そもそも「食物アレルギー」とは?

食物アレルギー」とは、食物に含まれている成分に対して起こるアレルギーのことをいいます。アレルギーを起こすものを食べることによってアレルギー反応が起きるのはもちろん、食物の中のアレルギーを起こす成分に触れたり、吸い込んだりしても同様の反応が起こります。

通常、アレルギー反応はアレルギーを起こす成分を摂取して数時間以内に起こりますが、なかには半日以上経ってから起きたり、冷たい空気に触れたり、入浴して身体を暖めると起こることもあります。またアレルギー反応は初回よりも2回目の方が強く起こるため、アレルギーが疑われる時は、今後疑わしい食物に触れないようにする必要があります。

今回は、食物アレルギーの症状や特徴などを医師に伺いました。

どんな症状を起こすの?

アレルギー反応の症状は、軽度な場合は湿疹程度ですが、重症になると嘔吐を起こし、さらにひどくなると気管支が痙攣して息ができなくなったり血圧が下がったりして、ショックとなり、早期に適切処置をしないと死亡することがあります。

誤ってアレルギーを起こす物質に触れてしまった場合は、すぐに流水で洗い流しましょう。万が一、吸い込んだり食べてしまった場合、簡単にはアレルギーを起こす物質を身体の外に出すことができないため、なんとかしてアレルギー反応を抑える必要があります。食物アレルギーがある人はエピネフリンという、気管支を広げたり、心臓に働いて血圧を上げるペン型の注射器を持つ必要があります。アレルギー反応が疑われる時はこの注射を早めに使って、ショックにならないようにします。

食物アレルギー3つの特徴

食物アレルギーでは、以下の3点に注意する必要があります。

1. 原因となる食物を調理しても、アレルギー反応は起こる可能性が高い

2. 1つの食物にアレルギーがあると、同じ仲間の食物に対してもアレルギー反応が起きる可能性がある

(例えばメロンにアレルギーがある場合、スイカやバナナ、アボカドにもアレルギーがある可能性がある)

3. 特定の食物をとってから数時間以内に運動をすることで、初めてアレルギー反応が起きることがある
(例えばパンやエビ、カニを食べた数時間後にランニングをすることでアレルギー反応が起こる)

アレルギー体質をチェックしよう

自分が何に対してアレルギーを発症するかについて知りたい場合は、血液検査皮膚のテストで調べることができます。

血液検査は、何に対してアレルギーがあるかだけでなく、自分がアレルギー体質であるかどうかも調べることができます。ただし検査の結果が陰性でも、完全にその物質が原因でないとは言い切れません。

皮膚のテストは、濃度を薄くしたアレルギーの原因物質を腕につけて、皮膚が赤くなるかどうか見るものです。しかし極めて薄い濃度でもショックが起きることがあるため、注意して検査をする必要があります。昔は疑わしい食物を再度摂取することでアレルギー反応が起きるかどうかを検査していましたが、ショックが起きる可能性が高いので、現在は行われていません。

医師からのアドバイス

食物によるアレルギーはショックになることがあり、その場合は早急な治療が必要となります。疑いがある場合は一度病院を受診して、詳しい検査を受けることをお勧めします。

(監修:Doctors Me 医師)