失恋から立ち直れない…つらいときの乗り越え方
2019.07.29
「カウンセリングを受けよう」と思っても,ネットで検索すると多くの施設やサービスが出てきて何を基準に誰を選べば良いのかわからないですよね.
叱られたらどうしよう…嫌なことを言われたらどうしよう….初めてのカウンセラー選びには不安がいっぱいあると思います.
今回は,カウンセラー選びのコツについて,精神科医の神楽坂やちまが解説します.
実はカウンセラーは,統一された資格がなく,誰でも名乗れる職業です.
そのため,残念なことにクライエント*を傷つける,否定するなど決してあってはならない対応をするカウンセラーがいるのも事実です.
せっかくお金を払って受けるものですし,できる限りイヤな思いはしたくないですよね.そこでカウンセラー選びの目安となるのは,臨床心理士の資格を持っているかどうかです.
民間資格とはいえ,心理学の知識や技能がある程度必要なのはもちろん,臨床実務訓練あるいは臨床実務経験がないと取得できない資格です.そのため,大きくハズレる確率は少しばかり低くなると考えられます.
※クライエント:カウンセリングを受ける人を指します.
2017年9月に公認心理師法が施行され,国家資格である「公認心理師*」が新設されました.臨床心理士と同様,心理学の専門的な知識を持ち,あなたの心のサポートをしてくれる職業です.
これからは臨床心理士より公認心理師の資格のほうが,カウンセラー選びの参考になるかもしれません.国家資格であることに加え,実務経験も2年以上(標準で3年)が受験に必須となっているためです.カウンセリングを予約する際には,Webサイトなどでカウンセラーがどのような資格を持っているのか確認してみましょう.
※公認心理師:「士」ではなく「師」です.間違いではありません.
カウンセラーも人間です.そのため,例え知人に勧められたカウンセラーでも,資格を持っているカウンセラーでも,あなたにとっては相性が合わないということが多々あります.
反対に,知人が合わないと言っていたカウンセラーでも,資格を持っていないカウンセラーでも,あなたにとっては,相性がピッタリということもありえます.
最終的には,周りの評判に流され過ぎず「あなたが」どう思うか,「あなたが」信頼できそうか,という視点でカウンセラーを選んでみることが大切でしょう.
何人もカウンセラーがいる施設であれば,基本的には担当を変更してもらうことが可能です.直接カウンセラーには言いづらいでしょうから,受付の人など他のスタッフに伝えてみるとよいかもしれません.
他にカウンセラーがいない施設の場合は,少しパワーがいりますが,他の施設に行ってみましょう.最初は,負担に感じるかもしれません.しかし,一度相性の良いカウンセラーに出会えれば,生涯にわたってサポートしてくれるということもあります.
対面でのカウンセリングが苦手だという方は,メールやチャット,電話でのカウンセリングサービスを使ってみてください.相性が合わなくても,施設に行くよりは手軽に他のカウンセラーに乗り換えることができます.
世の中には多種多様なカウンセラーがいますから,ぜひ色々な方のカウンセリングを受けてみてください.選ぶための条件に乏しい(諸説あるが定説は少ない)現状ですので,より合うカウンセラーを見つけるには,実はこれが一番大切なのかもしれません.
公認心理師などの資格がカウンセラー選びの目安の1つとなるとお伝えしましたが,資格を持つカウンセラー全員が,必ずしもあなたと合うカウンセラーとは限りません.
あなたが「この人はちょっと合わないな」と感じたときは,遠慮なく退室して大丈夫ですよ.「ちょっと気分が悪くなってきちゃって…」などと言うと穏便に退室することができるでしょう.
カウンセラーはたくさんいます.自分が感じた気持ちに正直に,カウンセラーを選んでみましょう.