不安神経症という病気を聞いたことのある方は多いと思いますが、どんな病気をイメージされますか?

今回はそんな不安神経症について、医師に解説していただきました。

身体的な症状を伴う場合もある

一般的な病気としての「不安神経症」ははっきりした原因もないのに、漠然とした不安が続くもの、あるいは何らかの原因があっても、通常それを不安に思う程度以上にその不安が強く、日常生活に影響を及ぼすものを指します。

また、不安神経症の症状として、頭痛や腹痛、吐き気や動悸といった身体症状を伴うことも非常に多くあります。

病気の分類としては最近では不安神経症、などの○○神経症、といった呼称は使われることが減ってきており、今まで不安神経症と呼ばれてきたものはパニック障害や全般性不安障害、といったように診断されることが多くなっています。

簡単に言うと、慢性的に何かにつけて不安が続くものは、全般性不安障害、一過性に強い発作のような不安や恐怖感が現れるものがパニック発作、ということになりますね。

不規則な生活や睡眠不足が続くと不安感が強くなる?

ここではかつての分類である不安神経症としてお話をすすめたいと思います。不安神経症の原因として挙げられるものに、まず、何らかの心因(精神的に負担になるような出来事)があることが多いといわれますが、必ずしも心因があるというわけではありません。

失恋したり、身近な方の死を経験したり、失職したり、といったことももちろん原因にはなりえますが、そうではない、日常生活の身体的なストレスも原因になることが知られています。

具体的には、寝不足や不規則な食事、過労なども不安神経症の誘因となりえます。

【医師からのアドバイス】

不安神経症(パニック障害や全身性不安障害も含めて)にかからないためには、あるいはかかってしまった方が症状を改善させるためには、まず、規則正しい生活と十分な休息や栄養の摂取を心がけるところから始めましょう。

忙しい生活を送っている方には、耳の痛い話かもしれませんが、考えてみれば人間もやはり動物ですので、自らの体調や場合によっては生命の維持に影響を及ぼす可能性のある生活の乱れには、本能的に不安感は呼び覚まされるはずですよね。

(監修:Doctors Me 医師)