口臭ケアなどから舌のブラッシングが定着しつつあるようです。しかし一部では舌ガンを引き起こすとして、しないほうがいいという説もあり、一体何が正しいの?といった声も耳にします。そこで、今回は舌ケアの真相について医師に教えていただきました。

まずは口臭の原因、舌苔の正体を把握

お菓子を食べたあと歯磨きをせずに放置したり、朝起きたときなど口の中が気持ち悪くねばねばとし、舌を指でこするとなにか白色から黄色、あるいは褐色っぽいカスが取れた、という経験はありませんか?これが舌苔(ぜったい)です。
舌苔は舌の表面の細胞が新陳代謝によって剥げ落ちたものや、食べ物の残りかす、白血球や口腔内の細菌などが混じってできていると考えられています。

舌苔が多く発生する条件とは……

・舌が乾燥するような状況
・舌を動かすことが減っている状況
・風邪などの炎症疾患で発熱した時
・睡眠不足
・喫煙や飲酒

舌苔が発生すると……

舌苔が関与するものとしては口臭があります。口臭のほとんどは口腔内に原因があるとされています(舌苔、歯周病、口内炎、できものなど)。この口腔内由来の口臭源として挙げられるのが硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの揮発性硫化物、アンモニア、アセトンなど。これらの物質の産性場所のひとつが舌苔なのです。また舌苔は厚くなりすぎると正常な味覚を感じることへの障害をも引き起こしてしまいます。

舌苔は除去したほうがいい?

舌苔は生理的に見られるものなので、その量さえ多くなければ基本的には無理に取る必要はありません。ただ口臭の原因の一部であることを考えて軽くブラッシングして舌苔を増やさないようにすることはよいと思います。その際、あまり強くごしごしとブラッシングしますと舌を傷つける可能性があります。このような慢性的な舌への刺激は舌ガンなどを引き起こす能性もあるので、あくまで軽く優しくとるといったことを心に留めておきましょう。

舌苔の正しい除去法&予防法

<舌ケアに向いているアイテム>
・専用の舌ブラシ
・やわらかい歯ブラシ
・ガーゼ
……など
<ケア方法>
・舌の奥の方から前の方へ優しくこすって除去
・回数は少な目に
・力は優しくて舌を傷つけてしまわないようにする

医師からのアドバイス

いかがでしたか?正しい舌ケアで口内環境を清潔に保ち、口臭を予防しましょう。大切なのは、あくまで優しくケアをするべく専用のアイテムを用意することなのです。