緑内障/青底翳の症状

緑内障は視神経の障害により視野が欠損します。しかし、片方の目が正常ですと、補う形となり、初期はほぼ自覚症状ありません。又、10年から20年かけてゆっくり進行していく為視野に多少不自然な所があってもその状態に慣れてしまう為、かなり進行しないと視野の異常は自覚しにくいです。
  
自覚の初期としては片目で何か作業するときです。又、本の一部が見えなくなったりいつも車の同じ場所をぶつけたりして気付く場合もあります。視野欠損は視野の上の方や鼻側から始まり、どんどん広がって行きます。1/4程欠損すれば異常を感じるようになり、更に進行すると視野の中心部と外側しか見えなくなり、日常生活に支障をきたします。
  
上記はゆっくり進行するタイプで、急性に進行する緑内障もあります。房水が流れていく所(隅角)が塞がってしまい、房水が行き場を失い眼圧が急激に上昇します。この状態では眼球も腫れてきます。急性に進行した場合適切な治療を受けないと数日で失明してしまします。症状としましては、急に目が痛くなったり、頭痛がする、目が充血する、目の奥が痛む、吐き気を催す、物が見えなくなる、光がにじんで見える、などです。

緑内障/青底翳の原因

明らかな原因に眼圧上昇があります。眼球の内部は内から外へと常に一定の圧力がかかっています。これが眼圧です。この眼圧が正常に保たれる事で眼球は丸さを保っています。また、眼圧は眼球を裏打ちする網膜に張りを持たせています。
  
この眼圧に大きく関わっているのが房水という透明な液体です。房水は角膜と水晶体の間を流れ、酸素や栄養を運んだり老廃物を受け取る役割をしています。循環した後、房水はシュレム管と言う器官を通って静脈へ排泄されます。房水の生産と排泄が一定であれば眼圧は保たれますが何らかの原因によってバランスが崩れたのが緑内障になります。どんな時にバランスが崩れるかと言いますと、この房水の排水口である繊維柱帯が詰まってきた時です。
  
繊維柱帯はフィルターの役目も兼ねており、網目状をしています。この網目が少しずつ詰まっていき、房水の排出が悪くなり眼圧が上がり視神経乳頭に強い圧力がかかり視神経が障害されます。眼圧が基準値ないであるにも関わらず視神経が障害されるタイプの緑内障もあります。理由はよくわかっていませんが、視神経の抵抗性の弱さや極度の近視が要因とされています。

緑内障/青底翳の予防・治療法

日本人は何故か眼圧は正常値なのに緑内障に進行していく方が多いです。眼科では眼圧だけのチェックで安心する事無く、視野の欠損が無いか自己チェックしたり40歳をこえたら定期的に眼科の検診に行く事が大切です。普段の生活で頭痛が酷い人、家族に緑内障の方が居る人、冷え性、近視が強い人は正常眼圧緑内障に注意する必要があります。傷ついた視神経は元には戻りません。重要なのは定期的に受診し早期発見後、進行しない治療をおこなって行く事が大切です。
  
急性に進行する緑内障の場合、発作が起きやすいのは副交感神経が活発になる、夜20時頃です。暗い所で作業したり、うつ伏せになっている時、興奮した時、かぜ薬を飲んだ時に起こります。元々隅角が狭い人は急性緑内障の発症リスクが高いので検査で隅角が狭いと診断された方は隅角を広げる処置により発作を防ぐ事をお勧めします。
   
遺伝や生まれつき眼圧が上がる発達緑内障、先天性緑内障もあります。珍しい病気の上に生後1年以内に発症します。言葉が発せない子供に発症しますので、黒目が大きくなり、濁って眩しそうにしてきたら要注意です。直ぐに受診しましょう。放ておくと小学生までに失明してしまします。こちらは遺伝子上の問題になるので予防のしようがありません。周りの大人が気付いてあげなくてはいけません。

緑内障の治療は、まず点眼による薬物療法を行います。数種類の点眼薬を使用し眼圧の調整を行っていきます。
改善が見られない場合は、レーザーによる手術も検討されます。