急に視界にホコリがちらちら…なんてことありませんか?急に出てきたそれに「目の病気?脳の病気?」と焦ってしまった人もいるかもしれません。

今回はそんな症状が現れる「飛蚊症」についてです。医師に詳しく聞きました。

飛蚊症はどんな病気?

飛蚊症(ひぶんしょう)は、普段の生活の中で、何かを見ているときに現実にはそこにない、黒い虫あるいはゴミのようなものが視界の中でチラチラ動いて見えるという症状をいいます。
時に、目線を一か所からほかの場所へ動かしたときに、その黒い点も一緒に動くような場合もあります。

飛蚊症は中年以降に出ることが多いといわれますが、20代など若い人にも症状があらわれることがあります。
原因は、大きく分けて2通りあります。
1.飛蚊症の原因となるような目の病気が存在する場合
2.生理的なものによって起こる場合

次からは原因に沿って、それぞれ解説をします。

1.病気による飛蚊症

目の病気によって飛蚊症が起こる場合、疑われる病気の一つに「網膜剥離(もうまくはくり)」があります。
網膜剥離は、本来眼底にぴったりと張り付いているべき「網膜」という膜が、何らかの原因で剥がれてくるために起こります。この剥がれた部分の細胞が、眼球の中を動き回るため、黒い影となってチラチラと視界の中を動きます。

網膜剥離のほかにも、飛蚊症を起こす病気として以下のようなものが挙げられます。
硝子体出血:網膜の血管が破裂、出血が硝子体に入る
・眼科手術後の感染症:菌が増殖し、黒い点に見える
・ぶどう膜炎
緑内障の一種

なお、スポーツなどで目をぶつけた場合や外傷後に急に飛蚊症があらわれた場合は、すぐ眼科を受診しましょう。

2.生理的な飛蚊症

生理的な原因には以下のような場合があります。
・硝子体の中にある細胞などが浮遊物が見える
・加齢で硝子体が張りを失って網膜と硝子体の隙間があき、硝子体の後ろの部分が網膜に映って見える

特に近眼の人は飛蚊症が起こりやすいといわれています。
また、生まれつき目の構造によって飛蚊症がある人もいて、症状に変化がない限り病的なものとしては扱われません。

【医師からのアドバイス】

特に中高年のかたは、急に飛蚊症が始まっても「年のせいか」と気にしない傾向があります。確かに心配のないことも多いのですが、中には見逃すと危険な目の病気のサインであるケースもあります。

目はさまざまな情報の窓口です。「最近少し変だな」と思ったら眼科を受診する習慣をつけましょう。

(監修:Doctors Me 医師)