for Meで実践される
「リーフィング・メソッド」とは?

末武教授の提唱するカウンセリング手法「リーフィング・メソッド」。
その解説とともに、for Meにかける想いを末武教授が語ります。

リーフィング・メソッドによる心理的変化 リーフィング・メソッドによる心理的変化
リーフィング・メソッドでは傾聴と共感的理解により相談者ご自身の中にある気づきを引き出します。
末武教授

末武教授
法政大学現代福祉学部
臨床心理学科
大学院人間社会研究科教授。
博士(学術)

世界には、まったく重なり合う模様をもつ葉は二枚と存在しません。空に浮かぶ雲の造形、浜辺の砂の模様、貝殻や花々もそう。一つとしてまったく同じものはありませんし、その一つのものも刻々と変化していきます。ほとんど同じだけれど、まったく同じではない形や動きによって連綿と続いていくもの・・・。生命や自然を形作っているのは、こうした個々の新鮮な生起が繰り広げていくプロセスなのです。

人が生きていることや心の動きもそうです。自分が感じている悩みや生きがいは、他の人のものとは微妙に違う、私のもの・・・。だからこそ、あなたの悩みに耳を傾け、あなたに豊かな生きがいを感じてもらうためには、あなたの存在や体験を心から傾聴し、共感的に理解することが何よりも大切なのです。そして、そうすることで変化の可能性が開かれます。

私たちが実践するリーフィング・メソッドは、一人ひとりの存在や体験を、まさにそれそのものとして大切にするカウンセリングの方法です。このメソッドでは、一般的ななぐさめや励まし、ありきたりの解決法の提案を行うのではなく、心からの傾聴と共感的理解によって、不安や混乱、どうどうめぐりなどに落ち着きと沈静化をもたらし、そこから相談者ご自身の中に意味ある気づきが生じるように支援します――あたかも新しい芽吹き(リーフィング)が生まれるように。

このたび、このリーフィング・メソッドを多くの方に体験していただけるように、オンライン通話としてこのメソッドを提供することになりました。カウンセリングの効果に関するエビデンスによれば、電話を介したカウンセリングにも対面法によるものとそれほど変わりない効果があることや、必ずしも長期間カウンセリングに通わなくても数回の相談で好結果が生じることが少なからずある、といったことが明らかになっています(『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究』2012年、参照)。

日本では、相談機関にじかに足を運んでカウンセリングを受けることには、まだまだハードルが高いと感じる方が少なくありません。ぜひ多くの方に、電話を介してリーフィング・メソッドによる安全で効果的なカウンセリングを体験していただきたいと思います。

末武 康弘教授のプロフィール

末武 康弘(すえたけ やすひろ)

[ 現職 ]
法政大学現代福祉学部臨床心理学科・大学院人間社会研究科教授。博士(学術)。
[ 略歴 ]
長崎県生まれ。筑波大学、筑波大学大学院に学び、女子美術大学、明治学院大学、法政大学文学部および現代福祉学部の助教授を経て現職。法政大学大学院人間社会研究科長(2012~13年)、法政大学現代福祉学部長(2014~16年)を歴任。
[ 著書 ]
『心理学的支援法―カウンセリングと心理療法の基礎』(誠信書房、2018年)
『「主観性を科学化する」質的研究法入門』(編著、金子書房、2016年)
『ジェンドリン哲学入門』(共編著、コスモス・ライブラリー2009年)
『産業カウンセリング事例に学ぶ(新版)』(共著,日本産業カウンセラー協会、2007年)、ほか
[ 訳書 ]
『心理臨床への多元的アプローチ』(監訳、岩崎学術出版社、2015年)
『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究』(監訳、岩崎学術出版社、2012年)
『ロジャーズ主要著作集1~3 カウンセリングと心理療法』(共訳,岩崎学術出版社、2005年)、ほか

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