授乳期のお子さんを持つお母さんの中には、授乳後、赤ちゃんが吐いてしまったという経験があるかたも多いのではないでしょうか。吐き戻ししてしまう原因はなんのでしょうか? 予防はできるのでしょうか?

今回は、気になる赤ちゃんの吐き戻しについて、医師に詳しい話を聞いてきました。

赤ちゃんの吐き戻しの原因は?

なぜ赤ちゃんが母乳やミルクを吐き戻してしまうのでしょうか。主な理由が2つあります。

1. 赤ちゃんの胃の容量
生まれたばかりの頃、胃の容量は30~50ml。授乳とともに少しずつ容量が増えます。
生後6ヶ月:120~200ml
生後6~12ヶ月:200~300ml
離乳食になると、さらに増えていきます。

胃の容量が小さな時期に、一度に容量以上の量を飲んだ場合、吐きやすくなってしまいます。特に生後3ヶ月くらいまでは吐きやすい時期といえます。


2. 赤ちゃんの胃の筋肉と構造
赤ちゃんの胃は、まだ大人のように構造的にも機能的にも完成されているわけではありません。赤ちゃんの胃は成人と比べて縦型です。

また、食道と胃の接合部である噴門(ふんもん)の筋肉が弱く、授乳後にすぐに寝かせると、おっぱいやミルクを吐いてしまうことがあります。赤ちゃんの胃を固定している靭帯(じんたい)がゆるいため、胃の軸捻転(ややねじれている状態)が起こりやすいのです。胃軸捻転症になることで、赤ちゃんが吐いてしまったり、お腹が張ってしまうことが多く起こります。

吐き戻しの予防と対処法

【予防】
・授乳直後は、頭部と胃が平らになる状態で寝かせない
・授乳直後は急に動かしたり、激しく動かさない


【吐き戻してしまったら】
1. 口周囲を拭う。
2. 口の中に異物がないか確認し、呼吸の妨げになるものはないか確認する。
3. 赤ちゃんをだっこし、逆流が起きにくい姿勢をとる(頭部が上になっている状態)。

吐き戻すので、ミルクが足りているか心配…

赤ちゃんは、胃の容量よりも多く飲んでしまった場合、吐き戻すことがあります。生後3ヶ月未満で吐き戻しが多い場合は、量を控えめにしてみましょう。

ミルクが足りているかは、定期的な体重の増加具合を見て判断します。生後3ヶ月未満は、1日あたりの体重増加量が20〜30gであれば十分です。ただし、授乳後の注意を守っても、量を減らしてみても、ひんぱんに吐き戻しが続くようであれば、一度小児科の受診をおすすめします。

医師からのアドバイス

赤ちゃんの吐き戻しは、赤ちゃんの胃の構造など生理的な要因が主ですが、授乳後の注意やミルクの減量を試しても改善しない場合は、小児科で生理的要因以外の原因がないか確認をしてもらいましょう。

(監修:Doctors Me 医師)