も当然に違ってきます。原因別に頭皮湿疹を軽快させるための方法をご紹介していきます。

脂漏性皮膚炎


脂漏性皮膚炎に対処するには、まず洗顔や洗髪を丁寧に行うことです。また、皮脂を栄養にするカビの繁殖を抑えるために、免疫力を強化するビタミンB1などを摂取することも有効です。

ホルモンバランスを整えるべく、生活を見直すことも改善に繋がります。

皮脂欠乏性湿疹


皮脂欠乏性皮膚炎はまず保湿ケアを行いましょう。市販のスキンケア用品などでも有効な場合は少なくないので、薬局で相談してみると良いでしょう。

また、皮脂が欠乏する理由として近年、石鹸などの使い過ぎが指摘されています。洗浄力の強い石鹸を繰り返し使ってしまう綺麗好きの人は必要な皮脂まで洗い流している場合があるため注意してください。

接触性皮膚炎


接触性皮膚炎の場合、多くは使用しているシャンプーなどに含まれる化学物質が体に合っていません。無添加シャンプーなどに切り替えることが軽快への近道です。

また、生え際周辺の環境改善のため、家では髪を上げておくなどすると良いでしょう。

アトピー性皮膚炎


アトピー性皮膚炎になってしまった人はどうしても自力だけでの対処は困難ですので、医師に相談することをお勧めします。

ただし、アトピー性皮膚炎の悪化要因として乾燥と肉体の疲労、ストレスがあるため、保湿ケアや生活改善が症状の軽減に繋がることもあります。

頭皮湿疹は予防できる?

肌環境に気を付けたり身近な化学物質を避けたりなどはできますが、根本的な問題は体質であることが多いため、確たる予防法は無いというのが現状です。

ただし、良好な生活習慣による免疫力の安定と肌の適切な保湿は疾患に対するバリアのような役割を果たします。髪による刺激や繁殖したカビの影響から肌を守ってくれることに繋がるので、日頃から意識しておくと良いでしょう。

また、運動は血流を改善して代謝を促進し、肌の衛生環境を改善します。発汗も伴うために、毛穴に角栓が詰まって炎症を起こすことも予防できます。

運動後のシャワーなど清潔を保つことを前提に、スポーツなどを日課に取り入れるのも良いと考えられます。

長引く頭皮湿疹は皮膚科医に相談すべき


頭皮湿疹は一度よくなっても再発する可能性が高い疾患です。どの種類の頭皮湿疹であっても、それは同じことです。根本的な予防法に乏しいことが主な原因ですが、繰り返す痒みや痛みはとても辛いものです。

そのため、自力での対応では無理があると感じたらできるだけ早めの受診をお勧めします。

医師の診察を受ければ、例えば副作用の懸念もあるものの痒みを止める効果が高いステロイドを適切に管理しながら使用できます。

そもそも頭皮湿疹の原因を見誤っていた場合には医師が正確な診断を下してくれることも期待できます。どうにも治らない頭皮湿疹では迅速な受診がより良い結果を招いてくれるでしょう。

頭皮湿疹は体質由来 長引く前に早めに対処を

頭皮湿疹は皮脂の過剰分泌や欠乏、肌のアレルギーなど体質によって発生するものばかりです。そのため、予防法は体質改善に限られがちで、治療も自力で行うだけではその場しのぎになりかねません。

自身の頭皮湿疹の原因を突き止め、それに応じた予防や治療をしているにも関わらず、どうしても繰り返すような場合。

または、頭皮湿疹の原因そのものが分からないような場合にも早めの皮膚科受診が鍵となるでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)