失恋から立ち直れない…つらいときの乗り越え方
2019.07.29
超高齢社会の日本では,介護に関する問題が絶えません.介護疲れや介護うつ,老老介護やヤングケアラーなど,年々深刻さは増しています.
今回は,誰でもなる可能性がある介護疲れを防ぐ対策について,精神科医の神楽坂やちまが解説します.
事前に親と,介護が必要になったときのことを具体的に話し合っておきましょう.家で過ごしたいのか施設で過ごしたいのか,排泄介助は家族とヘルパーさんのどちらのほうが良いのかなど,お互いの希望を知り,細かくすり合わせをしておきましょう.
いざ介護が必要になったときに,認知症などで会話が成り立たなくなることもあります.親がどのような老後を送りたいのかを具体的に知っておくと,事前に情報も集めておけるので良いですよ.
気軽に相談する人がいない,センシティブな問題で友人には言えないという場合は,自分に合うカウンセラーを見つけておくと,こまめに心の疲れをケアすることができます.
介護はまだだけど漠然と不安を感じる,介護に疲れて先が見えないと感じる方などは,一度カウンセリングを受けてみるのも良いでしょう.忙しい方でもお家で受けられる電話やチャットでのカウンセリングサービスも増えてきています.
話を聞くプロであるカウンセラーに話すことで,もやもやした感情や考えていることを整理することができますよ.
実際に介護が必要になって困ったときは,各市町村にある「地域包括支援センター」という施設に行ってみましょう.地域包括支援センターには,社会福祉士,主任ケアマネジャー,保健師がおり,高齢者の生活上の悩み全般に対応してもらえます.
介護は精神的,肉体的,経済的にも負担が大きく,そもそも一人だけで抱え込める問題ではありません.一人で悩まずに,まずは相談してみましょう.
介護離職で社会とのつながりが減ってしまうと,介護だけの生活で孤独を感じたり,うつになったりするリスクがあります.可能な限り時短勤務にしたり,週に何回か働いたりと介護だけの生活にならないようにしましょう.
やむを得ず介護離職をした場合も,友人とご飯を食べたり,ネット上でも良いので介護について気軽に話せる仲間をみつけたり,習い事をしたり,ジムに行ってみたり,社会と断絶することがないようにしましょう.
介護を「家族間の助け合い」と言えば耳触りが良いのかもしれません.しかし,認知症などもあると自宅介護の現実は厳しく,無理をすると心や体から人生まで崩壊してしまうリスクがあります.
共倒れになったり,命を奪ってしまうようなことがあっては,元も子もありません.ときには介護のプロに頼ってリフレッシュすることも,お互いのために大切なことです.介護サービスには,デイサービスやショートステイ,訪問介護などさまざまな種類があります.
ケアマネジャーなどに相談しつつ,限界になる前に介護サービスの検討をすると良いでしょう.