少子化、核家族化により家族の一員としてペットを迎え入れる事が一般的になり、さらにペットの寿命も延び、人とペットが一緒にいる時間が長くなりました。そんなペットが死んでしまった時、失った時の悲しみが大きく、精神的にダメージを受け、「ペットロス」と呼ばれる状態に陥ってしまう方が増えています。

今回はペットロスの症状と対策について医師に解説していただきました。

ペットロスはうつ状態と同じ!?

大昔から、人間は犬などの動物を飼ってきましたが、それは狩猟や番犬、ネズミの駆除など生活に必要な使役動物でした。現在、ペットは大切な家族の一員、かけがえのないパートナーと捉えられており、ギスギスした人間関係の中で疲れている場合、大切な癒し手と考える方も増えています。

ですが人間に比べるとペットの寿命は短いため、死別する瞬間が訪れます。ペットを失った時の悲しみが大きいと「うつ状態」になります。

ペットロスの症状は?

・深い悲しみを感じて、涙が止まらなくなる
・よく眠れない
・食欲がない
・やる気が出ない
・集中できない
・楽しい、嬉しいといった感情がわかない
などの症状があげられます。

数ヶ月単位のステップで落ち着いてきますが、生活や仕事に支障が出たり、改善の兆しがなく、自分でどのように対処して良いか分からない場合は、精神科心療内科での治療が必要になります。

ペットを大切にしていた人ほどペットロスになりやすい!

ペットロスになりやすいのは、
・ペットを家族の一員のように思っている人
・パ―トナー、子供のように大事にしている人
・悩みの相談相手や話し相手になってもらっている人
などが、当てはまります。

また、
・ペットが亡くなる前に十分にお世話ができなかった場合、
・病気の発見が遅れてしまった場合、
・死に立ち会う事ができなかったという場合は、
後悔や自責の念からペットロスになりやすいといえます。

交通事故などで突然死んでしまった場合は、心の準備ができないままのお別れになってしまうため、一番ペットロスになりやすいケースといえるでしょう。

ペットロスから立ち直るステップ は?

1. ペットがいなくなった事実を受け入れる
ドアを開けたらひょっこり帰ってきそう、と考えてしまう事もあるでしょう。しかし亡くなった事実は変える事が出来ません。悲しみや自責の念など、感情の大きな揺れがありますが、乗り越えていかなければいけません。

2. 気持ちがフラットになる、無気力になる
大きな感情の波が通り過ぎると、今度はいろいろな感情が起こりにくくなります。無気力になり、気だるく毎日を過ごしたり、不眠や食欲の低下を認める場合もあるでしょう。この時期はあまり頑張りすぎてはいけません。休養が必要です。

3. ペットのいない状況に慣れていく
無気力な状態が過ぎると、少しずつ嬉しい、楽しいといった正の感情が回復してきます。ペットのいない生活に慣れてくるのがこの時期です。

4. 思い出として心の中で整理できる
ペットの事を思い出しても、感情の波が大きく揺れないようになります。この時期に来るまで人によりかかる期間は様々です。